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モリエールの戯曲

モリエールの戯曲の最高傑作は何だとお考へですか。 私の周囲では『人間嫌ひ』(Le Misanthrope)とする人が多いのですが、私には、この魅力がわかりません。『女房学校』『守銭奴』『いやいやながら医者にされ』などに圧倒的なおもしろさを感じます。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

こんにちは。 西洋の戯曲の読者は多くないでしょうね。回答が付かないところを見ると、モリエールをたくさん読んでいる人は少ないと思います。 以前どこかで書きましたが、モリエール全集全4巻(鈴木力衛訳)を持っています。昔、第1巻を全部読んだ後、そのままになっていました。昨夜、「人間嫌い」を初めて読み、昔読んだ「いやいやながら医者にされ」をざっと読み返してみました。今、「女房学校」を読んでいて、できれば、ほかの作品も、もう少し読んでみます。「タルチュフ」と「町人貴族」に興味があります。 ここまでの感想を申し上げますと、「いやいやながら医者にされ」は、まだ初期の作品で、イタリアのコメディア・デラルテの様式で書かれた、ごくシンプルな作品だと思います。作品としては、やはり代表作といわれる「人間嫌い」の方が、内容が濃いと思いました。 戯曲は、音楽と同様、芝居として上演されて初めて完成されます。「いやいやながら医者にされ」は、セリフそのものが滑稽なので、本で読んでいるだけでも面白いかもしれません。ただ、面白く書こうという意図が最初からわかります。ドタバタと言っては言い過ぎかもしれませんが、やはり、もう少し後に書かれたものの方が、内容があると思います。 私は、高校時代の音楽の先生が、たまたま演劇にかかわっていた関係で、早くから芝居に興味を持ちました。最初は、日本の現代語の演劇、それから能や歌舞伎をずいぶん見て、留学中は向こうでずいぶん芝居に通いました。日本では、外国の演劇を見る機会がありませんので、非常に貴重でした。 戯曲を読むときは、やはり、演劇的な想像力で補いながら読むことが大事だと思います。Plapotaさんが、「いやいやながら医者にされ」を面白いとお感じになるのは、もしかすると、日本の喜劇を見るときの感覚で読まれるからではないかなと思いますが、日本とヨーロッパでは、やはり喜劇の感覚がだいぶ違います。「人間嫌い」は、セリフそのものにはあまり滑稽さはありませんが、辛辣な人間風刺と、登場人物の性格の書き分けによって、深刻な状況であるにも関わらず、はたからみると滑稽に映るという仕組みになっています。モリエールが、特に時間をかけて書いた作品なので、セリフも充実しています。最初のニ、三ページはどうということはなかったのですが、詩を批判するあたりから面白くなり、セリメーヌの毒舌から俄然面白くなってきました。その時点で、実はアルセストと結構似ているのかと思いきや、最後にそうではないことがわかり、主役でない二人が結ばれるというのも意外な展開でした。「いやいやながら医者にされ」との比較でしたら、私は「人間嫌い」の方をとります。ただ、「女房学校」はまた少し違うようですし、ヨーロッパでよく上演される「タルチュフ」は読んでおきたいと思います。「町人貴族」は、登場人物がほかの作品と違い、音楽作品にもなっていますので、そろそろ読んでおかなければならないと思っています。 やはり、実際の芝居を少し御覧になると、見方が変わると思います。昨晩、Youtubeをのぞいてみましたが、「人間嫌い」は、代表作というだけあって、四種類の舞台が出ていました。古典的な演出は、ちょっと退屈でしたが、現代のものは面白いと思います。ちょっと比較して御覧になってください。 これから、ほかの作品を読んで、またのちほど回答します。カーリダーサについても、昨晩調べましたが、たぶんほとんど上演されていないと思います。そちらのページにも、もし詳しい方の回答が付かないようなら、あとで伺います。 人間嫌い https://www.youtube.com/watch?v=12twXcL58YA https://www.youtube.com/watch?v=ImlUzaTaM7Q https://www.youtube.com/playlist?list=PLsMHpVmmXRgq4-vcwF2HM2W8qYDqX5PQA https://www.youtube.com/watch?v=Xt7zvuiru8E いやいやながら医者にされ https://www.youtube.com/watch?v=7G_iILjcTVY https://www.youtube.com/watch?v=jstGolfc0qw 町人貴族(2番目のものは、リュリ作曲によるものです) http://www.youtube.com/watch?v=FvnlWoNlkU4 http://www.youtube.com/watch?v=E802sNR1lvo&list=PLi8k80tUJL841GsO2kkmKfQuGixuoOSUW&index=27 ~~~~~~~~~~~~~~~ ねこさんの質問に答えたのが予想外だったと、ぶらげろさんのところでお書きになっていましたが、丸一日たっても回答が付いておらず、質問内容をよく読んで動画を見たら、これは回答がつかないだろうと思いましたので行きました。ちょうどほかに聞きたいこともありましたので。別に「おかしく」はなっておりません。 ~~~~~~~~~~~~~~~ 「畳語」のやり取りも拝見しました。あの質問者の言っていることもわかります。私の回答に投票してくださるのは嬉しいのですが、いつも十票はやはりまずいと思います。外国語カテの回答で、「同意しない」を何件か押されていて、反感を買っている可能性を感じました。また、教えて!gooの方では、質問の一覧と「参考になった」の数がすぐわかるような表示になっており、私が回答した質問ばかり「10」となっていて、目立ってしまいます。「同意する」ボタンの集計はこちらには反映されないのですが、質問の方の「役に立った」は反映されます。

