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運動量保存則に関する問題-センセーショナルなタイトル
- 高校と大学の力学を復習中の質問者が、運動量保存則に関する問題について疑問を持っています。
- 質問者は、問題文に与えられている条件では、物体が台車の左端から右端まで動いた時間を求めることができないかと考えています。
- さらに、質問者は台車が剛体ではないのか、問題文に明示されていない摩擦がある場合についても考えるべきかを疑問視しています。
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以下は、個人的に「こう思うな」という話なので、問題の回答例とは違うかも知れません(^^;)。 まず運動量保存則は、質点だけでなく質点群の中に剛体が混じっていても、そのまま使えます。剛体に関しては、その重心に剛体の全質量が集中したとみなし、その質量に重心速度をかけたものが剛体の運動量になります。というのは剛体ゆえに、剛体の速度は剛体のどの部分で測っても同じだからです。よって、#1さんのやった計算が可能になります。重要なのは、物体と台車の間に大きさが等しく逆向きの力(Fと-F)が働く事、すなわち作用反作用の法則が運動量保存則の本質です。これによって個々の運動方程式を加えれば、内力Fを消去できます。 問題の条件に物体mの初速は0という条件がありますが、問題は「台車の床に対する移動距離を求めよ」なので、この初速は床に対するものと考え、物体と台車の速度v,Vおよび位置x,Xは、以後添付図の図-1に示した地上(床)座標系で考えます。特に台車が剛体である事からx=0とX=0の原点は、台車に物体を載せた位置とできます。 普通に考えれば添付図の図-2に示したように、物体に「外力f」が働いて物体が動いたと思いたくなりますが、それでは「物体+台車」の系に運動量保存則は成り立ちません。それで「外力f=0」でも物体が動く状況を考えると、t=0の瞬間に台車が突如として速度V0を持った状態かな?と思いました(図-3)。ただこれはちょっと不自然なので、速度V0で走って来た台車に対してt=0の瞬間に物体を載せた状況で考えれば良かろうと(図-4)。そうすると摩擦がなければ、図-4に示したFはあるわけないので、物体は動かない事になります。この場合、物体が台車の反対側に達するのは台車が左へ2L動いた時ですけれど、たぶんこれでは問題として簡単すぎる気がしました(^^;)。 次に摩擦があるとします。運動量保存則より、 mv+MV=-MV0 (1) なので、移動距離x,Xに直せば、 mx+MX=-MV0×t (2) です。(2)で積分定数が0なのは、t=0で図-1のようにx=X=0としたからです。さらに物体が台車上で2L移動する条件は、 x-X=2L (3) になるので、(3)を(2)に代入すれば、 X=-(MV0×t+2mL)/(m+M) (4) が得られますが、(3)が成立する時間tを求める必要があります。しかしこの時間は、図-4でどのような摩擦力Fが働くかに依存し、しかも物体が台車の反対側に来るまで、常にV<vでなければならないという補助条件まで必要になります。まさつ力である限り、V=vとなったら物体と台車は一体となって運動するからです。状況が複雑すぎるので、こういう想定ではないのだろうと判断します。 とすれば残るケースは図-5のように、初速度は物体も台車も0で、物体が自走するケースです(お掃除ロボット ルンバのように(^^))。ルンバのように物体の下面に小さな車輪が生えてて、車輪の回転で台車を蹴りその反動で物体は進むと想定します。しかし動作機構がどうあろうと、物体と台車の間には図-4と同じように逆向きの内力Fが働き、運動量保存則(2)が成り立ちますが、今回はV0もV0=0なので(4)でV0=0とおき、 X=-2mL/(m+M) (5) が答えという事になります。この場合も物体が台車の反対側に達する時間などは不明です。回答は一致しますか?(^^;)。 ・・・一致するとしてですが、もしルンバの車輪と台車の間に摩擦がなければ、物体も台車も動きません。さらに初速度は物体も台車も0で、物体が自走するケースは次のように一般化が可能です。物体と台車の間に働く内力は、摩擦に限らず重力のように伝達機構が不明な力でもかまいません。とにかく作用反作用の法則が成り立ち、「足せば0」であれば何でも良いわけです。それが運動量保存則の本質です。 というわけで、図-5のような想定かな?と、思いました。
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- 上野 尚人(@uenotakato)
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>(1)いわゆる質点系の問題だと思うが、台車は長さが与えられているので剛体ではないのか。 この問題文だけでは、そもそも台車の質量中心(重心)の位置が与えられていないので解答不可能になってしまいますね。 出題意図としては、中央の位置に台車の全質量Mが集中しているものとして考えよ、ということでしょうが…。 >(2)物体と台車の間に摩擦があることを明示していない。であれあば物体と台車の間に摩擦がないときも考慮すべきか。たとえば、実際には考えにくいけど、物体と台車の間に摩擦がないとき、外力なしで物体はストップしたり、逆向きに動いたりしながら台車の左端から右端まで動くような運動も考慮すべきか。 物体と台車の間に力がはたらかないと話が始まりませんね。 物体と台車の間にはたらく摩擦力の大きさをFとし、右向きを正として各物体の運動方程式をたてると ma = F MA = -F この2式を左辺どうし、右辺どうし加えて ma + MA = 0 時間 t について積分して mv + MV = (一定) :運動量保存 初速度0という初期条件を加味して mv + MV = 0 時間 t について積分して mx + MX = (一定) よって (mx + MX) / (m + M) = (一定) :この系の重心の位置が一定 2つの物体が互いに力を及ぼし合う状況でないと運動量保存以降の議論が違ってきますので、この点についてもこの問題文から察するしかないのでしょう。 >ということです。もし、そうだとしたら、物体が台車の左端から右端まで動いた時間は求めることは、この問題文の条件ではできないですよね? 移動に要した時間は求まりません。質問文にあった『逆向きに動いたりしながら』といった可能性もじゅうぶん考えられますね。
お礼
丁寧な回答まことにありがとうございました。おかげでスッキリしました。
お礼
丁寧かつおもしろい回答まことにありがとうございました。深く感謝いたします。