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需要の価格弾力性についてです。

あるテキストで需要の価格弾力性についての問題があったのですが、どうしても理解できないので質問させていただきます。 問.リンゴの価格が200円の時15個需要したいと考えている消費者にとって、リンゴの価格が1個300円に上昇した時、需要量は以下のそれぞれのケースでどのようになるか (1)価格弾力性が1の時 (2)価格弾力性がゼロの時 (3)価格弾力性が2の時 答えはそれぞれ10個、15個、5個となっていました。 (2)のケースはわかるのですが、あとの二つのケースは「需要の変化率を価格の変化率で割る」求め方では出ず、ネットで調べていたら見つかった「変化率を求めるときの分母の価格pと需要量qは、基準点あるいは変化点どちらかの小さいほうの値をとる」という方法でやったところ求まったのですが、他のサイトではいずれも基準時の数量で変化率を求めているので、どちらが正しいのかわかりません。 さらに、今回用いた求め方ではない、多くのテキストに載っている求め方だと、例えば需要の価格弾力性が1の時、価格が2倍になると需要量がゼロになってしまうと思うのですが、そこは一体どうなっているのでしょうか。需要関数が線形か非線形で変わってくるのか(あるいはそれ以外のどのような条件で変わってくるのか)等含めてご教授ください。

みんなの回答

回答No.2

回答1で、あなたの質問に十分答えたえたと思うけれど、要約すると以下のようになります。 ・需要の価格弾力性(以下弾力性、e)は価格の微小量の変化に対して定義されている。したがって、一般的にいって、大きな価格変化に対してこの定義式を用いると、誤差が大きくなる。 ・価格変化が大きくても、需要曲線が線形(1次式)なら、価格変化にともうなう需要量変化を、eを用いて正確に計算できる。 ・需要関数が非線形のとき、どうして大きな変化にたいしてうまくいかないか簡単に説明すると以下のようになる。 例として、右下がり、かつ原点にたいして凸の(非線形の)需要曲線を、価格を縦軸に、数量(需要量)を横軸にとって描いてください。需要曲線上の、任意の点、たとえば(Q、P)=(15,200)―点B呼ぼう―において、需要曲線にB点で接する接線(直線)を引く。eの定義式を用いて、P=300のときの、Qの値を計算するということは、この接線を用いてQの値を計算することだ。B点においてe=1なら、接線の式は     P=400 - (40/3)Q となる(確かめてください)。P=300のときのQをeの公式を用いて計算するということはこの接線の式を用いてQの値を計算することにほかならない。(こうして計算するとQ=7.5になることを確かめよ。)この非線形の需要曲線とそれを近似した接線の直線を眺めれば、(Q,P) =(15,200)の近傍では、接線の式が元の需要曲線をよく近似しているけれど、そこから離れるにしたがい、誤差が大きくなることがわかるでしょう。 たとえば、P=201のときと、P=300のときを比べてください。 ・それから需要曲線が直線(線形)なら、なぜ正確にQの値をeを用いて計算できるかも理解できるでしょう!元の需要曲線が直線なら、直線上の任意の点における接線は元の直線にほかならないからだ! >さらに、今回用いた求め方ではない、多くのテキストに載っている求め方だと、例えば需要の価格弾力性が1の時、価格が2倍になると需要量がゼロになってしまうと思うのですが、そこは一体どうなっているのでしょうか。需要関数が線形か非線形で変わってくるのか(あるいはそれ以外のどのような条件で変わってくるのか)等含めてご教授ください。 このあなたの質問は上の説明から自明でしょう。