noname#214841
質問者

お礼

いつもお気遣ひありがたうございます。ヨーロッパの演劇につきましては、最初の「規約違反と日本の伝統」の質問でお話をうかがひました。さういへばドイツ語圏では、フランスのラシーヌやモリエール、イギリスのシェイクスピア、インドのカーリダーサ、ギリシャのソポクレスなどに匹敵する劇作家が浮かんできません。ブレヒトなのでせうか。 今回御指摘の内容はすべておつしやるとほりと存じます。といふよりも、学生時代から、いろいろな人に言はれつづけてきました。 『人間嫌ひ』のアルセストは、当時のフランス社会の感覚からすれば「ずれた」人で滑稽に見えるのかもしれませんが、中途半端に思へてなりません。現代日本にアレンジしてあれば納得できるのかもしれませんけれど。周囲の人間は、ずれ方が私と同じだから理解できないのだ、と無茶なことを言ふので、ますます納得できません。感覚の相違は、古典一般にあてはまることなのですが、ギリシャの演劇以上に違和感を覚えます。 >>戯曲を読むときは、やはり、演劇的な想像力で補いながら読むことが大事だと思います。 これはごもつともです。どうしても「本」と相対することになつてゐます。実際に観たことがないのは、ある意味致命的です。Tastenkastenさんのやうに、能や歌舞伎もふくめ、本物の舞台に接するのが正当な態度であるのはまちがひありません。 『女房学校』は女の子を教育して失敗するといふストーリーが好きです。『いやいやながら医者にされ』は、ご指摘のとほりです。 動画のリンクもありがたうございました。前述のとほり、本以外で見たことがありませんので、これからゆつくり拝見します。字幕のないものがほとんどでした。ついてゐるものもフランス語です。オペラ対訳台本のやうに本屋ですぐに入手できるわけではありませんから、調べてみます。さうさう、昨日本屋に行つてニスベット『木を見る西洋人』を買ふつもりだつたのですが、在庫がありませんでした。以前紹介してくださつた『水分の摂りすぎは恐ろしい』は読みました。漢方と関連づけたおもしろい指摘でした。 >>ねこさんの質問に答えたのが予想外だったと 回答してくださる、と期待はしてゐたのですが、あの回答番号8までゆくとは、まつたくの予想外でした。ぶらげろさんも驚いてゐます。 >>「畳語」のやり取りも拝見しました。あの質問者の言っていることもわかります。 あちらにも書きましたが、自分のやつてゐることは「をかしい」と自分で思つてゐます。ただ、ベストアンサーやボタンクリックのシステムにこだわつてほしくない、そんなつもりで書きました。この参加する前から、ベストアンサーや評価件数などがあてにならないことは判つてゐましたし、実際に参加してみて、ますますその印象を強めました。 どこかで、ねこさんが書いてゐましたが、「自分で決めなきゃ」で充分だと思ひます。今も物理学カテゴリで、あへて定説に反する質問をしてゐるのですが、学問教育カテゴリには正解があり、アンケートカテゴリには正解がない、そんな発言をしばしば目にします。同じ質問でも、小学校、高校、大学、最先端研究とでは答が違ふことはたくさんあります。そのあたりの「偏見」も理解してほしいと思つてゐます。また、深い内容の簡易な回答と、浅い内容の難解な回答とでは、後者がベストアンサーとして好まれる傾向もあります。 Tastenkastenさんのやうな、的確な内容を解りやすく、しかも時間をかけていただいたこともわかる回答者ばかりならば、現状のシステムもそれなりに機能しますが、私のやうな利用者もたくさんゐるコミュニティーサイトでそれを要求するのは無理です。サイト管理者も承知しているからこそ、今回の仕様変更がなされたのだと思ひます。せめて、だれが何をしたかが明示されるやうにはしてほしいものです。 >>「同意しない」を何件か押されていて、反感を買っている可能性を感じました これは妬まれてゐるだけではないでせうか。英語カテゴリは私はほとんど無関係なのですが、Him-hymnさんの回答にしばしば「そう思わない」が押されてゐます。 今後は3件程度までにします。回答ありがたうございました。

