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仕事Wは何エネルギーの変化量に等しい?
ある系に対して仕事Wがなされたとき,その仕事Wは全エネルギーの変化量に等しいということで合っていますか? 教科書には,ある系に対して”重力”によって仕事Wがなされたとき,その仕事Wは位置エネルギーの変化量に等しいと書かれています.全エネルギーの変化量ではなく,位置エネルギーのみの変化量に等しいのはなぜなのでしょうか? ある系に対して仕事Wがなされたときに,それと等しいのは位置エネルギーの変化量でしょうか?運動エネルギーの変化量でしょうか?それとも全エネルギーの変化量でしょうか?
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- ddtddtddt
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#5です。前回の考えでは、全然だめだと気づきました。安易でした。すいません。 もともとの発想としては、熱力学的系のエネルギー収支は内部機構とは無関係に成り立つ話(内部機構がなくてもOK)なので、質点系と熱力学的系をきっちり対応づければ「重力は仕事をするのに、全エネルギーは変化しない」という事と矛盾しない結果が出るだろうと思ったからです。 添付図の(a)が熱力学的系です。忘れていたのは、熱力学的系には熱源もあったという事です。 (熱源のした仕事) 熱源のエネルギー供給 + 圧力のした仕事 = 内部エネルギー変化 (1) でした。これを重力下の質点と対応づけるために、質点mを仮想の箱((b)の点線枠)で囲んで「系」とし、作用する重力を箱の断面積Sで割って圧力にみたて、箱の上下にわりふって圧力p=mg/2/sとしました((c))。 質点がΔh落下すれば、箱の上側ピストンが圧力p=mg/2/sで押し込まれ、箱の下側ピストンは圧力p=mg/2/sのもとで引かれたのと同じだろうと。 そうすると質点系の内部エネルギー変化を(1)と対応づければ、 (重力源のした仕事) 重力源のエネルギー供給 + 重力のした仕事 = 内部エネルギー変化 (2) となるはずです。ここで「重力源のした仕事」という謎の項が現れますが、無意味なら0とすれば良いだけなので、とりあえず気にしないで下さい。 もう一つ忘れていたのは、熱力学的系に対する外力(圧力,重力)の仕事を計算する際には、系の境界((b)の点線枠)の内法線方向の力と変位を正としなければならない、という事です。 (c)の上側ピストンの圧力pは箱の内部方向で+,変位Δhも同方向で+となり、上側ピストンのした仕事は、mg/2/S×Δh×S=mg・Δh/2で正です。この分だけ系の内部エネルギーは増えます。 (c)の下側ピストンの圧力pは箱の外部方向で-,変位Δhも同方向で-となり、下側ピストンのした仕事は、(-mg/2/S)×(-Δh)×S=mg・Δh/2で正です。この分だけ系の内部エネルギーは増えます。 結局、重力mgによって系の内部エネルギーは、mg・Δh/2+mg・Δh/2=mg・Δh増加します。そりゃそうですよね。自由落下する質点のエネルギーが、前回のように重力作用によって減少する訳がない(← 安易でした)。 mg・Δhは正確に質点の運動エネルギーの増加量に等しいです。という事は(c)の質点系の内部エネルギーには、運動エネルギーを含めなければならないという事になります。ところでエネルギー保存則を考慮すると、mg・Δhは正確に位置エネルギーの減少分にも等しいです。よってもし、「重力源のした仕事」は位置エネルギーに対してなされた仕事だとみなせて、かつ質点系の内部エネルギーとは、運動エネルギーと位置エネルギーの和だとみなせるならば、「重力は仕事をするのに、全エネルギーは変化しない」という事と矛盾しません。 ここで問題になるのは、重力源が位置エネルギーに対して仕事をしたとみなせても、それは重力を通じてのはずなので、それを圧力にみたてた重力の仕事とともに考えるのは、けっきょく重力のした仕事の2重カウントではないのか?。 もう一つは、位置エネルギーを質点の内部エネルギーとみなして良いのか?。 で、そう考えざる得ない状況があります。まず重力は、運動エネルギーと無関係に位置エネルギーに仕事ができます。質点mを高さh持ち上げて、そこに保持した時です(添付図(d))。位置エネルギーmghは位置hだけで決まります。 いや持ち上げる途中では速度を持つはずだ。