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獣医師として防疫のためのワクチンの研究をしたいのですが…
僕は獣医学科に通う2年生で、薬理と防疫の分野に興味があります もともと高校で習った化学が好きで、化学物質について研究できる薬理に興味をもっているのですが 最近、感染症などを予防する防疫の分野にも興味を持ち始めました そこで、獣医師の方、薬品に関する研究をなさっている方、防疫に携わっている方などにお聞きしたいのですが ・薬品の研究の現場で獣医師免許を持っている人は主にどのような薬品の研究・開発をしているのでしょうか?? ・動物に処方される薬品は、ほとんどが人用の薬品の転用だということですが、獣医師が薬品の研究をする意義は?? ・薬品の研究には、獣医学科で履修する薬理学では足りない部分があるのでしょうか??(薬学部で勉強する必要は?) ・防疫に携わっている獣医師で薬品の研究をしている人はどの位いて、主にどのような所で働いているのでしょうか?? 以上、長々と質問があるのですが、どれか一つでもお答え頂くと助かります。よろしくお願いします。
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再びJagar39です。 >となると、大学での研究室が将来の仕事に直結するとは言えないみたいですね とはいうものの、例えば製薬会社の研究員に臨床繁殖の講座から採用してくれるか、となれば不利になることもあるでしょうし、その講座のレベル(つまり教官)によっては学生時代の専門が社会での仕事に直結することもあるので、講座を選ぶ際はそれなりに将来のことを考えた方が良いです。 防疫や製薬に興味があるということでしたら、微生物学関連の講座が第一候補ということになるでしょうね。 これが防疫の現場ということになると、もう何でもありの世界ですが・・・ 学生時代にやっていた左官屋のバイト経験が一番役に立った、なんて人もいますから。 ま、そんな極端な事例はさておき、とりあえず法律を知らないことにはどうにもなりませんし、次に重要なのは流通、獣医学の知識はその次くらいの重要度ですね。
防疫に従事する獣医師です。 別に動物実験のために獣医師がいるわけではなく、獣医師抜きでも動物実験は法的にも技術的にも可能です。まあ動物実験を請け負っている会社があったりして、その会社には獣医師が多かったりもしますが。 獣医科の学生さんなので判らない言葉が出てきても周囲に聞く人がいる、ということで特に言葉は選ばずに回答します。 まず、大学の研究室にお邪魔させてもらって「動物用医薬品医療機器要覧」という本を見せてもらって下さい。臨床系の研究室なら確実に持っているはずです。 そこにはまるまる1冊、ぎっしりと「動物用医薬品」の概要(成分や用法等)が書かれていますが、この中に出てくる大部分の薬剤は人間用の流用などではなく、動物用として開発されたものです。 まあそれでも代謝系の薬剤などは人体用と同成分、すなわち人体用医薬品として開発された後に動物用としても認可を取った、というものが多いですし、人体用の医薬品を動物に処方することもあります。ポジティブリスト制度の施行でそういった処方には身長にならざるを得なくなりましたが。 また、抗生物質も製品としてはともかく、成分は人用も動物用もありません。 というわけで治療薬に関しては確かに人用の流用は多いです。 ですが「防疫」という観点から薬剤を考えると事情が異なり、ほとんどが動物用として開発されたものになります。 まずワクチンですが、これは人と動物で罹患する感染症が異なる以上、専用に開発しなければなりません。 それから診断薬も医薬品であり、それらも同じ理由でほとんどが動物用として開発されています。 まあ例外はあるもので、例えばインフルエンザ、ロタウイルス、RSウイルスの診断キットは人体用のをそのまま使っていますね。 で、ちょうど獣医学科が「動物のお医者さん」を養成することが主の学科であるように、薬学部という学科は基本的に「薬剤師さん」を養成する学科です。 ただ、共に臨床系だけではなく基礎系(生理学や解剖学に薬理学、微生物学etc..)の研究室も単位もあるわけですから、そちらの方から薬品開発の方向に進む人もたくさん出てくるわけです。