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時定数について
時定数(τ=CR)について物理的意味とその物理量について調べているのですが、参考書等これといってわかりやすい説明がありません。どうが上記のことについて詳しく説明してもらえないでしょうか?
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1次応答のお話ですね。 物理の世界では「1次応答」と呼ばれる系をしばしば扱います。その系の応答の時間的尺度を表す数字が「時定数」です。物理量としては時間の次元を持ち、時間と同様に秒や分などを単位に表現できます。 直感的には「水槽から出て行く水」のアナロジーで考えると分かりやすいと思います。いま水槽があって下部に蛇口が付いているとします。蛇口をひねると水は流れ出ますが、水が流れ切ってしまうまでにどれくらい時間がかかるでしょうか。 明らかに水槽が大きいほど、そして蛇口が小さいほど時間がかかります。逆に水槽が大きくても蛇口も大きければ水は短時間で出て行きますし、蛇口が小さくても水槽が小さければこれまたすぐに水槽はからっぽになります。 すなわち水がからっぽになるまでに要する時間の目安として 水槽の大きさ×蛇口の小ささ という数字が必然的に出てきます。ご質問の電気回路の場合は コンデンサの容量→水槽の大きさ 抵抗→蛇口の小ささ に相当するわけで、CとRの積がその系の応答の時間的な目安を与えることはなんとなくお分かり頂けると思います。 数式を使いながらもう少し厳密に考えてみましょう。以下のようにコンデンサCと抵抗Rとからなる回路で入力電圧と出力電圧の関係を調べます。 + C - ○─┨┠─┬──● ↑ < ↑ 入 <R 出 力 < 力 ○────┴──● 入力電圧をV_i、出力電圧をV_oとします。またキャパシタCに蓄積されている電荷をQとします。 するとまず V_i = (Q/C) + V_o (1) の関係があります。 また電荷Qの時間的変化が電流ですから、抵抗Rの両端の電位差を考えて (dQ/dt)・R = V_o (2) も成立します。 (1)(2)を組み合わせると V_i = (Q/C) + (dQ/dt)・R (3) の微分方程式を得ます。 最も簡単な初期条件として、時刻t<0でV_i = 0、時刻t≧0でV_i = V(定数)となるステップ応答を考えます。コンデンサCは最初は帯電していないとします。 この場合(3)の微分方程式は容易に解かれて V_o = A exp (-t/CR) (4) を得ます。exp(x)はご存じかと思いますがe^xのこと、Aは定数です。解き方が必要なら最後に付けておきましたので参考にして下さい。 Cは最初は電荷を蓄積していないのですから、時刻t=0において V_i = V = V_o (5) という初期条件が課され、定数Aは実はVに等しいことが分かります。これより結局、 V_o = V exp (-t/CR) (6) となります。 時間tの分母にCRが入っているわけで、それが時間的尺度となることはお分かり頂けると思います。物理量として時間の次元を持つことも自明でしょう。CとRの積が時間の次元を持ってしまうのは確かに不思議ではありますが。 (6)をグラフにすると下記の通りです。時刻t=CRで、V_oはV/e ≒0.368....Vになります。 V_o ↑ * ←初期値 V │* │ * │ * 最後は0に漸近する │ * ↓ └───┼──────*───*───*───*─→t t=0 t=CR (初期値の1/e≒0.368...倍になったタイミング) 【(1)(2)の解き方】 (1)の両辺を時間tで微分する。V_iは一定(定数V)としたので 0 = (1/C)(dQ/dt) + (dV_o/dt) (2)を代入して 0 = (1/CR) V_o + (dV_o/dt) -(1/CR) V_o = (dV_o/dt) - dt = dV_o (CR/V_o) t = -CR ln|V_o| + A ここにlnは自然対数、Aは定数である。 この式は新たな定数A'を用いて V_o = A' exp (-t/CR) と表せる。
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- kochory
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時定数の出し方については#1~#3の方々が詳しく説明されて いるので十分だと思いますが、時定数の物理的意味について 少しコメントさせていただきます。 時定数というのは#2さんもおっしゃっているとおり、電気回路系に 特有の概念ではなく、指数的に減衰する量一般に対して、 それがどれぐらいの速さで減衰するのかを表す量です。 指数的に減衰する量xは一般に x = x0 exp(-t/τ) (x0:初期値、t:時間、τ:時定数) と書けますが、この式が意味しているのは、 「時間がτだけ進むと、xの値は1/eに減少する」 ということです。 つまり時定数の物理的な意味とは、 「xの値が1/eに減少するのに要する時間の長さ」 です。 t=0から考えると、時間がτだけ進むと、xはx0からx0/eまで 減少するわけです。 e=2.71818...ですから、時間がτだけ進むとxは元の値の 半分以下になってしまうわけですね。 放射性元素の量が、崩壊によって元の量の半分にまで減る までの時間を、その放射性元素の半減期といいますが、 時定数も半減期も同じ概念です。 時定数は1/eまで減るまでの時間の長さ、半減期は1/2まで 減るまでの時間の長さのことです。 どちらも、問題にしている量がどれだけ速く減るかを 表しています。 (時定数が大きいほど減少は遅く、小さいほど速いという ことになります。)
お礼
なるほど!時定数って考えてみると深いですね。どうもありがとうございました。
- abyssinian
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。 >時定数(τ=CR)について物理的意味とその物理量 まず、電気抵抗Rが、どのように定義されているか(古典物理の範囲だけど)説明した、下記の過去ログを参考にしてください。NO2です。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=933863 エネルギE、電荷Qが、時間tと共に移動する系に於いて、 電流Iの定義=Q/t エネルギ流=E/t 電圧Vの定義=(エネルギ流)/(電流) = E/Q 抵抗Rの定義=(エネルギ流)/(電流^2) = (E・t)/Q^2 静電容量Cは、Q=CVと導入されるので C=Q/V =Q^2/E ゆえに、CとRの積の次元は、 CR={Q^2/E}・{(E・t)/Q^2} = t すなわち、時間の次元です。 アンペア、ボルト、オーム、ファラッド、ヘンリーなどは、エネルギ、電荷、時間から、組み立てられた単位なんです。物理としての基本をおさえましょう。
お礼
どうもありがとうございました。過去ログ、参考URL等で勉強させていただきます。
- yamaichiro
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量はCRと書いてありますから、そのままです。 時定数ですから単位はsecです。 Rが抵抗でCが容量ですから、電気的にはRを通 してCを充電・放電する以外に意味を持ちません。 仮にCの電荷ゼロにRを通して充電するとして、 Cが一定ならRが大きい方が充電により長い時間 を要するのは直感的にわかります(Rが固定なら Cが大きい方が時間がかかる)。 なので、時定数を求めることは、その程度を求 めることになります。
お礼
すばやい回答ありがとうございます!参考URLまで紹介していただいて助かりました。
お礼
かなり詳しく書いていただいて感謝します!時定数について勉強したいと思います。