noname#214841
質問者

補足

>>gooの方では、質問の一覧と「参考になった」の数がすぐわかるような表示になっており、 >>私が回答した質問ばかり「10」となっていて、目立ってしまいます。 確認しました。こんなところにまで、件数があるのですね。 >>外国語カテの回答で、「同意しない」を何件か押されていて、 >>反感を買っている可能性を感じました。 外国語カテゴリで「そう思わない」ボタンをたくさん押してゐるのは、あの人かな、と想像はします。私としては誤解がないやうに、公開するのがいいと思ふのですけれど。それがいやなら押さなければすむことです。通報もしかり。 外国語カテゴリの場合は、「そう思わない」ボタンは本来の目的で押されてゐることが多いやうに感じます。

その他の回答 (7)

回答No.8

plapotaさん、お分かりでしょう。もはや意味不明です。そもそも、「トロイの木馬」の途中で別のスレッドの内容を引っ張ってこられたときに迷惑しています。楽しみを奪われるのなら、このサイトへの参加も考え直さねばなりません。少なくとも哲学カテはこれで幻滅なので、もう行くことはないでしょう。最近、ほかのカテでも頼りにされていますし、そちらに時間を使うことにします。

noname#214841
質問者

お礼

おはやうございます。 私も、書きすぎたかな、と反省することがあります。あまりお気になさらないでください。哲学カテゴリは自由な反面、ゴタゴタも多いので、むづかしいところがあります。回答番号6のほうに記載しましたが、御投稿自体は、お好きな場所になさるほうがよろしいと存じます。他のカテゴリの文章も楽しく拝見してをります。 御回答ありがたうございました。

