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沸点の低下。
t-ブチルアルコールから塩化t-ブチルを合成する有機化学実験を行ったのですが、蒸留の本留での生成物(塩化t-ブチル)の沸点を測定したところ、文献の沸点(52℃)よりも低い沸点(49℃)が測定されました。この沸点の低下はどうして起こるのでしょうか?
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仮に2-メチルプロペンや塩化水素が生成している(ご指摘の通りE1反応です)としても、常温では気体ですので、基本的には、そのまま大気中に出てしまいますので、塩化t-ブチルに溶け込んだとしてもわずかだと思います。 もしも、大量に2-メチルプロペンが発生しているようでしたら、塩化t-ブチルに溶け込む可能性もあると思いますが、蒸留の際にかなりの損失があるでしょうし、HClも大量に発生するはずですので、いやでも気がつくと思います。 HClの発生が気にならないレベルであったのなら、2-メチルプロペンへの混入について気にする必要はないと思います。
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No.2です。 補足します。イソブチレンに関しては、はじめから存在するというわけではなく、蒸留の途中で塩化t-ブチルの分解が起こり、発生するという意味です。 発生したイソブチレンやHClの気体のために、塩化t-ブチルの分圧が低下し、少し低い温度で出てくるというわけです。 第三級ハロゲン化アルキルの脱離反応は結構簡単に起こってしまう場合があると思います。絶対に起こっているかと問いつめられると自信はありませんが(笑)。
補足
度々の回答ありがとうございます。装置の不備での可能性は大いにあるように感じました。温度計の位置が低かったのかどうかはまだ経験が足りず判断できませんが、検討したいと思います。あと気になったのが、蒸留中での塩化t-ブチルの分解についてです。これはE1反応が進行し2-メチルプロペンと塩化水素が生じたと考えるのだと思うのですが、仮に起こっているとすれば、本留で回収したフラスコにもこれらが塩化t-ブチルと共に回収されているということでしょうか?2-メチルプロペンは沸点が約ー6℃だったと思うので、回収されずに空気中に拡散されてしまうのではないかと思われました(塩化水素も同様に空気中に拡散されるのでは)。
#1のお答えの中の「最初からあって混ざった」はあまりないでしょう、よほど沸点の低い物が混ざったのでない限り沸点上昇しちゃうから。 #2のお答えにもありますが、温度計は一般にあまり正確だという保証はありません(実際は驚くほど正確ですが…摺り合わせだと値段高いし)、お答えの中の位置というのは水銀温度計の水銀球の位置のことです。ここから常にゆっくり液体が滴りながら受け器にも留出している状態でないと「平衡点」での温度(沸点での気液平衡)とは見なされません。 イソブチレンが生じていても常圧での沸点はかなり低いので先に逃げて影響は少ないのではないかと思うのですが#2様はどうお考えでしょう。
補足
回答ありがとうございます。私もイソブチレンについてはそのように感じました。今のところ温度計設置の際の人的不備が一番有力かも知れません。その他も色々と考えたのですが、どうも納得いくものではありませんでした。
一般論として、沸点の精確な測定は簡単ではありません。 温度計が不正確であれば論外ですが、正確な温度計を使ったとしても、蒸留装置における温度計の位置が正しくなければ、正しい温度は表示されません。そなわち、蒸留装置内でも場所によって温度が異なっています。 たとえば、蒸留装置の枝分かれの部分よりも上にあれば、温度は低く表示されます。 それと、蒸留されるものの量も影響します。温度計の表示が上昇するのは、気化した蒸気によって温められるからです。気化した量が少なければ十分に温められませんので、低めの表示がされるかもしれませんし、気化の速度が遅ければ、外部からの冷却によって低めになるかもしれません。 なお、温度計が不正確であると言うことも時々ありますが・・・ 以上が、装置に関する問題です。 それに加えて、本件において、生成物の塩化t-ブチルは、さほど安定な物質ではありません。すなわち、蒸留中に一部がイソブチレン(2-メチルプロペン)と塩化水素に分解する可能性もあり、それが起こっていれば沸点は低下します。 もしもそうであれば、塩化水素の刺激臭が感じられたり、塩化水素と空気中の水分から生じた白煙が見えるかもしれません。
- nrb
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原因は ・測定器の誤差 ・精度の悪い測定器の使用 ・人間の読み取りミス ・入れたビーカとかになにか付着してまざった ・気圧低下による沸点の低下 1気圧の沸点(52℃)ですから
補足
測定器の誤差・精度の悪い測定器の使用の可能性は否めないと思います。おまり上等な機器を使っていませんでしから。気圧低下による沸点の低下と初め考えて、リービッヒ冷却器を使うことで内部の圧が低下したのではと思っていたのですが、その可能性はどうなのでしょうか?
補足
再度の回答ありがとうございます。HClの発生は気にならないというか気づくほどの変化は見られませんでした。ではやはり沸点低下は蒸留装置の不備か人的不備に原因があると考えるほうが良さそうですね。あと、一つお伺いしたいのですが、仮に蒸留中にE1反応で2-メチルプロペン、塩化水素が発生したとして、No.5様には「その時塩化t-ブチルの分圧は下がって・・・」と回答していただきましたが、その場合はラウールの法則で逆に沸点が上がってしまうのではないでしょうか?