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東アジア共同体について
ヨーロッパにはEUという共同体があるように、アジアには共同体はできるのでしょうか?できるならどのような共同体ができるのだろうか、無理であるならその原因などを教えてください。また、今現在のアジア各国の取組みなどがありましたら加えてお願いします。
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あなたはどうして東アジア共同体に興味があるのでしょうか? ただ仲良くしたいというだけですか? 大変な質問なので、かなり大雑把に述べます。内容にはあまり自信がありませんが。 まずEUについての補足ですが、前の戦争で大打撃を受けた欧州は戦争を繰り返さないために、争いの原因となる、石油などの重要な資源を共同で管理することからスタートしたと記憶しています。そして旧ソ連の脅威が大きくなってくると、次第に安全保障(軍備)も共同で(NATO結成)……という感じで協力関係を拡大していくうちに現在の共同体にまで発展しました。 上記のように地続きのEUでは利益・利害を共有して、戦争で荒廃した欧州再建・紛争の再発防止を目的に連合体になったわけです。よって東アジアについても「共有できる利害は何か?」を考えればいいのではないでしょうか。 私は(1)経済と(2)安全保障が重要だと考えていますので、それについて述べたいと思います。 (1)経済についてですがEUの例では、域外との貿易は関税等のハードルが高い一方で、域内では低くなって(パスポート等が簡略化され、ヒト・モノ・カネの移動が活発化)EUは大経済圏となりました。EU経済の利点は先進国が多いことです。経済力のある国が多いと、EU圏内の貧しい国を製品輸入などで支えることができます。また経済的な援助だって分担可能でしょう。 ところが東アジアの先進国は日本ぐらいです。よって経済援助やアジア製品輸入は日本だけでやらなくてはいけません。現在の日本は対アジア諸国では輸出のほうが多くなっていて、果たして単独でアジア製品を買い支える余力があるかどうかは疑問です。 またアジア各国から経済力のある日本に多数の労働者や移民が集中する可能性もあります。あるいは企業が人件費の安い海外へ脱出する動きを加速させる可能性もあります。その結果日本の雇用や税収が減るかもしれませんし、外国人との文化摩擦も心配です。こうなると東アジア共同体は、日本にとって経済的な負担が大きいものと考えられます。 それでも共同体を形成すべきかは賛否が分かれるでしょう。だからこそ「仲良くしたいなぁ」だけでは、一気に共同体結成までの議論にはならないのだと思います。もちろんアジア諸国との友好関係ができれば日本の利益になりますが、経済的負担とつりあうかは重大な問題です。 現在の日本が援助国・輸入国としての役割を充分果たせないとなると、アジア各国は沢山輸入してくれるアメリカと共同体を形成する方が現実的かも? アメリカがASEANに顔を出すのは、その辺の事情でしょう。 現時点で輸出国ばかりであるアジア諸国の経済的利害は、たくさん輸出できる条件が整うことだと思います。具体的には先進国の景気動向・為替レート等ですから、共同体をつくれば解決できる性質のものではないと思います。 (2)安全保障についてはかなり難しい問題があります。 たとえば中国は資源獲得を目的に日本(尖閣諸島)や東南アジア諸国(南沙諸島・西沙諸島)と領土問題を起こしています。詳しくは以下のURLでどうぞ。 尖閣諸島について http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050801-00000108-jij-int 西沙・南沙諸島について http://www5c.biglobe.ne.jp/~vdg/book_islandsdispute.html 中国潜水艦による日本領海侵犯事件(謝罪も拒否)等々、中国による問題は厄介で数も多いです。 これは「アジア諸国と共同で安全保障を考えたい」という国の行為と言えるでしょうか。私は自国の利益しか考えない自己中心的な国の行動と思いますが。 このように中国だけでも東アジアの安全保障にとって大きな脅威です。中国のように日本やアジア各国との間で安全保障上の利害対立を生み出している国が、一緒に共同体を形成して共通の利害を模索できるのでしょうか。だからといって中国抜きの東アジア共同体はあまり意味がないと思いますが、仲間にするにはかなり問題児ですよね。 また自衛隊は海外での活動(特に武器使用)に憲法の厳しい制約がありますよね。そうすると、例えば欧州のボスニア紛争ではNATO は介入して空爆しましたが、アジアで似たような紛争が起きた時、自衛隊は全く役に立たない可能性が高いです。日本が地域の安全保障に貢献できないとなると、どこの国が紛争に介入できるでしょうか。中国は戦力だけを見れば充分かも知れませんが、チベット武力併合やベトナム・西沙・南沙諸島侵略などの記憶が新しく、仲裁者としての「公正」さにも疑問が残ります。核開発をめぐる6カ国協議でも北朝鮮に味方する国ですから。お世辞でも「良心的」な国とは言えません。 よって東アジアの安全保障は、東アジア内部で対立している・自衛隊参加の条件が難しいので日本は貢献しにくいという理由で、共同体での利害共有は困難である、というのが私の結論です。 このように経済と安保に限定してもここに書ききれないくらいの問題があります。従って私は東アジア共同体は困難であるとの立場です。 でも私のようなネガティブな意見だけでなく、ポジティブな意見にも当たってみて下さいね。その上であなたがどう思うかが重要です。調べてみればEUだって深刻な問題や対立を抱えている事がわかりますし。 最後に「日本は歴史を全く反省しておらず、アジアのリーダーとしての資格がない」という議論があります。キリがないので、まずは下記のURLを参考にしてください。 外務省 歴史問題Q&A http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/index.html 「Q3」を簡単に要約すると、賠償については各国と「解決」したと「約束」したはずなのですが……(条約は国同士の約束)。ご存知でしょうが、日本は天皇や総理大臣がいろいろな場面で「謝罪」も表明しています。これが日本の政府レベルの立場です。 これ以上何をすべきかは議論が分かれていますよね。 それからさかんに歴史を問題にするのは、中国・韓国に加えてシンガポールなどの「華僑・華人(中国系)」が多い地域ばかりですから、それらの国の事情を調べてみて下さい。ネット検索でもいろんな意見が拾えます。テレビでは伝えられない情報もあります。あくまでも参考にですが、URLを挙げておきます。 韓国の新聞を読もう(参考程度) http://www.geocities.jp/savejapan2000/korea/index.html 中韓との歴史関係は多くの意見があるので代表的なものを調べてみては。個人的には『朝日新聞』などの左翼系?メディアと『小林よしのり』は面白いと思います。両者の意見が対立している部分やあなたが学習してきた「歴史」と何が違っているのか、が論争のポイントです。 一応URLを挙げておきます。 小林よりのり についての情報サイト http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/4996/ 以上、長くなって申し訳ありません。
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- bandgap
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EU がもともとは,石炭や鉄鋼の輸出入に関して過当競争を防止する目的で作られたものですよね. それと同じで,東アジアには良質の資源が不足していますから,石油や鉄鋼などの輸入共同体からスタートする可能性も,あるかもしれませんね. ちなみに日本と韓国の鉄鋼会社は,既に輸入価格を統一しています.日本と韓国を合わせれば,世界の何割かの鉄鉱石を輸入していますので,強い価格交渉力を持つことができるのです.新日鉄が代表して交渉していると思います. 今はどうなのか知りませんが.