たばこの値段が安い理由は?
日本は、諸外国と比べてたばこの売価が安い方だと聞きます。
これは「嗜好品だから」といった情緒的な理由からなのでしょうか?
それとも、税率を大きく上げられない、何か別の力学が働いているのでしょうか?
いまだに中学生が小遣いで気軽に買える水準に据え置かれている理由、税率を大幅に引き上げるべきではない理にかなった論拠などはあるのでしょうか?
たばこの税収、経済効果は、喫煙由来の経済損失額に遥かに及ばないと試算されています。
事業として見れば、一定の収益はあるものの完全な赤字です。
その上、緊迫した国家財政、増え続ける医療費総額、少子高齢化や人口減少の行く末などを考えれば、そろそろ国は「昔とは事情が違うのだから、もうなるべく吸ってくれるな」と、積極的に増税、売価引き上げに取り組むべきときだと思うのですが。
かのメタボリック症候群と同様、早く取り組むほど、将来のリスク、負担を軽減できるわけですし。
自治体によっては条例で路上喫煙をパトロールしていますが、モラルの啓蒙にはなっても喫煙率の抑制、負のコストの圧縮にはつながりにくいでしょう。
かつての農水相は「たばこ農家保護も大事」と言っていましたが、たばこだけ国策で関連農家や販売店を保護するというのなら筋が通らない話です。
数年前、増税反対の署名活動があり、その時は500万人分ほど集まったはずですが、すべてが有効票だとしても全人口の僅か4%程度がNOと表明したに過ぎません。
直近の調査(JT発表)でも日本の喫煙率は推定26%。
すでに国民の3/4、約9,400万人が吸わず、喫煙者人口も年々減り続けているのですから、それこそ国会議員諸氏がその気になりさえすれば、財政面で望ましいと思える水準にまでは税率アップが可能なのではないでしょうか?