時制の表現とその意味について(文章編)
こんにちは。taked4700 です。
今回の英語文法の説明方法についての投稿も6回目になりました。今回は、「時制の表現とその意味について」の文章編です。この考え方が正しいか、これと同じような考え方が、以前、誰かによって言われていたか、それを知りたいと思います。
現実と言うか外界の描写は、実際の時制がある世界です。ですから、過去形や現在形によって表現されます。未来形は、まだ現実化していないのですから、実際の時制としては、少なくとも、英語では存在しないわけです。
内心というか、意識の表現は、現実の世界のことではないので、時制を持ちません。これが、第五文型の文章で、目的語+補語の部分が意味的には主語+述語の関係にあるとされるのに時制表現が無い、つまり、現在形や過去形が補語部分に来ない理由でもあります。
しかし、意識の中でも時の経過というか変化という感覚はあるわけです。意識がいろいろと動いているとか、意識が集中しないと言う経験はどなたもあると思います。
英語においては、意識の流れと言うか、意識の変化がそのまま時の流れになってしまう傾向がかなり強いと思います。時の流れと言うのは現実世界でよく観察さることなので、そういう現実世界での経験から意識の流れが時の流れに沿うようなものになったと言うべきかも知れません。
英語では、意識の流れは語順として言語化していきます。He asked her to inform me of the news. のような第五文型の文章の語順は、正に、意識の流れが時の流れと一緒になっている例です。(彼が彼女に頼む)→(彼女が私にニュースを知らせる)と言う時の流れになるわけですから。そして、時の流れ(意識の動き)をはっきり示すものに動詞があります。それが、名詞+動詞+名詞+動詞+名詞 のように名詞に後置することによって、意識の対象である名詞の動きを表現するわけです。
こうしたことは、第五文型以外にも観察が出来ます。第四文型では、二つの目的語が隣り合いますが、これはあまり意識の流れが無い、時の経過が無いという意味でもあるわけです。自分は、S+V+O1+O2の時、O1 get O2 の関係がある、つまり、O1がO2を得ると言う関係があると説明してきましたが、これは、getの結果、O1とO2が一体化するという意味でもあります。 He taught me English. のような文章を例にとれば、me English の並びになることによって、meとEnglishの一体化が意識され、He taught English. は、He taught English to me. よりも「私が英語を身につけた」と言う感覚が強く意識されます。
be動詞というのは、その後に普通は補語を従えます。そして、そういう文のほとんどは、時の経過、つまり意識の動きを伴いません。The boy is dancing. と言う時、「少年」だけを見て「踊っている」と言うことが出来ます。これは、the dancing boy というように前置されますが、まさに意識が「少年」から動かずに「踊っている少年」と言えるからです。The book is on the desk. は文章であり、「本」から「机」への意識の動きを表現しています。the book on the deskは、意識の上では、一体化した「机の上の本」となるわけです。on the desk が後置されるのは、「本」だけを見ていても「机」は見えないからです。つまり、the dancing boy よりも、the book on the desk は、遠くから対象を見たというか、焦点がより広く取られている感覚があります。
英語でよく問題になるのは、動詞の後に前置詞が来るかどうかという点ですが、これも、視覚の一体性、時の経過があるかどうかと言う感覚で判断できます。 He is busy. He got angry. のような文章は、主語と補語が一体化しています。時の経過が感じられないのです。The ship made for the shore. のような動詞+前置詞+名詞の文章は、動詞と名詞の間に一種の意識の動きが感じられるものになります。もともと、前置詞は位置関係を表す言葉から発達したと言われていて、位置関係はどうしてもその対象だけを見ていても分からないので、視点が動くと言う感覚になるからです。
分詞構文も、同様なことが言えて、Born in America , he speaks English very well.のような文章は、Born in America の部分は、主語+(have+)be動詞の省略であり、Since he was born in America よりも意識の変化をより少なくした表現と言うことになります。
動詞の自動詞他動詞の区別と言うよりも、こうした対象との一体化を説明したほうが、いろいろな意味で理解がたやすいはずです。特に、群動詞とか言われるものについては、意識の変化と言う点に焦点を当てることによって、きれいに説明がされるはずです。
お礼
ありがとうございます