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水溶液の液性と硫化物の沈殿
水溶液の液性と硫化物の沈殿についてです。質問が多くてすみません。 http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/2004/04ko3-49.htm#硫化物の沈殿 上のサイトのように、硫化物が沈殿するかどうかというのが、イオン濃度の積と溶解度積との大小関係で決まるのは、どうしてなんでしょうか。
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沈殿するかどうかがイオン濃度の積との大小関係で決まる量のことを「溶解度積」と呼びます。したがって、ご質問は「溶解度積」の定義そのものと思います。 2Ag+ + S2- ⇔ Ag2S この反応式で、左辺は溶液中の銀イオンと硫化物イオンを表わし、右辺は沈殿物(固体の硫化銀)を表わします。この反応が化学平衡に達しているときは、各イオンの濃度と沈殿物の量は時間的に変化しません。 ここに、Ag+を加えると、一時的に右向きの反応が起こってS2-が減少します。また、S2-を加えると、一時的に右向きの反応が起こってAg+が減少します。 両方を加えたら、やはり一時的に右向きの反応が起こって、Ag+とS2-が消費され、各イオンの濃度がある値に落ち着きます。 このように、Ag+とS2-の濃度は、何かの関係によってしばられています。 化学平衡の法則(質量作用の法則)によれば、この関係はKを平衡定数として [Ag+]^2 [S2-]/[Ag2S] = K で表わされます。ここで、[Ag2S] は《固体の硫化銀中の》Ag2S濃度なので、溶液の方のイオン濃度とは関係なく一定になります。そこで、K[Ag2S] を新しい定数 Kspとして置き直すと [Ag+]^2 [S2-] = Ks このKsを溶解度積といいます。[Ag+]^2 [S2-]がKsを超えると、右向きの反応(沈殿が増える)が起こってKsに戻ります。[Ag+]^2 [S2-]がKsを下回ると、左向きの反応(沈殿が溶け出す)が起こってKsに戻ります。 http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/2004/04ko3chem.htm ここの42番ぐらいから話がつながっているので、読み直してみてください。
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- Ichitsubo
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どうしてと言われましても、それが実験事実なのです。硫化物(に限らずイオン性物質)の沈殿条件を詳細に調べたところ、溶解度積というものを使えば説明がつくよねと言うことなのです。 なので、因果関係が逆です。どうしての方向性が逆なのです。 硫化物が沈殿するかどうかというのを調べていくと、溶解度積とイオン濃度積の大小に原因が見えてくるのです。
お礼
溶解度積が、飽和溶液のときの濃度積を表していることを忘れていました。これで納得しました。どうもすみません。
お礼
いろんな参考書と岡先生のHPを見直して、納得しました。 >飽和溶液では,温度が一定であるなら > [Ag+][Cl-]=KAgCl(一定) ここのところを踏まえていませんでした。 [S2-]が変化したところに溶解度積を一定に保とうとするから、沈殿がおきたりするんですね。 ありがとうございました。