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衝突エネルギの吸収
自動車の「実車衝突実験」に関する研究論文を読みました(自動車研究 2002.5月号)。その中のひとつにスクーターの衝突実験の話があり「~(略)衝突前の運動エネルギの95%以上が車体変形エネルギに費やされており~(略)」という一節があるのですが・・・ 1)この数値(95%)どうやって算出しているのでしょうか?同じ論文中には、衝突速度、ホイールベース縮小量、車両質量のデータや、衝突時の高速ビデオ映像、バリアに発生した荷重とその持続時間のグラフ、などが掲載されています。運動エネルギ 1/2mv*E2 の式でも使うのでしょうか? 2)反発係数eの式は、この場合使えるのでしょうか?衝突の際に被衝突物がつぶれて、エネルギを吸収しちゃってるわけですので、反発速度はゼロですよね?そうすると、95%なんて中途半端な数値ではなく、「100%吸収」としか考えられない気がするのですが・・・ この辺の情報をお持ちの方、よろしくお願いします。
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エネルギーは保存量ですから、衝突で起こる色々な現象を観察し、それぞれでどのようなエネルギー吸収や散逸があるかを計算して、これを、オートバイの運動速度から出る運動エネルギーから引いて、減少分の元のエネルギーとの比を取ると、5%程度になるので、残るのは、「変形に吸収されたエネルギー」ということで、95%という数字が出るのだと思います。 ぶつかる相手にも、いくらかのエネルギーは与えるはずです。それは相手の壁にかかる力の変化や、衝突で壁に振動が起こったり、振動波や熱が発生すれば、それも測定し計算することです。(また、必ず反発して、壁より少し後ろで止まるはずです。衝突の瞬間に、後輪が左右に動き、車体は横方向で壁にぶつかるというのもありえます)。 部品が飛散した場合、幾つかの方向からヴィデオで撮影していると、どの部品がどういう速度で飛んだか分かります。部品を拾って、質量を計り、速度で、運動エネルギーを計算すると、飛散した部品の使ったエネルギーが出てきます。 もう一つ、衝突の時には、地面をかなり強くこすります。衝突の仕方にもよりますが、地面との摩擦で熱エネルギーが発生します。このエネルギーは、衝突直後に、地面の温度を測るとかすると分かるはずです。 音に散逸するエネルギーは、スピーカで音を拾っておけば、音は四方に広がりますから、音の散逸エネルギーが出てきます。 車体の温度や、大気の温度も測定すると、熱散逸が計算できます。 正確にというのは無理ですが、変形以外のエネルギーの放出や散逸を合計すれば、運動エネルギーから、この減少分を除くと、残りが、「変形の吸収エネルギー」ということになります。
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- hagiwara_m
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先ほど、No.2を書いた者です。ご質問を読み直していて気づいたのですが、衝突する相手は何でしょうか(No.2では車どうしの衝突をイメージしてしまいました)。もし、壁に衝突するなら、壁の方の"変形エネルギー"もあるはずです。エネルギー損失の95%以上が車体の変形による分、残りは主として壁の変形による分、と考えれば、分かりやすい話になります。また、細かいことを言えば、「変形」とは呼びにくい、えぐれたり擦れたりすることによるエネルギー散逸もありますね。
お礼
ご回答ありがとうございます。衝突実験のあとに、飛び散った部品の飛散度合いを運動エネルギとして表現するってことですね。根気が必要ですが、これなら何とかなるかも知れませんね。 因みに衝突する対象物は「荷重計を取り付けた固定バリア」とのことです。本文には、バリアにて測定された荷重〔kN〕の時間変化〔ms〕がグラフで表示されてます。ホールベースの寸法変化っていうのも気になりますが・・・
- hagiwara_m
- ベストアンサー率44% (58/130)
工学的な立場には疎いのですが、一言コメントします。 おそらく、"変形エネルギー"は、変形に伴うエネルギー散逸(発熱)を含めて考える量だと思います。ですから、5%分は、主として、飛び散る破片の運動エネルギーだと推察します。 反発係数と運動エネルギーの減少についての一般的議論は、座標系の選び方等に関する面白い話題を提供してくれますが、ここでは(ご質問からそれるので)触れないことにします。結果として、ご質問の2)の内容は、衝突後に飛んでいる破片がないとすれば正しい考察と思います。
- Too-mmy
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諸公式には詳しくないんですが、反発速度がゼロでも、 衝突物がつぶれるときは変形エネルギー以外に その時に音と、熱エネルギーが発生します。 そのために何パーセントかエネルギーを食うんだと 思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。全く浅はかでした。そうですね。熱エネルギや音のエネルギにも使われますよね。あとはそれをどうやって数値で表わしたのか、ですね。これがどうにも不思議でして・・・
お礼
ポイントは、衝突後にエネルギが何に変換されるかということですね。熱、音、摩擦、飛び散った部品の運動エネルギ、相手部材の変形や振動・・・このような値を〔J〕や〔N・m〕などのdimensionで評価できれば、95%という数値が出てくるのも納得です。そもそも特定の方程式が存在してそれに数値を代入・・・などと勝手な想像をしていたことが間違いだったように思います。大変参考になりました。ありがとうございました。