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コンピュータ(computer)の語源は、いったい何なのでしょうか?
コンピュータの語源を調べていてわからなくなりました。ご存じの方は教えて下さい。 Webサイトで調べると“コンピュータの語源”として下記の情報が出てきますが、本当なのでしょうか?この説がまことしやかに流布していますが、事実なのでしょうか? >ref. /ラテン語の木を剪定するという【putare】が、どこを切るか判断しないといけないところから【判断する、考える】という意味になります。そこに【共に】を意味するラテン語の【com】がついて、【共に判断する】/-参考:All Aboutから抜粋。 とか,/コンピュータはもはや「計算する(compute) 」だけのものではなくなってきた。むしろ、言うなれば、ラテン語の語源的な意味(英語のcompute はラテン語のcomputare に由来する)において、いろいろな情報(データ)を「ともに(com = together)」まとめて「考え合わせる/考察する/思考する(putare = estimate, consider, judge, suppose, imagine, think)」ための道具となって来ている。/参考抜粋:静岡大人文学科
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動詞 compute は1631年フランス語経由でラテン語の computare から借入されました。一方 count はそれよりおよそ300年前にフランス語から借入されました。 count はフランス語において compute が崩れた形で、これらは元々同一の語です。このようなケースでは崩れた形は一般的な意味(数える)、ラテン語に忠実な形は専門的な用法(算定する)になる傾向があります。 compute 自体の語源についてはほぼ All about のとおりです。 computer という語自体は1646年から使用例があり(ただし「算定する人」の意)そのご「機械式の計算機」という意味で使われてきました。 現代の意味「デジタル式・プログラム可能なコンピュータ」はENIACからと見ていいでしょう。正確にはまだ実機の完成以前に理論として1937年に現代の意味の computer が使われています。 まとめると computer 自体はかなり古くからある単語ですが、時代とともにその表す対象が変わってきました。コンピュータは元来「高速計算機」として開発されたものなので computer と言っても違和感はなかったのです。現代のように広範囲に用いられるようになると従来の計算機は calculator (これもラテン語起源)になりました。 >コンピュータはもはや「計算する(compute) 」だけのものではなくなってきた。…… この部分は語源ではなく「感想」です。えてしてこういうものがいつのまにか語源にすり替わっていく危険があるので注意が必要です。同じようなことは漢字の起源に関する誤解の原因にもなっています。 なお、compute はラテン語に起源を求めることができますが、 computer はあくまでも英語です。動詞に -er をつけるという英語の造語法でできており、ラテン語の造語法ではありません。ラテン語の造語法に従えば computator でなければなりません。
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もうほとんど正解が出尽くしているようですが少々お時間をください。 どれでもよいのですが英語の辞書を見るとcomputeという単語は(電子計算機の発明以前から)「計算する」という意味で使われていたのはまちがいありません。ラテン語の語源を言うなら「共通だと見なす」つまり数のうちに入れて何かを「合算する」ということです。類義語のcalculate(こちらは小石かソロバン玉の様なものを並べて数を示すような感じ)と同様、computeも「計算する」ことがもともとの意味です。どちらも古代ローマ時代から20世紀の前半まで少々語形を変えて使われてきたのです。 >どこを切るか判断しないといけないところから【判断する、考える】という意味に>という箇所には違和感を感じます。 ラテン語のputo,putareには、1.「きれいにする」2.「剪定する」3.「見なす、判断する、信じる」などの語義があります。1.と3.はたぶんつながりがあるのでしょう(No.4のtrgovec様のご説明にある通り)。1.と2.は語形が同じというだけで「同音異義語」といってもよいほどです。1.から2.の意味が派生したと見ることもできます。(比較言語学的な手法を援用する学者の間でも意見が分かれています。権威あるとされるOxfordの羅英辞書には1と2が本来的な意味、3.が比喩的つまり二次的に派生した意味と記されていますが、これも絶対的な正解ではありません。) でも少なくとも2.