- ベストアンサー
【まいる】敬語の種類(芥川龍之介の『蜘蛛の糸』)
下記の「まいる」は、謙譲語で、 敬意の方向は、作者→釈迦、で正しいでしょうか? お願いします。 もし万一途中で切れたといたしましたら、 せっかくここへまで上ってきたこの肝腎な自分までも、 もとの地獄へ逆落としに落ちてしまわなければなりません。 そんなことがあったら、大変でございます。 が、そういううちにも、罪人たちは何百となく何千となく、 真っ暗な血の池の底から、うようよとはい上がって、 細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、 せっせと上って【まいり】ます。 今のうちにどうかしなければ、糸はまん中から二つに切れて、 落ちてしまうのにちがいありません。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>この時の「まいる」は、謙譲語で、 >敬意の方向は、作者→釈迦、 まず、「まいる」はご認識のとおり、謙譲語です。 ですが、敬意の方向が違います。 今は、敬語の体系が整理されて、 謙譲語は大きく二種類に分かれています。 ・謙譲語Ⅰ 敬意の対象が、行為やものごとの向かう先 例:伺う、申し上げるなど ・謙譲語Ⅱ(丁重語) 敬意の対象が、話や文章の聞き手や読み手 例:参る、申すなど 文中の「まいります」の他にも「いたしましたら」がありますが、 どちらも謙譲語Ⅱで、敬意の対象は、読み手、聞き手です。 また、敬意を払っているのは話者ですが、物語なので、 芥川龍之介ではなく、この物語の語り手です。 なので、敬意の方向は、物語の話し手→聞き手、となります。
お礼
ありがとうございます。