基本的には理系の分野だと思います。
ただ、文学部・教育学部の心理学の知識が必要になることも多いはずです。Diogenesisさんが書かれているように、心理学と人工知能とは、結びつきが強く、知覚心理学のみならず発達心理学(認知発達科学)などにおいても関係があります。
幼児期に発達する認知機能のメカニズムを人工知能でシミュレーションする試みがあります。たとえば、視覚的共同注意(他者の見ている/指しているところを見ること(バターワースによる定義))です。発達心理学では、バロン=コーエン『自閉症とマインド・ブラインドネス』でも取りあげられていたと記憶していますが、いわゆる「心の理論」(他者にも心があるのだと考える各個人の持つ素朴な理論)と関係づけられます。というような感じで、文系にいることによって、人工知能に対する問題意識を構築することもできます。
また、文学部に行くなら、哲学・哲学史・言語学・科学史・科学哲学の講義は、もし開講されているなら聴いて損はありません。
現実的な話をすると、無理言って先生に理転させてもらったり、理系の授業を受けさせてもらったりするのがよいと思います。それが駄目なら、数学・生物・物理は自分で勉強しておくとよいでしょう(センターで要るので結局やると思いますが)。
文系の学部に入ったのなら、1年生のうちから院を決め、そこの教官にメールを出して、話を聴きにいくとよいと思います。院が決まらないなら、同じ大学内の教官でもよいかもしれません。面倒見のよい教官なら、事情を話し、やる気が伝われば、いろいろと教えてくださると思います。院を受けるのに、また院に進学したあとで必要な勉強を訊いておくことも大事です。教官と話をするときは、あらかじめ考えていることをまとめていくとよいです。じゃないと教官のほうが何を答えてよいのか困るので。大学では、他の学部の授業にも出られます。出られなくても、潜り込めばよいと思います。そこでも教官と話すとよいかもしれません。うまくいくと相談に乗ってもらえるでしょう。そういう教官が見つからなければ、サークルなどで工学系の先輩と話をしましょう。受験に必要な科目や、プログラミングなどやっておくべきことなどもわかりますし。
もちろん理系に進むのがいちばんよいので、以上は次善策と考えてください。理系に進んでも、教官のところに個人的に話を聴きにいくのはよいことだと思います(当然あらかじめ考えをまとめておいて)。具体的な研究状況を見せてもらえると、いちばんよいのですが。それほど刺激的なことはありません。
感情関係の本では、濱治代、鈴木直人、濱保久(2001)『感情心理学への招待:感情・情緒へのアプローチ』新心理学ライブラリ17(サイエンス社)、リタ・カーター(邦訳1999)『脳と心の地形図:思考・感情・意識の深淵に向かって』ビジュアル版(原書房)第4章「感情は化学物質である」など。大学の一般教養レベルなので、とくに背景知識も必要ないです。人工知能の哲学の入門書は、柴田正良(2001)『ロボットの心:7つ哲学物語』講談社現代新書1582(講談社)がお薦めで、全体がよいのですが、とくに第6章「感情とクオリア」。人工知能研究への動機づけを高めるのによいと思います。これも哲学的な背景知識は要りません。
お礼
お礼が遅れてすみません。 文系でもいろいろと方法があるんですね。 本まで紹介していただいてありがとうございました。