回答No.7

 ◆ また、十分な知識を持っていないことや、理解が行き届いていないことについて、推測や思い込みで見解を書きたくはありません。  ◆◆ (【Q:トロイの木馬】回答No.1) ぶらげろさんとねこさんは、まだ老荘の議論をしています。私はもう行きませんが、老荘に関しては、ねこさんと同意見です。  ◆◆ (同上;回答No.14)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  「道」が「非知」であるかどうかは微妙なところでしょう。知覚ではとらえられないもので、ゆえに名づけられないものとしています。知覚を超えたところで「道」を知ることはできるという解釈はあるようですが、「サトリ」とは違うような気がします。    それよりも、うっちゃっておけばよい、とおっしゃらず、少しお読みになった方がよいです。このサイトの回答欄では書ききれません。儒教や老荘の前には、シャマニズム的、マニ的信仰があって、その対象は「天帝」という自然神です。儒教と老荘には、政治的ないきさつや、勢力争いもありますし、三国時代以降は、仏教も絡んだ三つ巴の抗争に入ります。中国史まではとても手が回りません。質問が立ってから調べるよりも、先に知ることから始めた方がよいです。コメントが来るたびにまたまた調べるのはなかなかしんどいので。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  ○ 少しお読みになった方がよいです。  ○ 十分な知識を持っていないことや、理解が行き届いていないことについて 老荘に関しては、ねこさんと同意見です。

noname#214841
質問者

お礼

こんばんは。 >>少しお読みになった方がよいです。 はい、わかりました。『荘子』は長いので全部は読んでゐません。『老子』は若いころに読んでそれきりです。孔孟よりも好感を抱きます。

回答No.6

こんばんは。 今日は、もう二、三篇読むつもりでいましたが、理由があって途中でやめました。「タルチュフ」の第三幕まで読み、あまりピンとこなかったのですが、一応これを最後まで読み、「守銭奴」までは読もうと思っていました。しかし、No.4に書いたことを以て最終回答に変えさせていただくことにします。もう一度まとめると、傑作という定評と、実際に面白いかどうかは、必ずしも一致しないということです。「人間嫌い」が、質的に最高傑作だという評価は、きっとそうなのだと思いますが、面白いと思うものを楽しむのが一番です。「いやいやながら医者にされ」だって、よいではありませんか。オーストリアなどは、かなりナンセンス・ユーモアですよ。喜劇の芸術性は、戯曲の完成度だけでなく、演出家の解釈、役者の間合いの取り方などにも問われるのです。昔は、NHKが時々、海外の劇団の来日公演などを放送していましたが、最近は全くやらなくなりました。幸い、Youtubeというものがあります。字幕がないのが不便ですが、是非、時々検索なさって、雰囲気だけでも感じてください。戯曲がずっと身近になります。「モリエール」という映画もあったと思います。あと、ジェラール・ドパルデュー主演の「シラノ・ド・ベルジュラック」は御存じですか? 戯曲をそのまま映画化したものです。そういうものも、フランス演劇の理解の助けになると思います。 モリエールはこれからも読むつもりです。また、別の機会に感想をお伝えします。カーリダーサの岩波文庫は、現在一冊しかないようですね。 >私は決してさう思ひませんが、ドイツ人は生真面目でユーモアの感覚に欠ける、などと言はれることがあります。 以前お話ししたように、オーストリア人はまじめではありません。しかし、私の師があるとき、「ドイツ人はまじめだというけれど、愉快な連中だよ」と言っていました。私も、仕事で一度ドイツへ行きましたが、陽気なことは陽気です。ただ、昔、「ドイツのジョーク」という本を買ってみたところ、前書きには、「ドイツ人はまじめでジョークなどないと思われているかもしれないが」などと書いてあったのですが、いざ読み始めてみると、下ネタがちょっと多いようで、まだ完全に疑いが晴れていません(笑)。 コメディ・フランセーズのモリエール舞台集 https://www.youtube.com/playlist?list=PL9J-dKhK1tAci4rcnXVy0IAU2JC0_xWab ~~~~~~~~~~~~~ 書くのを遠慮しようかと迷ったのですが、昼間出たNo.5は、私が回答しているこのページに出た以上、私のことを言ったのだと受け取りました。「老子は何が言いたいのか」のNo.4のことだと思います。どう思われてもよいのですが、その後の質問に何度か回答しようかと思いつつ、あのような質問の立て方では回答する気になりませんでした。また、十分な知識を持っていないことや、理解が行き届いていないことについて、推測や思い込みで見解を書きたくはありません。私はそもそも芸術分野の人間で、仕事もあります。哲学的教養を身につける時間も限られています。また、哲学カテの議論に参加すると、仕事に響くほど時間を奪われます。それに、自分のやりたいことや興味の範囲も、あちらの参加者とは違うところにあります。カーリダーサやモリエールならば、自分の仕事との接点もありますし、興味のある分野ですから、時間をかけても惜しくありません。もともと、このサイトへの参加目的に哲学カテは入っていませんでしたし、内容的に興味を惹かれる議論も少ないので、原則、参加はやめることにしました。しかし、関係のない質問ページでこういうことを言われるのなら、plapotaさんのページにもなかなか来られなくなります。少々マナー違反のように思いますが?

