この問題、実は「プランクの黒体輻射式にはいろいろな形がある」理由を考えると、答えは明らかだったりします。
たとえば、波長λ~λ+dλ間にある黒体輻射の「エネルギー流束(単位面積あたりのエネルギー放出量)」をIλとすると、Iλは
Iλ=(C1 /λ5) {exp(C2/λT)-1}^-1[W/m2・1/m]
C1(放射第一定数)=2πhc^2[W・m2],C2(放射第二定数)=hc/k[m・k]
と表せますが、これを黒体表面と熱平衡にある空洞(電磁場)の「エネルギー密度(単位体積あたりのエネルギー)」Uλに着目すれば、4πIλ=c*Uλの関係から
Uλ=(8πhc/λ5){exp(C2/λT)-1}^-1[J/m3・1/m]
と書けるわけです。
※いま単位波長あたりで考えているので、それぞれ1/mだけ次元が変わることに注意!
○「4πIλ=c*Uλ」の導出
まず、単位波長・単位体積あたりに立体角要素dΩの方向に進んでいる電磁波のエネルギーをu(λ,Ω)とします。このとき、断面積dS・長さc*dtの円筒を考えると、円筒内の電磁波のエネルギーはu(λ,Ω)dS*c*dtです。
さて、これが熱平衡でdt間に黒体表面dSから出てきた光であったとすると、IλdtdS=u(λ,Ω)dS*c*dtですから、Iλ=c*u(λ,Ω)が成立します。また、∫dΩu(λ,Ω)=Uλです(∫dΩは全立体角についての積分)。
さらに黒体輻射は等方的ですから、エネルギー流束Iλは方向によりません。よって、∫dΩIλ=4πIλ。∴4πIλ=c*Uλ(終了)
ということで、要は、黒体輻射という物理現象のどの部分に着目するか?によって表式が違ってくるので、係数も変わったというお話でした。
お礼
πの件は何となく分かりました。今回の質問も熱伝導を調べていて直面した問題でしたので上記のサイトも参考になりました。 それでも式を導く過程の理論は私には難しすぎます。πがあったりなかったりなど、ちゃんとした理由があり、記載ミスなどではないことで安心しています。計算結果による式を利用するだけの実力しかありませんが、工学的にはそれでもいいかと自分を慰めています。 ありがとうございました