為替予約で、完璧に金利裁定が働いているすると、ドル金利3%、円金利0%、直物1ドル100円なら、1年後実行の為替予約は、100÷1.03=97.087…に必ずなりますね。これだと、3%のドル調達と0%の円調達は、等価値なので、
直物 1百万ドルがA銀行⇒B銀行、1億円がB銀行⇒A銀行
1年後 103万ドルがB銀行⇒A銀行、1億円がA銀行⇒B銀行
という交換が市場で成立しているはずです。
ドル金利3%といっても、それはインターバンクでの「平均値」のようなものなので、現実には、ドルを3%以下で調達できる銀行もあれば、3%+αでしか調達できない銀行もいます。例えば2.9%でドル調達したA銀行が、上記の予約を行うと1年後には、借入に対しては、2.9%の利息を払い、B銀行から3%の利息相当分を受け取るので、0.1%=1千ドルが手元に残ります。これだけで、1億円をマイナス金利で調達したとのと同じ事になります。
一方、通常の借入では、円0%調達はできても、ドルは3.2%でしか調達できない銀行があったとします。この銀行にとって、上記の例で言えば、1年後に103.2万ドルをA銀行に支払う予約をすると、為替予約による調達=通常の借入になりますから、もし103.1万ドルで予約できるのなら、メリットがあります。もし、103.1万ドルの予約の相手方が、市場平均の3%でドルを調達していれば、やはりここでも利鞘が残り、実質的には円のマイナス調達と同じ事になります。
邦銀に対する信用不安でジャパンプレミアムがついていた時におきていたのは、ドル調達に苦しむ邦銀が、通常の借入よりは信用に煩くない為替予約を使って、市場金利よりも高いドルを調達し、それにより信用度の高い外銀が、実質的にマイナスの円調達をしたという事だとされています。一般論としても、為替予約は、それによって内貨・外貨資金を交換できるので、銀行の通貨毎の資金繰りの影響を受けます。だから、完璧に金利裁定が働いている訳ではありません。金利が限りなく0%に近いと、ちょっとした歪みでも実質マイナス調達が発生して、それを調達した銀行が、他の銀行に(より少ない)マイナス金利で預けると、インターバンクでマイナス金利がでた!って事になります。
お礼
こんな答えをきたいしていました! やっぱり素人には具体的な例がないと理解できないのです。