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メンデルの法則を覆す研究結果?
メンデルの法則を覆す研究結果、米国の科学者チームが発表 http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050324303.html という論文がNatureに出たようです。 この記事で、「欠陥のある突然変異を修正する仕組みがある」ということは分かったのですが、なぜ、それが「メンデルの法則の否定」になるのかが分かりません。 突然変異を修正したら、あとはメンデルの法則が成り立っていますよね。 そもそも、メンデルの法則って、突然変異についての理論だったでしょうか? 覆す発見、というより、但し書き、のほうが近いような記がするのですがどうでしょうか?
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No.1の方がどういった意図で メンデル遺伝とメンデルの法則を使い分けているのかはわかりませんが、 普通はメンデルの法則にのっとった遺伝をメンデル遺伝と呼び、 メンデルの法則には反するがメンデル遺伝には一致するという言い方は成立しませんね。。 (実際、この論文のnature公式サイトの日本語訳は「キャッシュ処理:シロイヌナズナで見られた非メンデル遺伝」 です。) この論文の目新しい発見は、 単純な突然変異の修正ではなく両親の染色体上には存在しないが、祖父母あるいはそれ以前の個体の持っていたのと同じ遺伝情報を受け継ぐことがあるのが示唆されたということです。 つまり、「両親にはなく」「先祖が持つ」遺伝形質が 子に伝達された可能性があるという点がポイントになります。その点で、遺伝形質は親から子へと伝達されるとするメンデルの考えとは異なります。
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- geneticist12
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メンデル遺伝は、「メンデルの法則」なんて呼ばれていますが、実際のところ、大概の遺伝現象をうまく説明できるという「モデル」にすぎないのです。ちょうど、ニュートン物理学が、細かいことを考えなければ物理現象にうまく合致するけど、対性理論や量子論が世に出てからは、単純化された近似であるとみなされているように。 記事には「メンデルの法則を覆す」なんて書かれていますが、論文の中では「non-mendelian inheritance(非メンデル遺伝)」ですよね。実は、「非メンデル遺伝」というのは、そういう用語がちゃんとあって、特別なことではないのです。これまでにも、数々の「非メンデル遺伝」が知られています。たとえば、詳しくは書きませんが、遺伝子変換(gene conversion)という現象というのもそれにあたります。論文の真意は、「シロイヌナズナで新しい非メンデル遺伝現象を見つけた」ということでしょう。
補足
> 数々の「非メンデル遺伝」が知られています そうだったのですか! するとhotwiredの記事のタイトルは煽りすぎですね。
- gerbil_kyusyu
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私も大変興味深く読ませて頂きました。 メンデル遺伝は、単純な数学的分配を起こす事を 前提にしていますので、研究面では 子孫の表現系の出現率から、2つの遺伝子間の関係を 数学的に計算することができるのですが(遺伝分析) 今回の報告が確かであれば、このメンデル遺伝に基づく 遺伝分析ができない一つの例になります。 ですから、メンデルの法則が成り立たなくなります。 いやはや、miRNAといい、この話と言い、 定説がころころ覆ってしまい、世の中おもしろいですね。
お礼
そうですね。おもしろいですね。 なるほど、遺伝分析が出来なくなる、というのは大きいですね。
- hagfish
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すいません、メンデル遺伝という言葉も厳密な意味合いでは使うことは不適切でしたね。染色体システムに従った遺伝システムという言葉を使うのが適切ですね。
- hagfish
- ベストアンサー率60% (52/86)
これは題名のつけ方が巧妙ですね。メンデル遺伝を覆すのではなくメンデルの法則を覆すと書いてあるんですね。メンデルの法則は優勢、分離、独立の法則のことを言います。そして、メンデル遺伝はこれらの知見から染色体の挙動に沿った遺伝メカニズムをさすことになります。高校のときに使った話で説明してみましょう。えんどう豆のしわなしの遺伝子をA、しわありの遺伝子を欠陥で劣勢と考えてaとしましょう。Aaの遺伝子型を持つ個体を掛け合わせるとAA:Aa:aaが1:2:1になりますね。しかし、aが書き直されるとしたらこの比率は変わってきますね。そういうわけでメンデルの法則には従わないと書いてあるんです。メンデル遺伝はしてますけどね。
お礼
なるほど! 非常に分かりやすい説明をありがとうございます。「直接の親」じゃないということがポイントなのですね。 たしかにスゴイ発見だと思います。