noname#214841
質問者

お礼

何度も御回答ありがたうございます。 回答番号5につきまして。ぶらげろさんの言葉は、私のことだと思ひます。そのつもりで「お礼」を書きました。昨日「ファイル人間」のページに、パクリ投稿で充分だ、と回答したものですから。 Tastenkastenさんもお書きになつてゐますやうに、投稿そのものは、お好きな場所だけがよろしいかと存じます。金銭を受け取るわけでもなく、ボランティアをする必要もなく、私は自分がどれだけの回答ができるか、ではなく、投稿したいと感じる質問のみに回答してゐます。このサイトには、ネットにのめりこみ過ぎではないかと思はれる人がかなり見受けられます。仕事や日常生活を大切にすることが、このサイトで無用な争ひごとを少なくし、有意義な意見交換の場にできるのではないかと思ひます。 ねこさんの文章を久しぶりに見て、安心しました。結局あのページは10まで行つたのですね。 つけくはへておきますが、私はサイト内で一般に評判の悪い人たちのほうが、安心して話ができます。もうそれ以上悪くならないので、警戒する必要がありません。人それぞれ相性がありますので、ご無理はなさいませんやうに。 >>No.4に書いたことを以て最終回答に変えさせていただくことにします。 もう充分でございます。多くの資料をご紹介いただき、消化しきれない状態です。いまも、モリエールではなく、カーリダーサのほうの動画を見てゐます。『メーガドゥータ』のサンスクリット語の原文があつたので、参照しながら鑑賞してゐます。 >>「いやいやながら医者にされ」だって、よいではありませんか。 『女房学校』はともかく『いやいやながら医者にされ』は、モリエール自身が、ついでに作つたみたいな発言をしてゐますから、大きな声では言へません。 >>「モリエール」という映画もあったと思います。 探してみます。人間としても興味がありますから。 >>カーリダーサの岩波文庫は、現在一冊しかないようですね。 すぐに在庫切れになるのが、岩波文庫の欠点です。回答番号3でご指摘のとほりです。 >>以前お話ししたように、オーストリア人はまじめではありません。 音楽カテゴリのシューベルトのページで拝見しました。さういへば、あそこでもピアノソナタがいい、と他の人とは違う意見を書いてしまひました。 御回答ありがたうございました。

回答No.5

 議論する能力はないとの発言について それを文字通りに受け止めなければならないと ひとつの節目として捉えました。無能なのだとして あきらめます。

noname#214841
質問者

お礼

こんばんは。最近bragelonneさんも丸くなつてきました。あほなさんや仮面ライダー様とのやり取りを読んで、さう感じます。 議論については、このサイトでは禁止されてゐます。 したがつて善良な利用者たる私は、議論などできません。他の人たちと異なる見解があるときは、ただそれを記すだけです。そして、他者の意見がどれほど誤りに満ちたものであるかを、ひとつひとつ詳細に指摘します。それに比較して、みづからの思考が有用であることを、論拠を示しながら説明します。最後に、バカヤローとかアホンダラなどといふ結語を使用します。 決して議論をしてはなりません。そんなことをしたら、アルパゴンやスガナレルのやうに、笑ひものになるだけです。

