干支は中国から日本に伝来したもので、今も中国にはしっかり文化として根付いて残っています。
日本で「何年(なにどし)ですか?」と聞いたりするのと同様に、「属什麼?」(何に属しているのですか?)といって干支を尋ねたります。
当然「猪年」もあります。ただ、猪という漢字は「家畜化されたイノシシ」すなわち日本語で言う「ブタ」を意味するので、 中国語の「猪年」を日本語にあえて訳すと「ブタ年」となってしまうわけです。日本で言うイノシシは、「家畜化されていない野生の猪」なので、中国では「野猪」と呼んでいます。
だから、干支の猪年を「いのしし年」だと思い込んでいるのは日本だけで、本来は猪年とは「ぶた年」であるということです。
日本では、ブタというと白く丸々としたランドレースやヨークシャーなどの食肉品種のイメージが強いので、ブタとイノシシには動物として種類の隔たりを感じますが、中国の生鮮市場で生きたまま売られているブタはもう少しスマートで毛の少ないイノシシのイメージです。だから、中国ではブタとイノシシには日本ほど動物としての大きな差異を感じていないと思います。
ちなみに、中国語で豚という漢字は、授乳期の幼いブタを意味したり、豚肩、豚蹄などと豚肉の部位を表したり、「ブタの(何々)」と言いたいときに用いられています。精確さにこだわらず乱暴にまとめれば、英語のPigが猪で、Porkが豚でしょうか。
お礼
みんなありがとう 博学ですよね いつも感心します