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不殺生の戒と乳製品
単なる興味本位の質問で申し訳ありませんが,食事における”殺生”の 定義の境界線を知りたいと思いました. 宗教的な事情から,肉や魚を食することを禁じた教えを遵守する方々が多数 いらっしゃることと思います. そういう方々は,乳製品や無精卵をどう捉えているのか知りたいと思いました. もっとも,宗派の違いで見解はさまざまでしょうし,時代の移り変わりで 事情が変わっていたりすることもあったりで,長々としたご回答にならざるを 得ない場合もあろうかと思いますが,そのような場合は,どうぞ,概略の ご説明に留めてくださればけっこうです. ただ,殺生を禁じる思想のことをつらつら考えていますと,これには, 「天寿をまっとうした動物の遺骸なら食しても構わないのだろうか?」 などと,疑問がどんどん広がっていきます. 次のサイトのように,分類整理された情報があればいいと思っている のですが. http://www.kabinet.or.jp/kabinet/users/pito/jwhyveg.html
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宗派にもよるかと思いますが、初期仏教の場合、肉食を禁じていたわけではありません。 出家者は托鉢によって人々から食物を得ていました。当然、その際に肉を供養されることもあるわけですが、それが「その家庭で食べるために屠殺された肉をたまたま訪れた出家者に供養した」ものなのか、「出家者に供養するためにわざわざ家畜を屠殺した」ものなのかで、評価が異なります。前者なら食べても良い、後者は食べては(受け取っては)いけない。 布施された食物を拒むことは基本的にタブーです。宗教修行に打ち込む代わり、非生産者である出家者は在家信徒の布施によって生命を保つことを許されるのですから。けれど、出家者のためにわざわざ殺生が行われることだけは、例外として禁じられていたわけです。
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- cse_ri
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ヒンズー教徒の例として、ガンジーの事例を紹介します。 ガンジーの自伝を読んで驚いたのですが、ガンジーとガンジー夫人は 死に瀕する病になっても、断固として肉類どころか、肉のスープまで も拒んでいました。さらに、ガンジー自身は牛乳までも口にしなかっ ようです。 (もっとも、ガンジー自身は病に倒れた時、最後で折れて山羊の乳を 口にして病気から回復したとのこと。肉類を食するのはヒンズー教 徒で禁じられているが、乳製品についてはガンジー自身もかなり悩 んでいたようだ) もっとも、インド人すべてがそうではないらしく、彼の少年・青年期の 頃の記述にありますが、彼の友人は隠れて肉を食べたり、インドを離れ てイギリスに留学中に、食事の禁をやぶることは多々あったようです。 ご参考まで。
お礼
早速のご回答ありがとうございます. ガンジーといいますと,もうあまりよく覚えていませんが,昔,劇場に見に 行った映画「ガンジー」で,彼が抗議としての断食が終わる度にオレンジ ジュースを求め,飲んだというシーンが思い出されます. 私にはヒンズー教のことは全くといっていいほど知識はありませんが,そこには 何を食してはいけないかといった,厳格な教典があるわけではないようですね. 取捨選択は本人の意志に任されているといったところでしょうか. 彼の場合,きっと,政治指導者として,常に注目を浴びる立場にいたわけで, それゆえ,宗教的にも,皆に模範を示さなければ,というプレッシャーも あったのではないかと想像したりもするのですが. (全然関係ないですが,とある国には,牛肉を食べるパフォーマンスで模範を 示す政治家もいますが.)
お礼
私は,托鉢の本質もわからないでいましたので,ご説明くださったことは たいへんためになりました.ありがとうございました いただいた回答の文面をヒントに検索をしていましたら,次のサイトに 行き当たりました. http://www3.ocn.ne.jp/~kaizouji/kokolo/kokolo-3jap.htm 親鸞上人が”肉食帯妻”で有名ですが,これによると,皮肉にも, 精進料理のルーツは彼にあったと言えるわけで,私にとってこれはちょっとした 発見です.