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カント実践哲学、要請論を含む全体の妥当性(道徳法則って本当に実在するの?)
カントの実践哲学の全体に関して、好みではあるのですが、今ひとつその論の中に納得の行かないところがあり、今のところカントの実践哲学全体への賛否を保留しています。 理性の事実としての道徳法則の実在から要請論へと展開していく中には問題がないように思えるのですが、肝心の道徳法則の実在を示すことはできていないように感じます。 『実践理性批判』第一編第一章第一節 定義の注の出だしに「我々が、純粋理性は実践的に…換言すれば、意志を規定するに、…十分な根拠を自らのうちに含みうることを認めるならば、実践的法則が存在する。しかしそうでない場合には、実践的諸原則は単なる格律でしかないだろう」とあり、純粋理性が実践的に十分な根拠を自らの内に含むことを示し、更にこの命題自体が正しいことを示すことができれば道徳法則が実在する、ということになるのでしょうが肝心のその点に関する言及が実践理性批判にはないようです。 この一点が否定されれば実践哲学としての体系全体が損なわれてしまう問題でもありますし、気を付けて読んでみたのですが、もしかしたら見落としてしまったかもしれません。まだ他の著作にはあたっていないので、もし、どこかでこの点に関する言及があることをご存じでしたらお教え下さい。
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noname#15238
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お礼
長々ありがとうございました。正直まだ釈然としないところはありますが、とりあえずはこの辺にしておこうかと思います。 先生には前に聞いたのですけれど、その時は卒論の相談をしにいった時でしたので、途中ではぐらかされてしまいました。理性の事実であるところから懐疑を持ち込むのは誰でもやれることですし、それだけではちっとも面白くないのは確かです。それでも、何か糸口が第一編第一章第一節にあると思ったのですけれど… あ、僕も岩崎さんのそれと併読してました。岩崎氏はカントをごく限られている面でしか評価していないようなので今はあまり共感しないのですけれど。 カントをずっと続けるというよりは、多分この先現象学かドイツ観念論の方向に進んでいくと思いますので、その時答えを自分で与えられることを期待しつつ… 本当に、お世話様でした。