キリスト教の教派は、かなりあるため、歴史的に重要なものだけ簡単に説明します。
グノーシス諸派
知性を重視し、肉体を劣悪なものと考える諸派
ギリシャ哲学の影響下に発生
そのため、旧約聖書の神を肉体を造った劣った神(または悪魔)とし、新約聖書の神を優位な神(真の神)とします。
アリウス派
ローマ時代にゲルマン人の間に広がった考え方
内容は良く分かっていません。現在消滅しています。
ネストリウス派
キリストは単なる人間であり、奇跡を起こした事はないと考える教派。
現在イラクとアメリカで少数の人が信仰しています。
単性派
キリストは神もしくは限りなく神に近い存在とする考え方。
現在エチオピア(エチオピア教会)、エジプト(コプト教)、シリア(ヤコブ派)、インド(ヤコブ派)、アルメニア(アルメニア教会)に5000万人ほどの信者がいます。
カトリック
キリスト教最大の教派キリストは、三位一体であるとする考え方で、聖書と慣例を重視します。
正教会
ギリシャ正教、ロシア正教などの総称で、旧ビザンツ帝国の教会の考え方を引き継ぐ教派。
三位一体ですが、キリストの人間性は、1/3で、神性が2/3(聖霊も神性に含める)とする考え方。
二元論派
善悪の2つの神を想定した一種の二神教
グノーシス派に含める場合もありますが、こちらは主にゾロアスター教、マニ教の影響が強く出ています。
代表的なのは、現在のトルコ西部に生まれたパウロス派(小パウロ派)、バルカン半島のボゴミール派、南フランスからイタリア北部を中心としたカタリ派などがあります。
ルーテル派
ルターの宗教改革によって生まれた教派
地域に根ざした教会で、教会自体が地域活動の中心となります。
長老派(改革派)
カルビンの宗教改革によって生まれた教派
選挙により長老を選びその長老の下に教会が運営される。
聖公会
イギリス国教会の系統です。
カトリックとプロテスタントとの中間的存在
バプテスト
アメリカ最大の教派
自分自身の自主的な信仰告白を重視し、水に全身を浸ける洗礼を行います。
アナバプテスト(再洗礼派)
幼児期の洗礼を無効とし、成人してからの洗礼のみを有効とする考え方。
メソジスト
イギリス国教会の保守性に満足できなかった人達が、聖公会を抜けて結成した教派
会衆派
基本的な考え方は、長老派と同じですが、長老指導を否定し、信徒各自が教会運営にかかるべきだとする考え方。
ピューリタン革命の主力、メイフラワー号もこの会衆派
クエーカー
キリストの神秘性に触れその教えを広める事を目的とした教派
ホーリネス
メソジストから分派
完全なるキリスト者を目指す教派
ディサイプルス
初期キリスト教を理想とする教派
旧約聖書を否定
セブンスデイアドベンチスト
キリストの復活・再臨を強く願う教派
ペンテコステ派
キリストの奇跡の体験を主目的にする教派
現在教派の伸びでは他派を圧倒
牧師一人一人が、実質的に一教派を形成しているため、教会ごとに考え方に差があります。
福音派(キリスト教原理主義)の最強硬派
現在キリスト教世界で異端とされているキリスト教として、エホバの証人、モルモン教、統一原理(世界統一教会)、クリスチャンサイエンスなどがあります。
詳しくは、「よくわかるキリスト教の教派」 キリスト教新聞社
を参照してください。