- 締切済み
夫の扶養
業務委託という形で雇われることになりました。個人事業主になりますと説明されました。 元々、年収130万円までにしようと念頭に置いて仕事探しをしていました。 そこで質問なのですが、個人事業主として不要に入り年収130万円まで稼ぐのと、パート・アルバイトとして年収130万円まで稼ぐことの違いが、わかりません。 自分でも色々調べたのですが、イマイチ理解できませんでした。分かりやすく解説してくださる方いらっしゃいませんか。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- SK8UH1
- ベストアンサー率87% (192/220)
※長文です。 >個人事業主として不要に入り年収130万円まで稼ぐのと、パート・アルバイトとして年収130万円まで稼ぐことの違いが、わかりません。 「個人事業主」というのは、簡単に言えば「誰にも雇われずに仕事をする人」、いわゆる「自営業者」のことです。 ですから、「業務委託という形で【雇われる】」ということはなくて、「【雇ってもらうのではなく】自営業者として【自分の判断で】どのように仕事を請け負うかを決めて働く」ということになります。 --- これを法律上の「契約」で考えると、「雇用契約」ではなく「(請負契約などの)業務委託契約」を結んで働くということになります。 ちなみに、契約は【口約束】でも成立するので「書面がないから契約していない」ということにはなりません。 ただし、「雇用契約」の場合は、きちんと書面を交付することが法律で義務付けられていますので、「雇用契約なのに何も書面を渡されていない=雇い主が法律を知らない(知っていても無視している)」ということになります。 (参考) 『雇用契約|雇用開発センター』 http://www.hiraku-navi20.jp/layer3/c01_02.html --- このように、たとえ口約束でも「雇用契約」を結んでしまうと「雇い主(の事業主)」には様々な【法律上の義務】が課されることになっています。 裏を返すと「雇用契約を結んで働く人(法律上の【労働者】)」は【法律で守ってもらえる】ということです。 ※「個人事業主(自営業者)」は「法律上の労働者」では【ありません】。 ですから、【法律上の義務】に縛られずに自分が思うように人を使いたい場合に「雇用契約」から「業務委託契約」にする「雇い主(の事業主)」は少なくありません。 とは言っても、仕事のやり方がまったく変わっていないのに【形だけ契約を変えるのは違法】で発覚すると「雇い主(の事業主)」にペナルティが課せられます。 (参考) 『★ 請負か、雇用か ★|小野本社労士事務所』 http://www.office375.com/announce_2760.html --- では、契約が変わると具体的に法律上の何が変わるのかと言うと、【雇用契約】の場合は、【雇い主が】【雇っている労働者を】「労災保険」「雇用保険」「厚生年金保険」「健康保険」などの社会保険に加入させて【雇い主も】保険料を納めなければならなくなります。(加入の条件に該当しない場合は除きます。) また、賃金を支払う都度(賃金に応じた)「源泉所得税」を賃金から徴収して国に納めなければなりません。そして、年末には「すでに国に納めた源泉所得税の過不足精算(年末調整)」もしなければなりません。 さらに、市町村の役所に「給与支払報告書」を提出して、その後市町村から送られてきた通知に従って「個人住民税の特別徴収」もしなければなりません、 それ以外にも「最低賃金」や「労働条件」なども法律で決められたルールを守らなければなりませんし、理由もなくクビにすることもできません。 --- 一方、「(請負契約などの)業務委託契約」の場合は「事業主」と「事業主」が【自由に交渉して】【お互い納得のうえ】仕事を依頼する(請け負う)ことになるので「契約内容」も様々で「雇用契約」のような義務はほぼありません。 つまり、仕事を依頼した相手を「社会保険」に加入させる必要もないですし、「所得税の源泉徴収」や「個人住民税の特別徴収」の義務もありません。(「所得税の源泉徴収」だけは必要になることもあります。) さらに、別の業者に変えたければ好きに変えてもいいですし、変えられた方も契約上何も約束していなければ何も文句は言えません。 --- ちなみに、たとえばsekimaさんが家の修繕を大工さんに頼んだとして、その大工さんに一つ一つやることを具体的に支持して、道具や材料も自分で用意して、時給でお金を払ったとしたら、これは「(短期の)雇用契約」ということになります。 一方、大工さんに全部おまかせして、道具や材料も全部大工さんが用意して、代金も大工さんの請求どおりに支払う場合は「請負契約」ということになります。 --- このように、「個人事業主」は「労働者」に比べて仕事のやり方や報酬の自由度が高い代わりに安定性はなく責任も重い仕事のやり方ということになります。(「タイムカードを押していれば誰でも同じだけ給与がもらえる」「保険や税金も雇い主におまかせ」という具合にはいかないということです。) ***** とりあえず「雇用」と「請負(業務委託)」の契約の違いはこれくらいにして、それぞれの契約で働いて収入を得た場合の違いに移ります。 まず、違うのが税金の計算方法です。 「雇用契約」の場合は、収入が「給与所得」に分類されるので、「所得」は以下のように計算します。 ・収入-【給与所得控除額】=給与所得 --- 一方、「請負(業務委託)」の場合の収入は「事業所得」か「雑所得」になるので、「所得」は以下のように計算します。 ・収入-【実際にかかった必要経費】=事業所得(or雑所得) ※「事業所得」「雑所得」には「実際にかかった必要経費」が何もない場合でも最高「55万円」を「経費」とできる【税法上の特例】があります。(家内労働者【等】の所得計算の特例) 言うまでもありませんが、「所得」が少ないほど税金も少なくなります。 (参考) 『所得税……給与所得|国税庁』 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1400.htm 『所得税……事業所得|国税庁』 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm 『所得税……雑所得|国税庁』 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm 『所得ってなに?収入・給料・手取りとの違いは?わかりやすく説明。|税金・社会保障教育』 https://www.mmea.biz/2766/ ***** 続いて「保険」ですが、前述の通り「個人事業主」は労働者ではないので「労働保険(労災保険と雇用保険)」には加入できません。 また、「厚生年金保険」と「健康保険」も加入できませんから、原則として「国民年金」と「国民健康保険(国保)」に加入することになります。 ただし、「家族が加入している健康保険」の【運営元】の審査に通ると「被扶養者(ひ・ふようしゃ)」として【保険料タダで】その家族と同じ健康保険に加入させてもらうことができます。(加入したら「国保」は脱退する必要があります。) --- また、「日本年金機構」の審査を受けて「国民年金の第3号被保険者(ひ・ほけんしゃ)」に認定されると「国民年金保険料」が【タダ】になります。 なお、「配偶者の健康保険の被扶養者」に認定された場合は日本年金機構の審査を受けなくても「第3号被保険者」に認定してもらえます。 ですから、配偶者の多くの人は「同じタイミング」で両方とも認定されることになります。 (参考) 『第3号被保険者|日本年金機構』 https://www.nenkin.go.jp/yougo/tagyo/dai3hihokensha.html 【公文健康保険組合のルール】『健康保険に加入する人』 http://www.kumon-kenpo.or.jp/structure_insurance/insurance_participation.html ※ページ下段[もっと詳しく]>「自営業者の被扶養者認定」を参照 「被扶養者」の認定基準(審査基準)は健康保険の運営団体ごとに微妙に(場合によっては大きく)異なりますのでご注意ください。