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マクロ経済学に関して質問です

なぜ貨幣賃金の切り下げでAS曲線は右にシフトするのでしょうか。AS曲線は生産性が上がった場合に右に移動するということで賃金が下がると労働者は働く気がなくなり生産性は下がると解釈したのですが間違っているのでしょうか、よろしくお願いします。

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回答No.1

>AS曲線は生産性が上がった場合に右に移動するということで賃金が下がると労働者は働く気がなくなり生産性は下がると解釈したのですが間違っているのでしょうか あなたの解釈では、賃金が切り下げられると、右ではなく、左にシフトするはずだ、というのですね。正しくありません。AS曲線とは、物価水準(Pとしましょう)を縦軸に、財の総供給量(Yと書きましよう)を横軸にとって、PとYの関係を表したもので、右上がりの曲線として描くことができます。AS曲線は、Pがある値にあるとき、その価格に対して生産者が喜んで供給する総供給量を示したもの。AS曲線の背後にある考え方は、賃金Wは硬直的である(短期的に固定している)ということです。企業は利潤を最大化するため、実質賃金W/Pと労働の限界生産性が等しいところまで、労働を雇用しようとする。労働の限界生産性は労働の雇用が増えるほど低くなる(短期では資本は一定に固定されているので、労働の限界生産性は雇用の増大とともに下がる、いわゆる収穫逓減の法則が働く)。いま、Wが切り下がるなら、Pが同じ値であっても、W/Pは下がるので、各企業は低くなったW/P=労働の限界性が成り立つところまで労働の雇用を拡大する。労働雇用の増大はYを増大させるので、同じPのもとでも、いまやより大きなYが供給されることになる、つまり、AS曲線は右にシフトするのだ。 AS曲線の右へのシフトは、ミクロ経済学の供給曲線のシフトの問題と原理は同じです。ミクロをきちんと学んでいるなら、供給曲線は、財を生産する限界費用が下がるとき、右にシフトすることを学んだはず。各企業が直面する限界費用は、限界生産性が上がるか、生産要素価格(賃金を含む)が下がるとき、低下し、したがって供給曲線は右にシフトすることを思い出してください。 背後にある数学は難しくないので、数式で示しておきましょう。 集計的生産関数をY=F(K,L)と書くと、短期ではK=一定だから、Kをパラメータとして Y = F(K,L)=f(L) f'(L)>0, f''(L)<0 となる。f'(L)はLの増大とともにYが増えること、f''(L)<0は労働限界性逓減(収穫逓減の法則)を示している。 生産者の利潤最大化条件は W/P = f'(L) よって P=W/f'(L) = W/f'(g(Y)) となる。これが、AS曲線で、PはYの増加関数(Pを縦軸、Yを横軸にとると、右上がりの曲線)となることがわかる。ここで、 L=g(Y)はY=f(L)の逆関数で、L=f^(-1)(Y) = g(Y)で、LはYの増加関数である。Yが増えると、g(Y)は上昇し、f'(g(Y))は低下するので、W/f'(g(Y))は上昇する、つまり、PはYの右上がりの曲線となることがわかる。Wは右辺の分子にあるので、Wが切り下げられると、AS曲線は下方へ(右に)シフトするのだ。

mixiru
質問者

お礼

働く人が増えるので生産が伸びるということですね!ありがとうございます!

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