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沸点を異にする決め手
沸点が 塩化tert-ブチル<臭化tert-ブチル<ヨウ化tert-ブチル の順に高くなるのはハロゲン単体の沸点の違いを 例に理解はできるのですが、以下のように 臭化tert-ブチル<tert-ブチルアルコール<ヨウ化tert-ブチル の順に沸点が高くなることに納得できません。 どなたかご教授ください。お願いします。 ちなみに4物質の沸点は ヨウ化tert-ブチル 98℃ tert-ブチルアルコール 82℃ 臭化tert-ブチル 72℃ 塩化tert-ブチル 51℃ でした(http://ptcl.chem.ox.ac.uk/MSDS/)。
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一般的に、ヒドロキシル基のついたものが、水素結合を持つために、他のものと比べて、沸点が高い傾向であることはいえますが、何番目になるのかを一般化することはできません。 物性表を見たり、実際に測定して確認するしかないです。 例えば、酸素属と水素との化合物の沸点は H2O :100.0℃ H2S :-60.7℃ H2Se:-41.3℃ H2Te: -4℃ だそうで、ヨウ素の横にいるテルルさえ、水素結合を持つ水より沸点が低かったりしますし。
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いえ、ヨウ化ブチルの分子間引力は、アルコールと比べると、強くはありません。塩化ブチルや臭化ブチルと大して変わらないはずです。 ヨウ素の原子量が127 で重たい ということで、ブチル基と結合したときに沸点が高い ということになります。 ちなみに、フッ素、塩素は、常温で気体、臭素は液体、ヨウ素は固体…となっています。
補足
ありがとうございます。 沸点が 塩化tert-ブチル<臭化tert-ブチル<ヨウ化tert-ブチル の順に高くなることはもぅ完璧に(?)理解できました。では、 tert-ブチルアルコールの沸点が臭化tert-ブチルより も高くヨウ化tert-ブチルよりも低いのは どうしてなのでしょうか。 なぜこのような疑問を持つかといいますと、 ハロゲン化アルキルの括りで比較する場合は 「どんなハロゲンが置換しているか?」 を考えればよかったが、一方 tert-ブチルアルコールはハロゲン化アルキルでは ないので、ハロゲン化アルキル同士で比べたよう には行かないのだと考えているからです。 そこでヒドロキシル基による水素結合の 考え方が持ち出されたわけですが、 その辺りがまだ自力では解決できません。 どうかよろしくお願いいたします。
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失礼しました。 水素結合の話と沸点の関連でしたね。 沸騰というのは、分子運動を激しくさせ、フリーに動ける状態にすることです。 分子間引力が働きますと、それだけ自由になりにくく、その結合に打ち勝つために、余計に熱エネルギーを与える必要がでます。
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>ヨウ化tertブチル同士の分子間力は >tertブチルアルコール同士の水素結合に >勝るということだと思います。 はい。で、この理由ですが、分子構造に由来します。 tert-ブチルアルコールですが、炭素-酸素-水素結合の部分が、約104°という値になっています。 そして、酸素が電子を強く引きつけるため、酸素原子の部分でδ-、水素の部分でδ+の電気的片寄りを生じます。(こういう分子を「極性分子」と呼びます) この-OHのOの部分が、別のアルコール分子のHの部分と引き合う次第です。 これに対し、臭化-n-ブチルの方は、Brが確かに電子を強く引きつける基ではありますが、tert-ブチル基が安定させる基で、かつ、分子間引力をしめすには、嵩高く立体障害となる基ですので、分子間引力が、顕著にならない…ということになります。
お礼
ありがとうございます。臭化tertブチルの場合は 理解できたと思います。 ではヨウ化tertブチルの場合はどうなのでしょうか。 ヨウ素の原子量が大きい ↓ ヨウ化tertブチル分子全体の嵩高さが増す ↓ 分子間力が増す ↓ その分子間力が-OH基同士の水素結合より強い(★) ★の理由についてお話していただけたらと思います。
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-OH と -Clで、逆転ということみたいですね。 この場合、-OH基は、水素結合をして、沸点が高くなるようです。 例えば、水(H2O)は常温で液体なのに、硫化水素(H2S)は、常温で気体ですし、分子量の他に、分子間引力なども物性に大きく影響するものです。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 -OH基の水素結合の影響があるだろうとは 予想してましたが分子間力については考えが 及びませんでした。 するとヨウ化tertブチル同士の分子間力は tertブチルアルコール同士の水素結合に 勝るということだと思います。 この理由についても解説していただけたら 幸いです。どうぞお願いします。
お礼
そうだったんですか! 沸点の高い順は一般化できないのですね。 私の疑問に何度もお答えいただき、 本当にありがとうございました。