そうでなければ持ち上がらない。そりゃそうなんですが(^^;)、位置エネルギーは途中経過を問えません。それが保存力の意味です。最終結果は常に位置のみで決まります。 それが証拠に支えをはずして落下させれば、常に最終落下速度はmv^2/2=mghになる。いや終速度vを持つのは重力が運動エネルギーに影響したからだ。そりゃそうなんですが(^^;)、ここでも「途中経過に関わらず」結果は常に高さのみで決まるという点が重要です。持ち上げ時には、運動エネルギーに影響せずに位置エネルギーを増やしたと考えられる。逆に(a)のように、位置エネルギーに影響せずに運動エネルギーを増加させる事も可能だ。位置エネルギーという高さによって決まる状態量があるに違いない(もしくは、そう考えても良い)。重力は運動エネルギーとは別に、位置エネルギーにも仕事をする(両者に同時に仕事をする事もあるし、一方だけの事もある)。 以上の話が釈然としないのは、少なくとも古典力学では位置エネルギーの実体が見えないからだと思います。運動エネルギーには質点の速さという物的(?)証拠があるので、実体が見えるし「質点が持つ」と言えます。しかし位置エネルギーにはそういうのがありません。でも、同じ高さhに同じ質量mを置いたら常に同じ位置エネルギーmghというのなら、質点が位置エネルギーを持つと考えるしかないじゃないか。位置エネルギーは質点の内部エネルギーと考えざる得ないと(もしくは、そう考えても良い)。 ここまで来ると、#4さんの >単純に位置エネルギーの定義が重力によってなされた仕事量、もしくは、重力に抗してなされた仕事量である、と『定義されている』と言うだけ、です。 というのは言い当て妙だなと思います。あなたの疑問が、 >・・・という話で、「日本のスーパーで価格の表示に円が使われていた。ドルは考えなくて良いんですか? と聞いているようなもの。 だとは思いませんが。 というわけで「ある系に対して”重力”によって仕事Wがなされたとき,その仕事Wは位置エネルギーの変化量に等しい」のは、添付図(d)の質点持ち上げ時の話と解釈できます。この場合は、全エネルギーは当然増えます。 一方、落下させる場合には、重力は運動エネルギーに仕事をする「と同時に」位置エネルギーにも逆向きの仕事をするので全エネルギーは一定、という事になると思います。言い変えれば、 ・位置エネルギーの減少分が運動エネルギーにまわった. という非常に面白くない結論です(^^;)。 「ある系に対して仕事Wがなされたときに,それと等しいのは位置エネルギーの変化量でしょうか?運動エネルギーの変化量でしょうか?それとも全エネルギーの変化量でしょうか?」については、なされる仕事の種類による、です。 例えば添付図(a)の通常の熱力学的系ならば、普通は位置エネルギーを無視しますので、熱源は(内部)熱エネルギーに仕事をするわけですが、簡単な分子運動論をカンニングすると熱エネルギーは運動エネルギーに帰着できるので、けっきょく熱源のした仕事Wは運動エネルギーの変化になり、加熱なら運動エネルギー=全エネルギーは増えます。
- ddtddtddt
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この質問は面白いと思いました(^^)。 >ある系に対して仕事Wがなされたとき,その仕事Wは全エネルギーの変化量に等しいということで合っていますか? そうですよね。そうでないと仕事の定義の自己矛盾です。以下、上記を(1)とします。 >ある系に対して仕事Wがなされたときに,それと等しいのは位置エネルギーの変化量でしょうか?運動エネルギーの変化量でしょうか?それとも全エネルギーの変化量でしょうか? #3さんの仰るように仕事の種類を特定しないと、位置エネルギーにも運動エネルギーにも影響するので、ここでは自由落下で重力のした仕事Wに限定します。重力のした仕事Wは運動エネルギーの変化量ΔKに等しいです。ただし位置エネルギーの変化量ΔUにも等しいです。符号は逆ですが。なので全エネルギーEの変化はなしです。 全エネルギーは変わらないという保証があるので、W=ΔK=-ΔUと自信をもって言える。これが通常の答えと思いますが、1個の質点も系ですから重力が仕事Wをしたなら、E → E+Wと増えるはずだ。しかしEのままでは(1)と矛盾する。なれ切っていて、こんな風に考えた事はなかったです(^^;)。 状況を整理するために位置エネルギーの変化を無視できる系を考えます。