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二層分配の上層にある物質の精製法について
ある酵素の阻害剤を海藻抽出液中に発見し、単離精製を目指しています。 クロロホルム・メタノール・水=1:1:1にして二層分配を行った結果、上層の水メタノール層に目的物質が来ることが分かりました。メタノールと低分子の除去を目的に、現在水メタノール層を水で透析しています。透析の結果、沈殿はできず、非常に極性の高い物質だと考えています。 抽出精製にあたり脂質の精製を参考にしていましたが、これまでのところ脂質は下層のクロロホルム層を回収とありまして、上層に来る物質の精製方法が見つかりませんでした。 質問としまして、 1)上層に来る物質にはどのようなものがあるのしょうか?リン脂質なら下層にいく、といった大まかな例でかまいません。 2)目的物質はシリカと非常にくっつきやすく、TLCでの分離がテーリングをおこしてうまくいきません。シリカ以外の固定相のTLCでなにかよいものがあれば教えてください。できればメーカーもお願いします。 3)1)の質問と重なりますが、「○○の精製法を探せ」とか、「このキーワードで論文を検索せよ」といったものがあればお願いします。 未知の物質の単離精製は今までに行ったことも無く、研究室でも初めての試みです。全くの素人ですのでご助言をお願いいたします。
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>タンパク質はクロロホルムを加えても沈殿しないのでしょうか? コンパクトな構造を持った比較的分子量の低いタンパク質だと変性する事はありませんし、沈殿もしないと思います。また、疎水性の高いものならクロロホルム・メタノール層に行くタンパク質(プロテオリピッドと呼ばれる)ものも知られています。 >所属する研究室はタンパク質の機能解析を研究しています。 そうなんですか、それなら色んな人に尋ねて実験を進められますね。 でも、シリカに強く吸着するのですね。でもODSで詰まらず、30%メタノールで溶出すると言うことは、それほど分子量の大きなものではなさそうですね(有機溶媒抽出の操作で大部分は変性しているでしょうから...)。 プロテアーゼ処理で活性は無くなりますか? 試してみるといいかもしれません。 それと、TLCでそれほどバンドが多くないのであれば、MASSにかけてみるのも一つの手ですね。
- Sbacteria
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水に溶けているのだったら、もう生化学でがんがん攻めることができますよ。多分化学の研究室では、なじみが薄いかもしれないですね。でも、水溶性で、透析で残るとすれば、ポリペプチドの可能性が高いような気がします。確かに糖類の可能性も捨てられないですが... 精製の候補としては、 (1)イオン交換クロマトグラフィー (2)疎水結合クロマトグラフィー (3)ゲルろ過 の3種類を組み合わせて行いましょう。 その前に、水溶液状態での安定性を調べておく事を忘れないでください。もし、ポリペプチドなら、SDS-PAGEにかけて構成を把握する必要があります。基本的には、分離して活性測定して、SDS-PAGEのパターンを見ると言う繰り返しになります。しかし、はじめてですべてができる可能性は非常に低いので、先生に頼んで、生物学教室(無ければ農学部や工学部の生物系)の研究室に行かせてもらって、共同研究にする方が良いと思いますよ。もし、ペプチド性なら、その後、遺伝子に発展して、分子生物学に突入しますから。その保険にもなります。 物取りは、すごく楽しいですよ。頑張ってください。
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ご回答ありがとうございます。 これまでに使ったカラムは、 waters製 Sep-Pak Vac 1 ccカートリッジ(C18、陰イオン交換、陽イオン交換)を用いました。C18は阻害物質はカラムにくっつき、メタノール30%で溶出が可能ですが、ロード前と溶出画分のTLCの結果が変わらず、濃縮はできるが精製はできない状態です。陰イオン交換はカラムから塩濃度を上げてもpHを下げても溶出できませんでした。陽イオン交換ではカラムに吸着しませんでした。カラムの担体がシリカなので、シリカ以外をさがしています。ゲル濾過はまだ試していません。セファデックスでも使ってみるとします。またSDS-PAGEを試してみます。タンパク質はクロロホルムを加えても沈殿しないのでしょうか?所属する研究室はタンパク質の機能解析を研究しています。なので有機溶媒を使う実験はほとんどないので困っていました。ゲル濾過の案使わせて頂きます。ありがとうございました。
お礼
再びご回答ありがとうございます。 阻害物質がタンパク質の可能性を考えていませんでした。 溶媒を有機溶媒と水のみ使用していたのでタンパク質が構造を保っているとは考えませんでした。さらに、分注したものを常温で2週間ほど放置しても阻害活性があったので・・・。ごく低分子のタンパク質ならありえるのでしょうか。SDS-PAGE後バンドが見えたらプロテアーゼ処理してみます。 ありがとうございました。