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秋来ぬと
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (藤原敏行)・・・の歌の中で、助動詞はいくつあるんですか? また、「秋来ぬ」を文法的に説明⇒「秋が来た」これでいいのですか? また、「音にぞおどろかれぬる」の「れ」と係り結びについて文法的に説明のしかたをおしえてください。
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まず品詞分解してみると、 秋/来/ぬ/と/目/に/は/さやかに/見え/ね/ども/風/の/音/に/ぞ/ おどろか/れ/ぬる となります。 ちょっと分かりにくいところを説明すると、「さやかに」は形容動詞のナリ活用「さやか」の連用形。 「見え/ね/ども」は「見ゆ」の未然形+打ち消しの助動詞「ず」の已然形+接続助詞の「ども」で構成されてます。 そしてその後の、「おどろか/れ/ぬる」は「驚く」の未然形+自発の助動詞「る」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の連体形で構成されてます。 >助動詞はいくつ? 「来ぬ」の「ぬ」 「見えね」の「ね」 「おどろかれぬる」の「れ」・「ぬる」の4つだと思います。 「来ぬ」の「ぬ」はこの後詳しく説明しますが、完了の助動詞「ぬ」の終止形になります。 また、「ね」・「れ」・「ぬる」については最初に説明したので省きます。 >「秋来ぬ」について 「秋来ぬ」は「あきこぬ」と「あききぬ」どちらとも読めます。 なので意味的にみてどちらの読み方で読むべきか考えます。 まず、「秋来ぬ」の意味を考えます。 「来ぬ」の「ぬ」を打ち消しの「ず」の連体形とすると、上にくるのは未然形となり、「あきこぬ」(=秋が来ない)となります。 反対に、「来ぬ」の「ぬ」を完了の「ぬ」の終止形とすると、上にくるのは連用形となり、「あききぬ」(=秋が来た)となります。 そして、「秋来ぬ」の後に続く意味は、「目にははっきりと見えないけれども」です。 (1)「秋が来ないと目にははっきり見えないけれども」 (2)「秋が来たと目にははっきり見えないけれども」 どちらが良いでしょう?答えは質問者さんの言うように「秋が来た」と意味をとるのが正解です。 >「音にぞおどろかれぬる」の「れ」と係り結びについて 「れ」については最初に説明したとおり、自発の助動詞「る」の連用形となります。 「る」は受身・尊敬・自発・可能の意味がありますが、前に「驚く」という語がきているのを考えると、自発で意味をとるのが一番いいかと思います。 係り結びは、「風の音に『ぞ』 おどろかれ『ぬる』」と「ぞ」が「ぬる」にかかっています。 「ぞ」は強意の係助詞、「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形です。本来、文の終わりは終止形になりますが、「ぞ」の結びが連体形になるので「ぬ」は連体形の「ぬる」になっています。 …こんな感じでしょうか?以上長々と失礼しましたm(_ _)m