から3.が出たわけではありません。「切る、剪定する」の意味のputoで英語に借用され残っているものにamputation「切断」があります。 つまりamputationがputo2.「切る」にしか遡らないのと同様に、computerもputo3.「判断する」までしか遡ることはありません。 (読みにくい「クジラ文」ですみません...) 閑話休題。では、二十世紀前半に(たしか砲弾の弾道計算を自動化するという目的もありましたよね)computeする機械を作り命名した人たちが、上記1.~3.のそれぞれの意味を意識していたかというと、残念ながらその可能性はありません。 小学生の算数的なcalculateと対比して、これより高度な数学的計算を可能にするものという意味ですでに英語の語彙にあったcomputeを使用したと考えるのが妥当です。
お礼
お礼が遅くなりまして申し訳ありません。 的確なお答えありがとうございます。おっしゃる通り「高度な計算ができる<人>」という意味で英、独、伊語はcomputerを使用しているようです。私もnakanonanako様と同意見です。computerにはもっと深い意味があるかと期待したのですが... NO.5のanapaultole様がお書きになった>神学用語のordinateur(神は世界に秩序を齎す)がCombinateurを打ち破り...略>はとても参考になりました。スペイン語のComputadoraも類似した意味があるようです。 martinbuho様の指摘なさったように語源解釈は、専門領域であり素人が勝手に解釈すると、解釈した人の思惑で語源元来の意味が歪曲されてしまうようです。誤った解釈がインターネット検索Top10に載ってしまい、俗説が定説になってしまう場合もよくあるようです。私もその轍を踏みました。 軽い気持ちで“コンピュータの語源は?”という内容でコラムに載せるつもりで調べたのですが、コンピュータ史研究の分野が確立していない現在、諸説があり困惑してしまいました。 この場を借りまして、皆様に御礼申し上げます。 PS: computerを剪定する→共に考えると解釈した“All About”の著者の方にはメールで問い合わせました。ご本人からは、引用した参考文献をなくしたそうで、調べてみるとのお返事でした。もしこの説に根拠があれば、とてもユニークな解釈になります。答え待ちです。
- anapaultole
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英語computerの語源をお探しです 既に明達の好回答があります 全くの参考意見です 回答の中にもラテン語に遡るとの解説があります ラテン語から多くの言葉を受け継いでいる国々の中でフランスが このコンピュータを示す際に何故、このcomputareからの派生語を現在 利用せずにordinateurとの用語を利用しているのでしょうか このような視点を追加すると、英語圏からでない別の視界が開けるのでは 因みに、フランスでは、computareからの動詞computerがあり、これは 暦の計算や時間の計算をするとの意味に限定されて利用されていました 1950年代にIBMが英語のcomputerの直仏訳であるcalculateurでは 余にも単純過ぎるとの事で、当時ソルボンヌ大学のラテン学者に相談をし 神学用語のordinateur(神は世界に秩序を齎す)がCombinateurを打ち破り 採用されたとの逸話があります ここらが、米国や仏国がコンピュータに寄せる思いではないでしょうか お書きになっておいでの原稿の埋め草になればと綴りました
お礼
回答ありがとうございます。 他言語でコンピュータを調べると、いろんな意味があるのですね。 >神学用語のordinateur(神は世界に秩序を齎す)この箇所は、興味深いです。 外来語、外来品の命名は誰が翻訳したかで、その後、各国でニュワンスが大きく異なってしまいそうですね。 独語、伊語は同じ“computer”を使用していました。 西語の辞書では“computadora,ordenador"で仏語にちかい「秩序を与える」と出てきました。
- trgovec
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No.2 です。 computo (ラテン語の動詞は一人称単数形を代表形・辞書の見出しにします。私もうっかり不定詞を書いてしまうことがあります)の分析はいくつかあり、All about のもその一つです。研究社の『英語語源小辞典』には com + putare putare の語根は putus(きれいな、純粋な)で、「精査する、余分なものを取り除く」→「整える」→「考えを整理する」→「判断する、数える」となった。 com は別項で cum = with の古形であるがしばしば altogether, completely のような強意を表す。 