回答No.4

こんばんは。お仕事お疲れ様です。 「女房学校」、先ほど読み終わりました。ちょっと長めで、じっくり読んだので、ほかの作品まで読み進めませんでした。 御質問の趣旨は、どれが最高傑作か、ということなので、少なくともあと「タルチュフ」「守銭奴」「病は気から」くらいは読んでから最終回答をしたいと思うのですが、いつも締め切られるのが早いので、とりあえずここで一度回答させていただきます。もし、明日、明後日、まだ開いていたら、もう一度投稿します。 さて、少しplapotaさんの肩を持つような回答をします。「女房学校」は、モリエールの最初の傑作で、それまでの喜劇を大きく変えたものですね。対話の内容も充実していると思います。第五幕、第四景のアルノルフとアニュスの会話が、内容的にはクライマックスです。実際の舞台では、ああいう個所に演劇の面白さが一番出ると思います。最後のどんでん返しは予想しませんでした。この作品は、ほかの作家の作品の翻案といえるような部分が多いそうなので、アイデアはモリエール自身のものではないかもしれませんが、本歌取りのような創作方法は、戯曲ではよくやることです。 カーリダーサの方のコメントにお書きになっていた「私のモリエールへの俗物評価」というのは言い過ぎではないですか。周囲の方たちの評価ですが、ちょっと気になるのは、日本人は定まった評価をそのまま受け入れやすいという傾向です。「人間嫌い」が最高傑作だという評価を耳にすると、それに同意しないと、自分の鑑識眼が疑われると無意識的に思っていないでしょうか。なぜこんなことを言うかというと、音楽でも同じようなことがよくあるからです。特に日本で。そして、ヨーロッパなどでは、一人一人が、自分はこれが一番いいという主張を遠慮なくします。 「人間嫌い」は、確かにモリエールが特に時間をかけた作品です。また、モリエールは、喜劇も悲劇と同じぐらい芸術性の高いものだという考えでした。この作品では、観客の笑いを誘うための常套手段を一切排しています。ひょっとすると、そういう意味で少し気負いが過ぎたところがあるのかもしれません。これを、観客の笑いを取るように演出するのはなかなか大変だと思います。 「女房学校」が好きな人は少ない、というのは、plapotaさんの周囲に限ったことですか。日本全体での評価は私にはわかりません。「女房学校」は初演の時、大成功でした。戯曲の書き方に関しては、敵対する作家たちとの間で物議を醸しましたが、それはまた別の問題です。一方、「人間嫌い」の方は、貴族や知識人の評判は良かったのですが、一般大衆の支持は得られませんでした。もちろん、演出にもよりますし、宮廷が服喪中だったという事情もあったようですが、その一方、第一幕でオロントが読む詩をかなりよくできていると考えた観客が結構いて、そのあとでアルセストが罵倒するのを見て戸惑った、とも伝わっています。 Youtubeをまたのぞいてみましたが、「女房学校」はなかなか面白そうです。ヨーロッパでの評価は概して高いようで、実は、オペラもあります。ロルフ・リーバーマンという、現代ドイツの作曲家によるもので、音楽だけ聞いてもあまり面白くはないかもしれませんが、せっかく出ているので、リンクを張っておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=Y9Wn9_5TbUU フランスの劇場のものもありました。個人的には、一番目のものがおもしろそうだと感じます。もちろん、全部通して見てはいません。 https://www.youtube.com/watch?v=4I7QAw6zE8Y&index=1&list=PLANDeM71GoCqSNIUxTlb03K-Pku-yk2Mh https://www.youtube.com/watch?v=GNnEqfJ6Q2M&index=2&list=PLANDeM71GoCqSNIUxTlb03K-Pku-yk2Mh https://www.youtube.com/watch?v=TyKWTgibgps&index=4&list=PLANDeM71GoCqSNIUxTlb03K-Pku-yk2Mh あと、「人間嫌い」のドイツの劇場での公演の一部がありました。ドイツ人の方が、滑稽さの誇張は派手です。「人間嫌い」がおもしろくないと思われるplapotaさんが御覧になったら、観客がひっきりなしに爆笑しているのを御覧になって、あっけにとられるかもしれません。以下は、第四幕、第二景以降の抜粋です。 https://www.youtube.com/watch?v=nM64FgQJUtk 演劇の対訳本はないと思いますが、小説の朗読と違って、登場人物ごとに声も違いますし、翻訳を片手に御覧になっても、大体ついて行かれると思います。ときどき、オリジナルのセリフをカットする場合もありますので、そういう場合はちょっと場所を見失うかもしれません。フランス語のテキストは、著作権が切れていますので、いくらでも無料で入手できます。下は、全集の第一巻と第二巻です。 http://www.gutenberg.org/files/40086/40086-h/40086-h.htm http://www.gutenberg.org/files/43535/43535-h/43535-h.htm こんなことをしていると、フランス語をもう一度勉強したくなります。今は残念ながら、初等文法さえきれいに忘れています。しかし、たとえセリフの一つ一つがわからなくても、こういう動画で本場の舞台を見ることで、戯曲の読み方が違ってくるはずですよ。 世界を代表する戯曲作家には、ぜひチェーホフも入れてください。上演頻度は非常に多いです。 実は私も結構俗っぽいコメディーは見ます。日本のものは苦手なのですが、アメリカのTVコメディーなどは、青少年向けのものまで含めて、結構見ます。ストレス解消にはこれが一番です。 ではまた。

