ANo.1には
「さらに先ではテンソルですが今の段階では不要でしょう。」
とありますが、daipotさんの質問はまさに「∇とベクトルのテンソル積」についてお尋ねなのですよね?
つまり
スカラー関数f(x,y,z)
ベクトル値関数E(x,y,z)=( Ex(x,y,z), Ey(x,y,z), Ez(x,y,z) )
に対して
∇f(=grad f)
と同様に
∇E(=grad E)
が定義できるか?その物理的意味は?
と言う問いでよろしいでしょうか?
電磁気学の範囲ですと、
∇×(∇×E)
=∇(∇・E)-(∇・∇)E
=grad(div E)-△E
という公式がありますが
△Eにかかる△はベクトルラプラシアンと言い
ベクトルに掛かって、値もベクトルなります。
ベクトルラプラシアンの意味は
ベクトルの各成分
(この場合でしたら
Ex(x,y,z), Ey(x,y,z), Ez(x,y,z)
です。)
についてラプラシアンを作用させて
それを並べてベクトルにしたもの、
つまり、
△E=( △Ex(x,y,z), △Ey(x,y,z), △Ez(x,y,z) )
です。
(ただし、左辺の△はベクトルラプラシアン、右辺の△は通常のラプラシアン。)
同様にベクトルグラジアント(grad E=∇E)
が定義できます。
ベクトルグラジアントの意味は
ベクトルの各成分について勾配をとって
それらを並べて3×3行列(テンソル)
にしたものです。つまり、
grad E=( grad Ex(x,y,z), grad Ey(x,y,z), grad Ez(x,y,z) )
(ただし、左辺のgradはベクトルグラジアント、右辺のgradは通常のグラジアント。)
ついでに行列(テンソル)Tに作用してベクトルを生成するダイバージェンス
div T
も定義すれば
∇×(∇×E)=grad(div E)-div(grad E)
あるいは
∇×(∇×E)=∇(∇・E)-∇・(∇E)
と書けます。
と言うわけで、
「∇とベクトルのテンソル積」
は定義できて、意味は上述の通り、
というのが私の答えです。
ベクトルグラジアントは
電磁気学の範囲ですとあまり使い道が無いかもしれませんが
テンソル解析を使う用途(構造力学とか)では
ベクトルグラジアントに相当する
量が頻繁に出てくるのではないでしょうか?
お礼
久しくgooにきていなかったため、お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。 >∇E(=grad E) >が定義できるか?その物理的意味は? >と言う問いでよろしいでしょうか? はい。 調べてみましたところ、bosonさんのおっしゃるとおりテンソル積のところに詳しく書いてありました。参考になりましたありがとうございました。