その基礎系で学ぶことは薬学部であっても獣医学科であっても医学部であっても基本的に同じです。 薬品開発には非常に多岐にわたる専門家が必要とされます。少ない種類の専門家でできる薬剤は、ほとんど微生物屋がいればできてしまうワクチンくらいのものでしょう。そのワクチンだって組み替えワクチンだったら遺伝子工学の専門家がいないと開発できませんし。 ですから、獣医であろうと薬剤師であろうと医師であろうと、基礎系の研究室でみっちり学べば、そちらへの道が開けると思いますよ。 「防疫」は現場の仕事なので、基本的に研究はしません。それでも各種研究機関には出入りもしますし知り合いも多いですし、機会があればデータ集めて学会発表でもして、論文も書く人も多々いますが。 基本的に防疫に携わっている人は、研究の仕事をするときは疫学方面に首を突っ込むことが多いです。現場にいるのでネタはいくらでも転がっているし。 ただ、たまたま自分が首を突っ込んだ感染症で自分が調べたいデータを取れる検査法がなくて、ええいそれなら自分で作っちゃえ、という仕事をする人は少ないですがいます。少ないのは、その仕事をするには「業務外」で人の10倍くらい勉強と仕事をしないとできないからで。 私もたまたま首を突っ込んだある動物の感染症について、疫学的な仕事をしたいと思っていたところに、それについて新しい検査法を開発している某メーカーの研究者と知り合いになり、承認申請のための臨床試験等を手伝ったことがあります。(ちなみにその研究者は工学部出身) その後、その検査キット(未だに承認申請中ですが)を使っていろいろ現場のデータを取ってみたら非常に面白いデータが出てきたので学会で何回か発表し、その仕事をするために余所から予算をもらったのですがその時に世話になった研究機関の先生に「速く論文を書け」とせっつかれているところだったりします。 というわけで、なんにせよ仕事は人との繋がり、ということです。1人の専門家だけでできる仕事はないと言って良いです。 ある研究機関には昔半年あまりいたこともあり、今でもよく世話になっていますが、確かにそこは獣医が多い研究所なのですが、薬学部出身の人も医学部出身の人も工学部出身の人もいます。 そして仕事の上ではまるっきり区別できないです。知り合って10年近く経ってから、避け飲んで話しているときに「えっ、あんた獣医じゃなかったの?」なんてことが数回ありました。 長くなってしまいましたが、そんなわけで基礎系の分野では獣医も薬剤師もあまり関係がない、ということでした。 家畜の防疫は、まあ確かに獣医師の仕事ですが。
お礼
詳しく回答いただいてとても参考になります ありがとうございます 製薬は薬理学の専門家だけでやるものだと思っていました 恥ずかしいです… となると、大学での研究室が将来の仕事に直結するとは言えないみたいですね とても参考になりました!ありがとうございました!
- Mandheling
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私は獣医では有りませんが、参考になればうれしいです。 獣医師さんは人の医薬品の開発には欠かすことができません。 医薬品が人に使ってもいいと許可を得るまでには大きなハードルがあります。 臨床試験もそうですが、それにもっていくまでに しかし臨床試験に用いても大丈夫であると言えるだけの、副作用や効能のデータが必要になります。 そのデータを集めるためには、動物実験をしなければならないのですが、 どんなに医師と薬剤師がいたところで、獣医師がいなくてははなしになりません。 たとえ人用の薬といえど獣医師がいないと何一つ開発ができないのです。
お礼
回答ありがとうございます Jagar39さんの回答と合わせて見てみますと、各分野での連携があっての製薬ですね 役に立ちました ありがとうございました!
お礼
回答ありがとうございます 法律を知ってることが獣医師にとって一番ってことは、僕の通ってる大学の先生もよく言います 今のところ、臨床系の研究室はほとんど考えてないのですが、生化学、薬理のどちらかで迷っていました。 ワクチンの研究なら微物だったんですね。 内容だけでなく、研究のレベルも仕事に繋がるわけですね。 ありがとうございます!また役に立ちました!