あたまでっかちのことを考えないように。
尤度を掛け算すれば大丈夫というのは何か画期的に見えますけど、そもそものP(A)は偉そうにいっても単なる定数です。
あなた、起業する前の確率(事前確率)と起業した後も生き残れる確率、と勝手に決めつけてますね。
そもそも起業する前の確率ってなんですか。
生き残れる確率ってなんですか。
人間の人生で考えてみてください。
ある人間がいま生きている確率があって、たとえば手術したあとに生き残る確率があるとして、なにか成り立つ理論を言っていると思いますか。
ペイズの理論って、たったひとりの人間に適用するようなことでしょうか。単なる推論ですよね。
今生きていなければ、手術後に生きている確率なんかないですね。これは誰でもわかることです。
生き残る確率、って単なる定数であるP(A)をかけるだけだというのがペイズの定理ですけど、そんなものいくつかわかりませんね。
たくさんそういう人のデータを集めたら、何かが出てくるかもしれませんね。
ペイズ統計学の最大の特色はなんでしょうか。
人によって異なる確率を用いて定式化することを許容する、ということですね。
subjective probability
です。主観確率というんでしたっけ。P(A)なんて主観で決めるならどうにでもなりますね。
これだと、何かが起きる、ということを判断するのに価値をフィルタにする危険性があるということです。
決めつけがいちばん問題だというのは、統計学を学んでいるあなたならよくお分かりのはずです。
起業というのは何かをするために事業を起こすことです。
多数起業した人間のデータがあったとして、その数を取り込んでから解析し、ペイズ分析に適用するというのはわかります。
何をか、は別として、まあ成功した確率というのも何か用件を決めて計算しようとすればできるでしょう。
どの手法が危険だったか、もまあわかるでしょう。まあ尤度も計算できるかもしれません。
ひとりの人間がこれから開業しようとする話にこの理論で何かを考えられるとおもいますか。