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アスピリンの合成

(1)アスピリンの合成の実験のはじめに使うガラス器具(三角フラスコとピペット) は乾燥している必要があるはどうしてですか。           ↑ 水があると、反応の進行を妨げているのですか? エステル交換反応は関係あるのですか。もし関係あるなら詳しく教えてくれませんか。また、これとは違う意見があったら教えてください。 (2)生成物をろ過したときのろ液および冷水で2回洗ったときの洗液について、サリチル酸検出反応の結果から何がわかるのですか。教えてください。

みんなの回答

noname#62864
noname#62864
回答No.2

(1)に関して回答します。 一般に、フェノールとカルボン酸を混ぜて、それに酸触媒を加えても、エステルの生成は起こりにくいです。 その理由は、アルコールの場合と異なり、フェノールは酸性を示すために、「エステル+水」の状態よりも「カルボン酸+フェノール」の状態の方が安定になるからです。 エステルのアルコール側が別のアルコールに変わることをエステル交換といいますが、アルコールと水の化学的な類似性を考えるならば、酸触媒存在下での、エステルの加水分解もエステル交換と同等の反応と見なせます。 上述のように、フェノールは水よりも強酸であるために、一般にフェノールのエステルはアルコールのエステルよりも加水分解されたり、他の「アルコール」とエステル交換を起こしやすい傾向があります。 すなわち、フェノール類のエステル化の際に水が共存した場合には、アルコールのエステル以上に、加水分解が起こりやすい(あるいはエステルの生成が困難になる)傾向があります。

  • DexMachina
  • ベストアンサー率73% (1287/1744)
回答No.1

(1)について: アスピリン(=アセチルサリチル酸)はサリチル酸を何らかの方法で サリチル化するわけですが、これを硫酸触媒下の酢酸で行うなら 脱水反応になります。  C6H4(OH)CO2H + CH3CO2H ←→ C6H4(OCOCH3)CO2H + H2O この反応は平衡反応なので、水があればその分、平衡が右に移るため、 収率が悪くなります。 また、サリチル化の他の手段として、無水酢酸やアセチルクロリドを使う 方法がありますが、この場合は、そのアセチル化剤が水によって 加水分解を受けますので、水がない場合に比べ、やはり収率が落ちます。  (CH3CO)2O + H2O → 2CH3CO2H  CH3COCl + H2O → CH3CO2H + HCl このため、アセチル化を行う場合は、水が反応系内に入るのは 極力避けるべきということになります。 (2)について: 反応終了後の反応液の中には、目的物であるアセチルサリチル酸の他、 原料のサリチル酸や酢酸、無機酸(→触媒の硫酸や、アセチルクロリド から生じた塩酸)なども混ざっています。 このうち、サリチル酸は比較的溶解性が低く固体でもあるため、 アセチルサリチル酸と一緒に濾紙上に残りやすくなっています。 逆に言えば、サリチル酸が除去できていれば、洗浄は充分と判断できます。 従って、洗液からサリチル酸が検出されなくなれば、 充分に洗浄されたということがわかります。

TOMA2
質問者

お礼

丁寧に解答してくださってありがとうございます。 とても参考になりました。

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