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イタリア語 動詞変化 オペラ歌詞
ドニゼッティー作曲のオペラ「愛の妙薬」のパンフレット、第二幕一場の解説に Io son ricco, と書かれているのを発見いたしました。 私はイタリア語は殆ど理解しておりません。しかし、BE動詞の一人称は Io sono と承知しております。 1.念のため辞書にも当たりましたが、 son と言う変化はありませんでした。 2.ところが愛の妙薬のに関する記事は、イタリアのグーグルgoogle.it で検索しても、Io son ricco ばかり出てきます。 3.これは18世紀の動詞変化なのでしょうか。あるいは、楽曲の都合でこのような「母音Oの省略」が使われるのでしょうか。
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Apocopeといいます。 他にも amor "amore” vuol "vuole” ancor "ancora" man "mano" 等々、最後の母音を省略するのは現代でもあることです。 特に「詩」の場合には、リズムを持たせることが非常に重要です。 オペラの場合、全てが散文詩だった時代から全てが韻文詩(forma metrica)になり、その後レチタティーヴォは散文、アリアは韻文になります。 ドニゼッティはこの時代です。 そして、ヴェルディの後期やプッチーニなどの時代は再び散文詩となります。(ナンバーオペラでなくなります) 日本の短歌を思い浮かべてください。 字余りとか字足らずがありますよね。 イタリアの詩の場合、音を足したり引いたりして一行ごとのシラブルの数を調整するのです。 そして、それと同時にその行の中でのアクセントの位置も重要になります。 例えばDecasillabo(10シラブル)の場合のアクセントは通常3-6-9です。 そのため、固い感じがします。 何か強い決意を現すアリアに用いられることが多いですが、甘いラブシーンには用いられません。
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お礼をありがとうございます。 興味がおありなら、辞書や自動翻訳の力を借りながら読んでみてください。 http://it.wikipedia.org/wiki/Metrica_italiana http://it.wikipedia.org/wiki/Pietro_Metastasio また、ペトラルカについても目を通してみてください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%AB ....彼の366篇の詩集カンツォニエーレhttp://it.wikipedia.org/wiki/Canzoniere_%28Petrarca%29は音楽が付けられ、多くのマドリガルとなりました。 全文はhttp://it.wikisource.org/wiki/Canzoniere_%28Rerum_vulgarium_fragmenta%29 ソネットなどの詩の型や使われている言葉などを眺めてみてください。 日伊辞典 http://www.notitle.ne.jp/~amore/ 伊伊辞典 http://dizionari.corriere.it/dizionario_italiano.shtml
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参考にさせていただきます。 前報は友人にも読ませました。 お名前 sepere は実態にピッタリです。 では質問を閉じることにいたします。
お礼
ご回答を拝見し、正直驚きました。この短い文章の中で文法、言語史、詩、音楽、音楽史、特にオペラ、比較言語学、全ての面から見て下さいました。しかも分かりやすい!感謝いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 ご教示の内容について何のコメントもありません。真面目に取り組んでいることの証として、お返事をいただいた後、何をしているかをメモいたします。もう2時間も机と本箱の間を往復しております。 apocope と troncamento は同じことですね。いずれも切ると言うより、分離する/切り落とすというニュアンスと理解いたしました。辞書、文法書などをもう一度よく読みます。出版社ショパンの歌うイタリア語ハンドブック(森田学さん)も、大急ぎで目を通しましたが、まだ apocope に関する個所は発見しておりません。この本は、とてもよいと思うのですが、索引がないのです。 Ringraziarlo molto per il suo aiuto. Ero impressionato dalla sua gentilezza e la sua conoscenza. このイタリア語にはチョット自信がありません。