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ウイルスの種類によって病気の症状が異なる理由
ウイルスは感染すると、細胞内に核酸を送り込み、細胞の内部機構と材料・エネルギーを横取りして増殖し、細胞を破壊して出てきます(細胞内に組み込まれるのもありますが)。 この点が共通であるにもかかわらず、人体に感染したとき、ウイルスの種類によって症状が多種多様なのはなぜでしょうか。 (1)ウイルスの種類によって、ターゲットとする細胞、組織や器官の種類が異なるから? (2)ウイルスの殻に、毒性や生理活性があるから? (3)ウイルス遺伝子、あるいは宿主遺伝子との相互作用によって、毒性物質や生理活性物質等が作られるから? (4)ウイルスに対する免疫応答のしかたがそれぞれ異なっているから? などが考えられそうですが、実際にはどんな要因が大きいのでしょうか。
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こんにちは。 主に1と2でしょう。 特に1の影響は大きいはずです。 例えばエイズウィルスは「CD4陽性Tリンパ球」という特定の白血球でしか増殖しませんし、インフルエンザウィルスは粘膜細胞を好みますが、時に脳細胞や神経細胞などでも活動し、それによって脳症を起こします。 先日さわがれたSASVは消化管粘膜ですね。 少し前、大騒ぎになったエボラウィルスは、結合織という血管やその周辺の組織が大好きなので、いたる所から出血し、目や口や鼻、消化管から果ては肛門や尿道・・・穴と言う穴から出血し悲惨な状態になります。
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- kaitaradou
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少し変わった見方を試みてみます。ウイルスは宿主細胞を環境としている生物です。遺伝子の姿になったウイルスは宿主細胞の中にできる限り長く存在しようとします。この場合症状はあまり出ません。ヘルペス等が典型的なものです。症状が出るというのは宿主細胞内でウイルス粒子が沢山できて細胞が破壊されたときです。同様にウイルスが遺伝子でいられない場合には粒子になって宿主細胞が破壊されます。原則的に呼吸器細胞が破壊されると、咳やくしゃみやはな詰まり、消化器細胞が破壊されると下痢の症状がでます。これらの症状は有害な異物を早く外へ排除しようとする生体の反応ですが、同時にウイルスを撒き散らす結果となります。エイズのようなウイルス病の症状は間接的なものといえます。エイズウイルスで免疫機能が破壊された結果起きてくる日和見感染症という特別な感染症の症状がエイズの症状になります。
お礼
回答ありがとうございました。ウイルスの拡散への症状の寄与や、ウイルスが直接の原因でない症状という観点を指摘いただき、参考になりました。
お礼
具体例をあげてわかりやすく説明していただき、ありがとうございました。