古代言語、並びに古神道に見られる上代日本人は、一音に重層構造の意味をもたせることが特徴で「ち」の音と言葉は、森羅万象に宿り世界を巡環して生かす霊的な力を含めた、霊・生命そのものを指しています。それは人間を含めたあらゆる事物に宿り、=神そのものでもあります。化学的にも血と乳は成分的には同じ体液であり、人間を育み生かしている生命=神と捉えられています。(古代、神道を含めた日本人は、森羅万象全てを神、神の宿りと考え、人間もまた物質的肉体を持つ神と考えていた)。古神道の言霊理論では、チは「ものを養育する力のあるもの」とされています。大地は大いなる地で、植物や穀物を育てる意味であり、チを二つ重ねて「乳」、家族を養い育てる「父」となります。「ツ」は「円らな(つぶら)」と言うように
「丸い」という意味。「土」は丸い地であり、「地球」を指しています。古事記に最初の国土として「おのころ島」という島が記載され、これは淡路島であると考えられていますが、自ずから転がる島(「しま」とは国土・国の概念を本来持っています)という意味があり、日本創世というより地球創生神話であると考えた方が妥当という意見もあります。道に関しては、「ミ」は身・実・美であり、生きるもの、生きているもの(肉体・物質)を指す語です。
ミチとは、生命・ものを育む経路、かつそれ自体が脈打ち生きているものを指しているわけです。血管を流れる血はあたたかく、熱・火を持っています。太陽の日は万物を育む源泉であり、チと「ヒ」は古代においてはほぼ同義の意味と捉えられていました。「ヒ・チが通り、宿り、形を作ったものがミ」というわけです。古代においては、一音にこうした非常に重層かつ深遠な意味がこめられており、漢字の輸入と共に視覚的にわかり易いよう、それぞれの字が使い分けられ今に至っているという経緯があります。
お礼
わかりやすくご説明いただきありがとございます これで、私の開設している、酒と桜の民族というホームページのこだわりに自信が持てました。ありがとうございました。 http://page.freett.com/saketosakura/