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蜘蛛の糸:【いたす】謙譲語or丁寧語?
- 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』において、「いたす」は謙譲語ですか?丁寧語ですか?
- 犍陀多という男が悪事をはたらく中で、彼は一匹の小さな蜘蛛を助ける善行を行います。
- 蜘蛛の糸における「いたす」の使用は作者から蜘蛛への謙譲表現なのか、読者への丁寧表現なのか、注目が集まっています。
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平成19年に文部科学省に対し文化審議会が答申した「敬語の指針」においては、「謙譲語Ⅱ ( 参る・申す」型)」という分類がなされるようになりました。 「自分側の行為・ものごとなどを,話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。」を指し、ここでの「いたす」はそれに該当します。 ですから、読者に対して筆者が丁重語を用いているものです。 この「謙譲語Ⅱ」は、 「 丁寧語( です・ます」型)」とは異なります。 参照: https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf 「【補足:謙譲語Ⅱと丁寧語】 3の「謙譲語Ⅱ」も話や文章の相手に対する敬語として働くので,この意味では, 4の「丁寧語」と近い面を持つ。違いは,謙譲語Ⅱは基本的には「自分側」のことを述べる場合に使い,特に「相手側」や「立てるべき人物」の行為については使えないのに対し丁寧語 は「自分側」のことに限らず,広く様々な内容を述べるのに使えることである。また謙譲語Ⅱは,丁寧語「です 「ます」より 」も改まった丁重な表現である(丁寧語のうち「(で)ございます」は,謙譲語Ⅱと同程度に丁重な表現である) 。」
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- petertalk
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>下記の2つの「いたす」は、 >謙譲語で、敬意の方向は【作者→蜘蛛】ですか? >それとも、 >丁寧語で、敬意の方向は【作者→読者】ですか? まず結論からですが、 謙譲語Ⅱ(丁重語)で、敬意の方向は【語り手→聞き手】です。 まず、敬語の分類としては、謙譲語で合ってます。 今は、敬語の体系が整理されて、 謙譲語は大きく二種類に分かれています。 ・謙譲語Ⅰ 敬意の対象が、行為やものごとの向かう先 例:伺う、申し上げるなど ・謙譲語Ⅱ(丁重語) 敬意の対象が、話や文章の聞き手や読み手 例:参る、申すなど NHK放送文化研究所 https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20160901_1.html 次に敬意の方向ですが、 「いたします」は、動作は「した」というだけなので、 敬意の対象は、動作の対象ではなく、読み手、聞き手です。 ですが、これは小説なので、敬語は登場人物の人間関係で判断すべきです。 そして、この小説は物語形式なので、敬意の元は、 作者ではなく語り手となります。 もし、これが、作者自ら語り手となって 読み手に事実を伝えるようなドキュメント、例えば、 芥川龍之介がウクライナで戦況を実況して、 「ロシア兵がウクライナ兵を撃ち殺そうといたしましたが」なら 【作者(語り手)→聞き手】となります。 ですが、小説において、敬意の方向に作者が登場するのは、 かなり特殊です。
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ありがとうございます。 回答を解釈しているところです。 時間がかかりそうなので、取り急ぎお礼だけさせていただきます。
- g27anato
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いずれも「当事者の行為、行動」を表す補助動詞『する』を、当時の文体で言い換えた表現。 …文章全体が示す「敬意の方向」は常に【作者→読者】です。 「~善いことを『いたした』覚えが~」 …『した(行為)』を「尊大」に捉えた表現。 「~踏み殺そうと『いたしました』が、」 …『した(行動)』を「丁寧」に伝える表現。
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