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平均値の定理が複素関数で成り立たない訳は?
複素関数一般では成り立たないことを御証明ください。
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反例を一つ上げれば十分である。 f(z)=z^3 とする。 仮に平均値の定理が成立すると仮定すると、 {f(1+2i)-f(1+i)}/{(1+2i)-(1-i)}=f'(1+ti).......................................(1) を満たす、1<t<2 が存在する。 (1)の左辺を計算すると 左辺=-4+9i................................................................................(2) となる。 一方右辺を計算すると f'(1+ti)=3(1+ti)^2=-3t^2+3+6ti...............................................(3) (2)、(3)を比べることにより、tは以下の二つの方程式(4)、(5)を同時に満たす。 -3t^2+3=-4....................................(4) 6t=9................................................(5) ところが、(4)、(5)を同時に満たすtは存在しない。 これは、f(z)=z^3が、平均値の定理を満たすという仮定に反する。 よって背理法により、f(z)は、平均値の定理を満たさない。 すなわち、平均値の定理を満たさない微分可能な関数が存在することが示された。 これは複素関数一般では平均値の定理が成り立たないことを示している。 q.e.d.
お礼
懇切ご丁寧に誠に有難う御座いました。