回答No.1

需要曲線Q=D(P)で与えられたとき、この曲線上の点(P,Q)における需要の価格弾力性eとは、   e = -(ΔQ/Q)/(ΔP/P) = -( ΔQ/ΔP)(P/Q) で定義される。ここで、ΔPは価格の微小量の変化、ΔQは価格がPからP+ΔPへ微小量変化したときの、需要量の変化だ。したがって、より正確には  e = -(dQ/Q)/(dP/P) = -(dQ/dP)(P/Q) で与えられる。dQ/dP = D'(P)は需要曲線のPにおける微分係数(グラフでいうと、価格Pを横軸に、需要量Qを縦軸にとって需要曲線を表したときは需要曲線上の(P、Q)点における需要曲線の傾きの値を表している)。したがって、需要の価格弾力性の値がeであるとは、価格が現在の価格Pからほんのちょっと((ΔP/P)の割合)だけ下落したとき、需要量は現在の需要量Qに対して-e(ΔP/P)の割合だけ増加することを表している。  ・したがって、弾力性eが与えられたとき、価格の変化(率)ΔP/Pから需要量の変化(率)ΔQ/Qが正しく近似できるためには、価格の変化ΔPは微小量でなければならないことに注意。したがって、一般に、価格の変化が200から300へのような大きい場合(50%の上昇!)には、それから計算された需要量の変化ΔQ=-1×0.5×15 = -7.5 (e=1のとき)、ΔQ=-2×0.5×15= -15(e=2のとき)は正確な近似とはいえない!   ・ただし、価格変化が(200から300へのように)大きい場合でも、弾力性eがわかっていれば、需要量の変化を正しく計算出来る場合がある。需要曲線が線形(1次式)の場合だ。このときは、需要曲線の傾きが価格がいくらであっても一定なので、価格変化が微小量でなくてもかまわない。いま、需要関数が線形、つまり、Q = a - bPと書けるとしよう。すると、 ΔQ/ΔP = - bだから、上のeの定義式に代入して価格がPのときの弾力性は e = bP/(a-bP) となり、ΔPが大きくても、小さくても構わない(ΔPが右辺にないからだ!)。 ・したがって、あなたの質問の場合も、背後にある需要曲線が線形なら、価格が200から300へ上昇したとき、(P,Q)=(200,15)における弾力性e=1なら、需要量Qは15から15-7.5 = 7.5へ減少し、e=2なら、Qは15から15-15 = 0へ減 少する、とするのが正しい。 ・しかし、需要曲線が非線形なら、価格変化が大きいほど、Pの変化率(ΔP/P)とeの値から需要量求めようとすると、真の値からの誤差が大きくなる。たとえば、需要曲線がQ = AP^(-1) = A/Pで与えられるとしよう(Aはパラメータ=定数)。この需要曲線のもとでは、需要の価格弾力性は    e = -(dQ/dP)(P/Q) = 1 となる(確かめよ!)。この需要曲線のもとでは、この需要曲線上のどの点でも1で一定であることに注意。なお、P=200のときQ=15なら、A=3000となる(なぜ?) よって、この需要曲線Q=3000/Pを用いて質問の、P=300のときQはいくらになるか、計算してみよう。すると、    Q=3000/300=10 (つまり、ΔQ=10-15=-5。)これが正しい答えで、弾力性の定義式を使って求めたQは7.5だったが、真の値10より過小に推定されているのだ。では、需要曲線がQ=AP^(-2)=A/P^2のときはどうか?実はこの需要曲線は弾力性e=2で一定の需要曲線と呼ばれる。上と同様、P=200、Q=15を代入してパラメータAの値を確定すると、A=15×200^2 =600,000となる。よって、Q=600,000/P^2。これを用いると、P=300のときのQの値は Q=600,000÷90,000=20/3=6.66 というのが正しい答えだ。弾力性の定義式を使った式で得た答えQ=0が以下に過小評価されていることがわかる。 あなたが、示した修正版eの公式はこれ(↓) http://www.econ.nagoya-cu.ac.jp/~yhamagu/chapter5.pdf ですね。この式を使ったほうが、需要曲線が非線形で、かつ価格変化が微小量でないときは、より真実に近い答えが得られることは確かですが、その場合でも上で見たように完全ではありません!

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