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記憶について(1)「矛盾?」

ここでスクワイアとカンデルの「記憶の仕組み」を教えて頂いて読んでおります、講談社のブルーバックスですが、私にはかなりの難物でまだやっと二冊構成の一冊と少々を読み終えた処です。 幼い頃の事故の後遺症で極度に重篤なテンカン患者となったH.Mは海馬を切除する手術で海馬のほとんどを失ったが手術は成功しテンカンは消失した。だが「新しい記憶」を蓄積する能力を完全に失った「様に見えた」相手がだれか直ぐ忘れる、数分前に見たことを覚えて居ない。脳の研究者はこれを言語表現と結び付け陳述記憶と名付けた。一方H.M.の記憶能力は完全に失われたのでは無かった、テニスを教えてみた、当たり前だが最初は普通の初心者だ、だがどんどん上手くなり、健常者と変わらなくなった、だがH.M.はテニスを聞いたことも無ければプレーした事も覚えていなかった。こちらの「世界」の記憶を研究者は非陳述記憶と名付けた。両者は全く別世界に見える。遺伝子工学が進歩してノックアウトマウスを「設計」可能になった。そこで海馬が極端に少ないマウスを得る事が出来た。この子達とふつうの子でテストを行った、四角な箱の四面にマウスでも覚えられる図形を描き、足が着かない深さの水を張った、その中に一つだけ「浅瀬」を作って、両者の差を見た、海馬の有無にかかわらず、マウスは浅瀬を見付けて「ああやれやれ」と落ち着いた。意地悪して浅瀬をはずして仕舞った、健常マウスは壁に描かれた模様を覚えているので以前浅瀬のあった場所ばかりにこだわる、ところが海馬の無いマウスの行動は完全にランダムになってしまった。これはオカシイ非陳述記憶が残っているはずだ、だがノックアウト君達は何も憶えていない。H.M.の行動と矛盾する。これは人間とマウススの差なのか、別の要因か? ご存知なら教えて下さい。当初の本の二巻目も斜め読みしたが見いだせなかった。

みんなの回答

  • 22362441
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回答No.3

私は脳科学者ではありませんから、もし気に入らない場合は、ききながしてください。それはさて置き、脳のなかでも言語に関する部分は特別部分と思います。まず最初に人間は誕生してすぐに言葉をしゃべるわけではありません。もっとも、その時既に脳の中に言語野があるかはしりませんが。誕生後数年の間に周りでしゃべっているの聞いて、母国語を習得するのです。その後、例えば20歳前後になって第二言語を習得するのは相当困難と思います。また、私は、マウスが人間の数倍の記憶力があるかわ知りませんが。それはさて置き、たとえば、もし日本語しか知らない場合、日本語でしゃべった文章は5分後に自分で言う事ができるかもしれませんが、同じ程度の長さの英文を聞いても多分そばから忘れているために、5分後に同じ事を聞いても同じかどうかもわからないと思います。また同じ犬の鳴き声をきいても、英語しかしゃべれないひとにはワンワンとは聞こえないのではないかと思います。結論として、推定できることは、パソコンに例えると、おかしいかもしれませんが、優秀なパソコンでもosがウィンドウズ98では十分能力を発揮できないように、多分マウスが優秀であっても、言語に関しては人間と同じような体験をしているわけではないので、言語を経由する記憶は存在しないと思います。以上の事から、結論を出すのは少し早いかもしれません。もっと多くの事例を参考にすれば、事によったら反対の結論が出るかもしれません。

doc_somday
質問者

お礼

有り難うございます。かなり「キツイ」突っ込みで、一晩は考えると思います。 聴覚のみの記憶が、陳述記憶になるにはかなりの「データベース」が無くてはならない。 確かに視覚とは大きく違います。聴覚の「陳述性」の特異性でもあるのでしょう。 だがそれは言語の種類にも依存するでしょう、表音言語と表意言語でも異なる。 私は高校の時「複数の言語があるのは不条理だ」と言って英語を拒否しました。 まあ、頭がかってに憶えてしまうのは阻止出来ませんでしたが。(笑)

  • 22362441
  • ベストアンサー率0% (0/1)
回答No.2

私は脳学者ではありませんが、自分の脳については、興味があるので、多分納得する説明が出来るとおもいます。まず最初に、言語表現をするのには、脳の中に言語野が必要なことです。これは人類がいつごろ獲得かは、詳しくしりませんが、確か人類になる前の、今から600万年以上まえの猿に無かったとおもいます。これは、単なる知識で現実に600万年まえの猿を見たわけではありません。また現代のマウスが600万年にどうだっかは知りませんが、人類特有の言語野を持っていません。従ってマウスの記憶に陳述記憶と言う分類は無理だと思います。

doc_somday
質問者

お礼

お返事有り難うございます。これから側頭葉言語野に入るところなので、非常に有り難く存じます。 ただ、今までカンデル他の「素人向けのムツカシイ」本によると、外部刺激による「知識」は「海馬」 周辺に「短期記憶」として貯蔵(笑)された後、側頭葉に「中期記憶」として移動し、最終的には 「前頭前野」あるいは、最近の研究傾向では大脳皮質に「デタラメ」に配置される、様に思われます。 これは「ヒト」だけではなく「マウス」でも同じと思われます。 もちろんご指摘のように、「高次の」言語、あるいは「抽象的概念」の「構成、論理」には「巨大な 側頭葉」は不可欠だと云うご意見はその通りだと思います。 だが「最初の記憶、知覚」の二時的な受容、部分としての側頭葉はマウスでも既に「巨大な」容量を 持って居ると考えざるをえません。 有り難うございました。

noname#212313
noname#212313
回答No.1

 当該のブルーバックスは未読です、すみません。  ただ、実験の説明で仰っているのはマウスのほうは「モリスの水迷路」などの名前で知られており、複数の研究者が実験を行っており、同じ傾向の結果を得ていると聞いています。  それは、海馬を破壊、もしくは発達を阻害したマウスでは学習自体に支障が生じる。つまり、模様があっても浅瀬の位置を覚えない。しかし、学習済みであれば海馬の機能を阻害しても(NMDA型グルタミン酸受容体の阻害)、浅瀬の位置を覚えている、しかし海馬破壊の場合は忘れる、というものです。その実験にH.M氏のエピソードが引き合いに出されることもあります(どうやら有名な事例らしい)。  海馬を持たない、ないしは機能阻害したマウスが浅瀬の位置を学習するのであれば、「モリスの水迷路」に何らかの別の工夫が施されているのではないかと思います。

doc_somday
質問者

お礼

おっしゃる通り「モリスの水迷路」と呼ばれているものです。 ブルーバックスを読み直してみたいと思いますが、初読では非陳述記憶も海馬の欠陥で 阻害されるとは受け取れませんでした。海馬が無ければ非陳述記憶も阻害されるので あればかなりガッカリです、「完全な無意識」が存在すると期待したのですが、 海馬を「通る」必要があると、それは期待出来ない、かなり落ち込みました。 完全に勉強不足です。 有り難うございました。

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