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完備化と閉包
完備化と閉包をとることが同じに感じるのですがどこがちがうのでしょうか? 簡単な例で説明していただけるとうれしいです. よろしくおねがいいたします.
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閉包を取れるのは、部分集合です。完備化ができるのは、空間全体です(もちろん部分空間を全空間と思っての完備化ならできる)。そういう意味ではまったく別物の操作です。 AN.01様の回答例でも出されているように、たとえば距離空間Qを取ったとします。ユークリッドノルムによる完備化はRですが、距離空間Qの閉包は?と言われれば、それはQ自身としかいいようがないです。ところが、QはRの部分集合と思えます。そこでRの部分集合とみて閉包をとると、それはRに一致します。 上で述べた事実は、次の意味では一般的に正しいです。距離空間Xがあって、その完備化Yを考えると、X⊂Yとみて、XをYの部分空間とみなせる。そこでXのYにおける閉包を取ると、それはYに一致する。もちろん、このことは完備化した空間の中に、もとの空間がdenseに含まれている、ということを言い直しただけですが、ある意味ではこのことが直感的に完備化と閉包を取る操作が同じに感じる原因でもあります。というか似たようなものというのは決して間違ってはいないわけです。完備化というのは直感的には、いちばん大きな閉包といった感じなので。
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- 鳴瀬 美幸(@naruse)
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なかなか難しいご質問ですね。同意していただけるかわかりませんが、 Q を基礎集合と想定します。 R は Q の(1つの)完備化ですよね。でも、Q の閉包は? を考えるに当たって基礎集合を Q にとっている場合なので、、、 ある空間 X の部分集合 A を考えましょう。まぁ、X には普通に距離が定まっていることにしますか。A の点からなる収束列の極限を全部 A に付加して、さらに、そのできあがった集合の点からなる収束列の極限を付加して、さらに、・・・、同様にして、また・・・と繰り返します。 何となく、最初の A の完備化が得られて、かつ、それは A の(X における)閉包に一致するような、、、 という感覚でしょうか? このような場合でも A の完備化(正確には完備化と呼ばれる空間)の位相は X の相対位相としていつも得られる! とは虫のいい話で、むしろそうではない、つまり、完備化と閉包って全く別の概念なんだなぁという感覚の方がよいと思いますよ。