• ベストアンサー

ミンコフスキー空間の距離に虚数で時間が

入ってくるのはなぜですか。アインシュタインの相対性原理とも関係しているのですか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ddtddtddt
  • ベストアンサー率56% (179/319)
回答No.1

 まず、ちょっと背景を・・・(^^;)。特殊相対性理論の前提は、次の2つです。 [1]特殊相対性原理  任意の慣性系で物理法則は不変。 [2]光速度不変の原理  任意の慣性系で光速度は不変。  ここで慣性系とはざっくり言えば、静止系に対して等速直線運動する系の事です。アインシュタインの相対性原理とは、[1]と[2]を合わせたものを言うと思います。  もし[1]を認めれば、電磁場(光)の挙動を記述するマックスウェルの法則も任意の慣性系で不変になります。マックスウェルの法則は静止系で確立され、それは光の速度も決めるので、[2]が導かれます。そうすると[2]は不要なのですが、慣習的に[2]も特殊相対性理論の前提に含めるのが普通です。  理由の一つは、マックスウェルの電磁場方程式なんていう面倒くさいものを持ち出したくないから(かな?)。  もう一つの理由は、光速度不変の原理はマックスウェルの法則より、より一般性のある法則だという思いがあるからだと思います。  じっさい現在のところ、光速を超える相互作用の伝播速度はみつかっていません。なので光速度不変の原理は、電磁場に限らず相互作用の伝播速度の上限を規定するもので、それにマックスウェルの法則も従っているのかも知れません。そこから光速度不変の原理を、一つの独立した物理法則と認めよう、という考えが出てきます。  この場合[1]を考慮すると、任意の慣性系で光速度は「不変でなければならない」事になります。実際ランダウなどは、この立場です。  いずれにしろ、慣性系では光速度は不変と考えるわけです。ここで静止系のt=0の瞬間にその原点(x=y=z=0)で何かが光ったとします。その光はt秒後には、   x^2+y^2+z^2-(ct)^2=0   (1) で表される球面に到達します。cは光速度です。一方静止系に対して速度vで等速直線運動する慣性系においても、[2]光速度不変の原理 を認めれば、同じ光は相対速度vに関わらず、   x’^2+y’^2+z’^2-(ct’)^2=0   (2) へ到達します。ここに(x’,y’,z’,t’)は慣性系の座標で、慣性系と静止系は静止系のt=0において同じ場所にいるとしてます。  (1)と(2)を見比べた時、ミンコフスキーは、(1)や(2)を一種の距離と「みなす」と理論的見通しが良くなると気づきました(わかりやすくなる、とは限らない(^^;))。「距離」なので、  x^2+y^2+z^2-ct^2=(x,y,z,ict)・(x,y,z,ict)   (3) です。ここで ・ は内積,i は虚数単位です。(3)の形式は数学的には、疑似ユークリッド距離(一般には疑距離)と言われます。値が負にもなるので。  自分の意見では、(3)の数学的形式は理論の見通しを良くするための数学的便法です。物理的意味は[1],[2]の方にあって、それらはコテコテの実数の世界です。ホーキングには叱られそうですが(^^;)。  最後に「アインシュタインの相対性原理とも関係しているのですか?」と問われれば、それはもちろんなのですが、直接的には[2]光速度不変の原理、という事になります。

kaitara1
質問者

お礼

内容が私には大変難しいものでしたが、心から嬉しくなるようなご教示でした。繰り返し熟読させていただき、少しでも理解できるように努力したいです。

関連するQ&A