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リグニンの存在の確認法
ある物体にリグニンが含まれているかどうかを調べる方法があれば教えてください。 また、リグニンの存在を証明することで、その物体が植物であると断定できるでしょうか?
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> リグニンの存在を証明することで、その物体が植物であると断定できるでしょうか? 下記参考URLにて、「シダ植物以上の高等植物に含まれています」と説明されていますが、『逆は必ずしも真ならず』で、「シダ植物以上の高等植物以外には含まれていない」とは限りませんし、例えば製紙工場から出されたリグニンの廃棄物をとって「これは植物である」とは言えませんよね。 従って、リグニンの存在によって「植物である」と断定することはできません。 ただ、製紙業でのパルプ精製の際の副生成物など、リグニンの多くが廃棄されている現状からすると、「植物'由来'の物質と推定」することはできるのではないかと思います。 > リグニンが含まれているかどうかを調べる方法 澱粉での「ヨウ素澱粉反応」のように、1ステップである程度の簡易判定、というのは、リグニンでは聞いたことがありません。 (私が知らないだけかも知れませんけれど) 有機天然高分子であることを考えると、GC-MSをメインに、赤外吸光スペクトルや、分解物へのNMR分析結果あたりを活用すれば、リグニンを含むかどうかを判定できるのではないかと思います。 (但し、植物の種類によって構造が異なっていたと思いますので、各種スペクトルデータも、幾種類もの植物由来のものと照合する、といったことが必要でしょう)
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- Bubuca
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こんにちは リグニンは植物由来ですが、リグニンがあるから植物とは言えません。 リグニンは複雑に結合した巨大な分子で、極端な表現をすれば「1本の木はリグニン1分子」と言ってもいいくらいです。リグニンを構成する単位は主にC6-C3化合物(ベンゼン環にプロパンがついたような基本骨格)で、これに水酸基やメトキシ、アセチル(どれも水酸基由来ですね、ポリフェノールと呼ばれるくらいですから)などが付いていて、ごちゃごちゃに重合しているといってもいいくらい複雑で巨大な分子を作っています。 ですからわたしたちが見たり、取り出したりしているリグニンは正確にはリグニン由来物質です。バニラやシナモン、ワインの色、パルプ廃液の茶色などもそうです。難分解性なので土中にもフミン物質などとしてたくさん含まれています。 リグニンの定量法をいうのがいくつかありますが、どれも天然のリグニンをそのまま取り出すことはしていません、というよりもできません。巨大な分子を精製するのには小さく切って可溶化する必要があるからです。 リグニンの存在を証明するというよりも、リグニンの存在は既にわかっているので、その由来物質がどこにどのような形で存在するのかを調べるということになるのでしょう。 このような回答でわかりやすいでしょうか・・・
お礼
わかりやすい御返事ありがとうございました。 俗にリグニンといっていたのが、そのものではないのですね。 参考になりました。
お礼
とてもわかりやすい説明をいただきありがとうございました。 試薬で簡単に分かるものかと思っていましたが、リグニンの存在は簡単に検査できるものではないのですね。