語源というものは古くなればなるほど推測によるものになり、どれが正しくどれが間違っていると100%の自信で言うことはできません。「英語語源小辞典」が絶対に信頼できるとは言い切れませんが、多くの資料をつき合わせているだけ信頼性は高いと思います。 危ないのは単語を分解し、それらをラテン語やギリシア語の辞書を引くだけで意味を再構成し、断定的な言い方をすることです。(有名な例として、「salary はラテン語の『塩 sal』が語源で、兵隊に塩を給料として払っていたから」というのがありますが、塩を給与として払った記録は見つからないそうです) 本来語源というものは新しくて記録のあるもの以外は「~であろう」「~と思われる」「~が想定される」「~かもしれない」としか言えないものです。 なお、ウェブの語源辞典としては http://www.etymonline.com/index.php?search=compute&searchmode=none 語彙数がやや少ないようですがよく使っています。 語源の話が専門的な部分に入りそうなときは、断定的な言い方を避け、辞典などの資料で調べたことと自分の推理や感想を明確に区別することをおすすめします。
お礼
貴重なご回答ありがとうございます。 とても参考になりました。 computer=計算するではあまりにも味気ないので、「コンピュータの言葉の由来は?」と気軽な気持ちで調べていたのですが、多岐にわたって解説があるので驚きました。 >putare の語根は putus(きれいな、純粋な)で、「精査する、余分なものを取り除く」→「整える」→「考えを整理する」→「判断する、数える」となった。・・・参考になりました。 /剪定する/の流れはputare→putator→pruner(英)こんな感じで出てきたのかな?、と考えていました。しかし、語源を調べるといろいろな興味ある派生的事象がでてくるので、いくら時間があっても足りないですね。 >語源の話が専門的な部分に入りそうなときは、断定的な言い方を避け... ... その通りです。 Webサイトの中にこの区別ができていない論説が多くあるので、要注意です。コピペを繰り返して誤りが増幅していく。この誤りが、やがてGoogleでTOP10に入ってしまう。今後、世の中で“誤謬”が大手を振って歩いていきそうです。
No.1です。 >putareとcomputerの関係が見えてきません 専門家の回答がありましたので蛇足ですが、これはラテン語そのものの分析 になるので、普通はラテン語のcomputareが語源、で十分だと思いますが。com(con)=with ウエブが信頼できないなら英語の語源辞典や大型の英和でも確認することができます。
お礼
度々の回答ありがとうございます。 Webサイトは、手軽で役立ちますが、時として落とし穴が多くあるようです。大学の先生のページでも名称の誤りや計算式の誤りなどあり、それを参考にしたWebサイトがドンドン増えていき、やがて誤りが一人歩きしてしまう...引用箇所は明示すべきなのでしょう。 >ウエブが信頼できないなら英語の語源辞典や大型の英和でも確認することができます。 確かにその通りです。サイトは随時、修正できますが、図書は改訂版が出るまで変更がききません。
本当です。 いつも思うことですが一般の人が語源を知るとは簡単に「どの言語が起源か或いは造語か、そしてその本来の意味は?」で留めるべきです。 それ以上は専門家(業界人、言語学者など)の領域だと思います。 従ってコンピュータの語源は次のように説明できます。 1.ラテン語で計算する(compute)という言葉が起源。computerとは計算する物(者)、つまり計算機のこと。 2.計算機はソロバン又は類似の機器、計算機、そして今我々が使用しているコンピュータへと発達した。 現在のコンピュータ全盛の時代前からコンピュター(計算機)は存在していた。 3.ラテン語の語源まで踏み込めば、ラテン語のその単語の語源はxx語、そしてxxの語源はというように際限なく疑問が湧いてくるでしょう。教えてgooでもそのような解説を好む回答者がいます。
補足
さっそくのお返事ありがとうございます。 私の質問の書き方が、要点を得ていませんでした。 申し訳ありません。 日本語サイトに、コンピュータの語源を剪定する→考えるという解釈が目立ちます。このことからコンピュータを計算機というより思考する機械といった解釈です。 一応、英語とスペイン語の辞書とサイトも調べてみたのですが、語源的に計算するか秩序を与えるという説明が多くありました。この<putare>というラテン語も私の辞書にはありませんでした。不規則動詞か辞書の語彙数が少なかったかもしれませんが? putareとcomputerの関係が見えてきません。日本語サイトに書かれている内容が、もしかしたら間違って流布した解釈かどうか知りたかったのです。 コンピュータ関連の本の原稿を書いているので、正確さが欲しかった為専門領域に立ち入りました。
お礼
明解な解説ありがとうございます。 だいぶ焦点が絞られてきました。