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金瓶梅 本を使った毒殺トリックの出典
こんにちは。カテゴリ「読書」でお尋ねしても回答が無かったので、こちらに移しました。 以前から気になっていた事が1つありましたので、質問させて下さい。 『金瓶梅』が語られる際、よく本編とは別に「本の頁を舐めた指でめくる癖のある人間に、毒を付けた本を読ませる」(確かある男が妹を殺された復讐に、妹を殺した相手(大金持ち)に『金瓶梅』を献上して毒殺する……という内容)というトリックが出てくるのですが、この話の出典(元ネタ?)は何に載っているのでしょうか?
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こんにちは。 手元の『ザ・金瓶梅』あとがきによると、イギリスの東洋学者・A・ウェイリーの英訳版『金瓶梅』序文に載せられている由です。いろいろな書物に断片的に語られている話を、総合して紹介したもののようですね。 その内容によると、明代の暴悪な大臣・厳世蕃に父を殺された王世貞が、父の敵を討つべく「何かおもしろい本が読みたい」という厳のリクエストに乗じて自ら執筆・細工して厳に献じたものということになっています。 美しい腰元に痰壺の役をさせていたという厳にはふさわしい伝説ですが、明代指折りの文人たる王世貞には似合わしからぬと、この説は今では否定されていますが。 また、類似の話として、『千一夜物語』第5夜の話が紹介されています。これは自分の命を救ってくれた医者を、大臣の讒言を信じ込んで殺そうとした王が、逆に医者によって書物のページに染み込ませた毒により自業自得の死を遂げる、というものです。この話は岩波文庫の『千一夜』で簡単に読めますよ。
お礼
遅くなりましたが、回答ありがとうございます! 『ザ・金瓶梅』なんて本があるのですね。存じませんでした。 英訳版の序文に載っていたのが、話の元ネタでしたか!(それも現在否定されている話なんですね) 本編には載ってないのに、いくつかの小説やマンガで同じ構成(ネタ)を見るので、どうしてなんだろうとずっと思っていたんです。 これで漸く、つかえが取れました。 類似話も含め、ご教授本当にありがとうございます。