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バルビタール類
バルビタール類に光学活性体が存在するかを考えています。 バルビツール酸やフェノバルビタールなどには対称面が存在するので、光学活性は示さないと思うのですが、Nにつく2つのHが、もし、1つはHでもう1つはアルキル基の時、不斉炭素が存在し対称面が存在しないので、光学活性を示すと考えて良いのでしょうか?
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バルビツール酸類 pyrimidine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione のうち フェノバルビタールを例にとれば、5位の置換基がethylとphenylで異なる ので、1位のNHと3位のNHはpro-chiralの関係にあり、その一方が 置換された化合物はchiralです。racemiなら光学活性を示しませんが、 質問者様は「キラル」と「光学活性」の概念の違いはご存じですね。 ペントバルビタールの場合、医薬品としてはNa塩が用いられています。 5位の2-pentyl基上の不斉を別問題とすれば、フェノバルビタールと同様に pro-chiralなNH水素の一方が「ナトリウムで置換」されている状態に 相当し、通常はエノール型で表記されるようです。O-NaとN-Naが特定 できるのかどうかは存じませんが、いずれにせよ対称面はありませんね。 ただし、Na塩では、互変異性のために環上の不斉は維持されないと思います。 窒素上がアルキル置換なら、上記フェノバルビタール同様にchiralです。 一方、バルビタールは5,5-diethylですから、1位3位の片方をアルキル置換 しても、C2対称軸が存在するので、achiralでしょう。 立体化学を専門にしていたこともあるので「経験者」考え方は「自信あり」 #凡ミスしてたらゴメンナサイ
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- rei00
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loveobo さん(先日はフォローありがとうございました)の丁寧な回答がありますので,蛇足に近いですが・・・。 環状化合物について光学活性が存在するかどうかは,一度環を開いて見ると考えやすくなります。例えば,バルビツール類ですと,左式の構造を持っていますが,これを右式のように開いて考えるわけです。 R’O R’O | ∥ | ∥ R-C-C-NH R-C-C-NH-(CO) |* | |* O=C-N-C=O O=C H | HN | (CO) 右の式を見れば,このままでは*の炭素は同じ置換基「 -CO-NH-(CO) 」が2つ付いているため,R や R' に関係なく,不斉炭素ではありません(例:フェノバルビタール)。この場合,光学活性も存在しません。 ここで,どちらかの窒素にアルキル基を入れた場合,R と R' が同じか異なるかで光学活性の有無が分かれます。 R と R' が同じであれば,*の炭素は不斉炭素にならず光学活性も存在しません(例:バルビタール)。 一方,R と R' が異なれば,*の炭素は相異なる4つの置換基を持つ事になり,不斉炭素になります(例:ペントバルビタール)。その結果,光学活性を示します(勿論,ラセミ体でなければですが)。 環形成による自由回転の障害で対称面がなくなる場合がある事を念頭に置く必要がありますが,殆どの場合はこの考え方で大丈夫だと思います。 以上,バルビツール類ではなく,天然物の光学活性化合物取り扱いの「経験者」としての回答です。