江戸っ子のべらんめえ口調で文章を書いたところでしょうか。
「批評」だと思って読むと、なんて言うか、とても読めないですよね。
一つの結論にむかって言葉を積み上げていくタイプではなく、その都度そのつど細かく断言していって、結果として文章として仕上がっている、というような感じです。
江戸っ子ですから、短気で、ピンときたら言わずにいられない。
そういう感じが好きな方にはたまらないかと。
それから、「○○主義」といった、思想に冠するものがあると、冠する以前には直感的にわかっていたことがわからなくなってしまう、だからわかりやすい名詞をつかわずに、自分の直感にしたがって書いてみよう、というスタンスですから、そういうのが好き、という人にもたまらないと思います。
加えて、戦前は独文、英文といったわりかし「実用的」なことをやっていた人たちから仏文の人たちへ、複雑な劣等感と羨望があったといいます。「ほんとうの芸術、文学、哲学をやっている」という。小林はその憧れと劣等感をひきうける象徴的な人物であったかもしれません。
お礼
ありがとうございます。なんとなく分かりました。 直感と迫力で押していく戦前の軍部みたいな感じを文芸でやったみたいな感じですね。よくもわるくも時代を反映してますね。