(1)は熱力学の系のイメージだろうと思いますが、添付図の左に示したように非常に薄っぺらいピストン付きの箱を考え、中に多数の粒子が飛び回ってるとします。箱はある高さに保持します。これなら粒子の位置エネルギーの変化は無視できます。 箱右側のピストンを押し込むと、箱内部の系のエネルギーは熱力学を信じる限り増えます。位置エネルギーの変化は無視できるので、増加するのは粒子の運動エネルギーです。これが温度の正体でした。注意すべきは箱の左端の壁は、保持により固定されてる事です(動かない)。 次に添付図の右です。今度は空中に2個の質量m/2の質点を配置し、それを点線で示した仮想の箱で囲み系とみなします。2個の質点には重力mg/2が作用し自由落下します。ところで自由落下ですよね?。2個の質点は同じ重力加速度gで運動するので、同じ時間間隔Δtの落下距離Δhも同じです。箱は実線で示したように長さを変えずに移動します。 ・・・とみる事もできるんですが、これって左側の図でピストンを押し込んだ時、正確に押し込み量分だけ左側の壁が逃げるのと同じじゃないですか?。箱の上端でmg・Δh/2だけ箱の内部エネルギーは増えますが、箱の下端では-mg・Δh/2だけ内部エネルギーは減少し、収支は0です。内部エネルギーEは変化しない。 1個の質点の場合は、上下の質点を合体させて質量mとすればどうでしょう?(^^)。ところで位置エネルギーの変化は考慮しないのか?と言われそうですが、重力の位置エネルギーは重力作用によって生じます。いま重力作用は全て考慮しました。上記の系のエネルギー収支は位置エネルギーの変化も込みです。 あえて言えば、運動エネルギーの変化量ΔKが仮想箱の上側ピストン,位置エネルギーの変化量-ΔUが下側ピストンのした仕事となりますが、こういう解釈はしない方がいいなぁ~(不要に面倒なだけ)。ただ言えるのは、エネルギー保存則と(1)は矛盾しない。 >普通の教科書には書かれてないロボットの不思議な消費エネルギー ロボットアームが100kgのワーク質量を持ち上げて静止してます この静止はサーボロックでありメカブレーキではありません サーボロックなのでモーターでワーク質量のトルクと逆向きのトルクを発生させ釣り合わせる。逆トルクを発生するためには電力を消費するが、トルクは釣り合っているのでモーターは動かない。これ如何に?、という話だと思うのですが、モーターコイルの中では電子が動いて逆トルクを発生させます。それもトルクに等価の磁気抵抗力に逆らって。ここでも作用・反作用の法則は厳格に成立です。 >同様に、水の入ったバケツを腕を水平に持ち上げて静止してます 動いていないからエネルギ消費は無いハズだよね? でも、1分以上耐えれる人は少ない 質問者様の言うように、筋繊維の収縮は化学反応の結果で化学反応はすぐ終わっちまうので、バケツを保持するにはエネルギーをつぎ込んで化学反応を起こし続ける必要がある。筋繊維に血流を通じてエネルギーを届けるために心臓がバクバクして疲れる・・・。筋繊維の収縮は化学反応なので、その伸長時に力学的なエネルギー供給はない。ここでもエネルギー保存則は厳格に成立です。 ・・・人を惑わすために書いてるとしか思えない。
- nananotanu
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物理学上の仕事・エネルギーと、生活感覚での仕事・エネルギーをごっちゃにするとわからなくなります。 気をつけたほうがいいですよ。 単純に位置エネルギーの定義が重力によってなされた仕事量、もしくは、重力に抗してなされた仕事量である、と『定義されている』と言うだけ、です。 日本の貨幣単位を円とする。貨幣単位には他にもドル、ユーロ、元、、、、などなどがある。 という話で、「日本のスーパーで価格の表示に円が使われていた。ドルは考えなくて良いんですか? と聞いているようなもの。
- mienaikuuki
