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プロトン濃度勾配について

呼吸鎖の中でプロトン濃度勾配というのが出てきますが、「勾配(gradient)」という言葉を使う意味はどういうものでしょうか。『Essential細胞生物学』にある図で見る限り、H+が文字通り勾配(傾斜)になって最終的に電子とO2と結合→H2O、となるようですがよくわかりません。

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noname#29428
noname#29428
回答No.5

ご質問の図は,Essentialの図13-4ミトコンドリアのプロトンポンプのことかとおもいます。確かにこの図では何を言っているのかよくわかりませんよね。 電子伝達系等の図に関しましては,「Essential細胞生物学」もその原本の「The Cell」も極めて漫画チックにかかれています。図のみに頼ると却って理解しにくくなると思います。 電子伝達系は,電子が伝達することによりプロトンを膜間腔に汲み出します。図でH+ポンプとなっているものは,下記URLの複合体I・III・IVを示します。最終的に電子は,プロトンと酸素と結合して水になります。 その電子伝達系で汲み出されたプロトンは,膜間腔にプロトンが多くなりますからこれをプロトンの濃度勾配と呼ぶわけです。このプロトンの濃度勾配は,内部に流れ込んでEssentialの図13-3にありますようにATPaseでATPを合成します。

参考URL:
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/Oxidphos.htm
beachman
質問者

お礼

実際にその図を見て説明していただいてありがとうございます。「勾配」という言葉がこの場合に具体的に何を指しているのか、イメージがつかめなかったのですが、suiranさんの回答でようやく霧が晴れた感じになりました。本当に助かりました!

その他の回答 (4)

回答No.4

基本的に濃度の高いところから低いところに物質は移動しようとする(その結果、溶液は均一となる)。これを高度の高いところにおいてあるものは支えがなければ下(高度の低いところ)におちる、と同じように考えればよいのでは? 勾配とは傾きという意味です。濃度に高いものと低いものとがあればその2点を結べば傾きがあるとは思いませんか?これは物理化学という分野を勉強すればわかると思いますよ。分子細胞生物学は物理化学を基本としているのでその辺の知識がないと?と思うことが多いと思います。具体的に調べるとしたら化学ポテンシャルという言葉を調べてみては? 説明するのは意外に難しいですね。 おそらくその図はプロトンの濃度に差があるからプロトンが濃度の高いところから低いところへ移動する、その移動する力を利用して仕事をしているんだよってことが言いたいのだと思います。水車が水の流れを利用して粉をつくのと同じです。

beachman
質問者

お礼

回答ありがとうございます。化学ポテンシャル、ゆっくり勉強しなおしてみます。

  • kaazuu
  • ベストアンサー率50% (3/6)
回答No.3

その本を見て分かると思いますが、電子伝達系は、ATPを作ることが目的のシステムでして、ADPからATPを合成するためのエネルギーがプロトン勾配を解消することで得られる、のではと考えられます(プロトンのダムからエネルギーを取り出す)。 TCA回路でできたNADHとかは、複合体1の基質となり、プロトン勾配をつくるのに貢献します(TCA回路が動くとダムにたまるためのプロトンがやがてできる)。 そうやってできたプロトンのダムが、勾配、と表現されているのだと思います。

beachman
質問者

お礼

プロトンのダム、というのは、よくある普通のあの「ダム」のイメージでいいのでしょうか。TCA回路まではなんとかわかったのですが、電子伝達系になるとうまくイメージがつかめませんでした。どうもありがとうございます。

  • TCA
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回答No.2

傾斜しているところにものを置いたときと同じように、H+ が濃度の高いところから低いところへ移動するイメージからではないでしょうか。ATP合成酵素にはH+ を輸送することによって回転するモーターがあって、そのエネルギーでATPを合成します。

参考URL:
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/transport-nanomachine/index.html
  • genogeno
  • ベストアンサー率40% (2/5)
回答No.1

 ミトコンドリアの内膜の内側(マトリクス)と外側(外膜と内膜の間)では電子伝達系の働きでH+の濃度が違っているので濃度勾配といっているのではないでしょうか。  クエン酸回路などからマトリクスに送られてきた水素は電子を奪われH+になります。そのH+は外膜と内膜の間に移されるのでこちらの濃度が大きくなるのです。そして、この濃度勾配で生じるH+の流れを利用してクリステにあるATP合成酵素がATPをつくるのだそうです。私もこれ以上詳しいことは分かりません。お粗末でした。