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加えている力と移動距離で移動仕事、加速力と加速距離で加速仕事、ほとんどの場合はこの2つが混ざっていることになります。純粋な移動仕事は費やした瞬間に使えないエネルギーになってしまいます。ほとんどの場合は熱になって発散してしまいます。加速仕事は運動エネルギーとして保持されます。運動エネルギーは加速力が作用しなくなれば抵抗力の作用で減少してそのうち止まるか、壁に衝突してその際に生じる力は運動エネルギーと衝突したとき生じる歪みの変位で計算できる力になります。 重力加速度と質量で生じる力は一般的な範囲で考える場合距離が変わっても一定として扱えるので説明に都合が良いだけだと思います。 単なる落下運動では空気抵抗を無視または一定とすれば一定の加速力で加速しながら運動エネルギーを増やすので空気抵抗が無視できると考えれば加速移動の移動距離と運動エネルギーの変化がエネルギー量の釣り合いと一致することになります。 車などの加速する様子など動くものの動作過程を観察すると理解が深められるかもしれません。 ホバリングは空中で停止しているように見えますが受ける下方向の力に釣り合う下向きの空気圧力を得る流れを作っているのでしっか理それ相当の仕事をしています。腕で持ち上げて維持させるような場合は持ち上げる位置まで行った仕事によってその位置を維持するにはどこかが歪んでその反対方向に仕事が行われていることになると思います。
お礼
詳しく教えて頂きありがとうございます。1点だけ疑問に残るのですが、 >腕で持ち上げて維持させるような場合は持ち上げる位置まで行った仕事によってその位置を維持するにはどこかが歪んでその反対方向に仕事が行われていることになると思います。 例えば、腕で持ち上げる場合は、筋肉が微小振動するので仕事が行われていることになりますが、ロボットアームで持ち上げて高さを維持するときに、モータは完全に静止しているので、維持しているときには仕事をしていないことにならないでしょうか?
- lumiheart
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普通の教科書には書かれてないロボットの不思議な消費エネルギー ロボットアームが100kgのワーク質量を持ち上げて静止してます この静止はサーボロックでありメカブレーキではありません https://www.e-mechatronics.com/product/robot/animation/index.html 多くの解説は動いてなからエネルギはゼロと唱えてるけど 同様に、水の入ったバケツを腕を水平に持ち上げて静止してます 動いていないからエネルギ消費は無いハズだよね? でも、1分以上耐えれる人は少ない 似たようなので ドローンが100㎏の荷物を抱えて空中でホバリング静止してます 静止してるんだから消費電力はゼロのハズだよね? 消費電力ゼロなんだからいつまでもホバリングしていられるハズだよね? https://viva-drone.com/delivery-drones/ 位置エネルギの変化量はゼロなんだから運動エネルギもゼロのハズだよね? 運動エネルギはゼロなんだから 100kg持っていようが1000kg持っていようが関係ないよね? まぁ、効率の問題は有るんでそれなりの消費電力は有るでしょうけれど
- chie65536(@chie65535)
- ベストアンサー率44% (8741/19839)
>全エネルギーの変化量ではなく,位置エネルギーのみの変化量に等しいのはなぜなのでしょうか? 運動エネルギーは、斜めに動いたり、水平に動いたり、真上に動いたりする場合のエネルギーすべてを言います。 位置エネルギーは、運動エネルギーのうち「垂直成分」のみのエネルギーを意味します。 「垂直成分のみの変化」は、言い換えれば高さのみの変化です。 「高さのみの変化」という事は「位置エネルギー」のみの変化です。 なので「重力による仕事Wは位置エネルギーに比例する」のです。
お礼
教えて頂きありがとうございます。なるほど位置エネルギーは運動エネルギーの一部なのですね。よく教科書には「運動エネルギー+位置エネルギー=力学的エネルギー」と書いてあるので、運動エネルギーと位置エネルギーは別々で、それぞれを足したものが力学的エネルギーだと思っていました。とすると、「運動エネルギー+位置エネルギー=力学的エネルギー」というよりも、 「力学的エネルギー+(-位置エネルギー)=運動エネルギー」 というイメージでしょうか?つまり力学的エネルギーというのは垂直方向以外のエネルギーということでしょうか?
補足
>位置エネルギーは、運動エネルギーのうち「垂直成分」のみのエネルギーを意味します。 位置エネルギーは、運動していてもしていなくても、高さだけで決まるので、垂直成分か運動エネルギーというのは間違いでは無いですか?
お礼
詳細に教えていただき本当にありがとうございます。全て読まさせていただきました。なかなか奥が深くて面白いですね!とても勉強になりました。ありがとうございました!!