noname#214841
質問者

お礼

毎回多大のお時間を割いていただいて、恐縮してをります。それから私の質問の「ありがとう」ボタンを押してくださつてゐるのですか。お気遣ひなく。哲学・外国語カテゴリに初めて見る人がゐた場合の歓迎とか、「そう思わない」が押されてゐる回答への対抗とか、見ず知らずの他の人たちにも、遊び感覚で押してゐて、Tastenkastenさんだけを特別扱ひしてゐるわけではございません。純粋に名回答の結果と、受けとつてくださいませ。 このたびは、土台としての「ヨーロッパ」を理解していらつしやるTastenkastenさんのご意見をうかがふことができ、感謝してをります。 シェイクスピアの評価の場合は、『ロミオとジュリエット』がロマンチックだ、『ハムレット』の有名なセリフが好きだ、『ヴェニスの商人』がおもしろい、などと人それぞれ(恥も外聞もなく)好き勝手に主張しますが、モリエールの場合には、『人間嫌ひ』一作に集中します。私があへて順位をつければ、質問文のとほりです。フランス文学を専攻した友人なども私とはまつたく正反対の見解です。正直、自信がなくなります。それが質問の動機です。 >>「女房学校」は、モリエールの最初の傑作で、 >>それまでの喜劇を大きく変えたものですね。 岩波文庫の『女房学校』には、付録として『女房学校是非』『ヴェルサイユ即興』がをさめられてゐて、当時物議をかもした(つまり注目された)ことを知ることができますし、モリエール自身も渾身の作として満足してゐたのではないかと推測します。 >>最後のどんでん返しは予想しませんでした。 ソポクレス『オイディプス王』の喜劇版といつたところです。とうていカタルシスにはなりえませんけれど。結局アニェスの結婚のために教育しただけで、「学校」といふタイトルまで笑へる仕掛けです。 >>ヨーロッパでの評価は概して高いようで、実は、オペラもあります。 身近な人から『女房学校』に高評価を与へる声を聞いたことがありません。少し安心しました。いつもたくさん動画や書物を紹介していただくのですが、なかなか消化しきれてゐません。以前のものも、休みの日に少しづつ見てゐます。ときどき別のページでコメントを書くかもしれません。ねこさんなら、すぐに全部見るのでせうけれど。 『タルチュフ』や『町人貴族』は、私などよりも、哲学カテゴリの人たちが読むと気に入つてもらへるのではないかと思ひます。 >>ドイツ人の方が、滑稽さの誇張は派手です。 >>観客がひっきりなしに爆笑しているのを御覧になって、 >>あっけにとられるかもしれません。 はい、ご指摘のとほりでした。 私は決してさう思ひませんが、ドイツ人は生真面目でユーモアの感覚に欠ける、などと言はれることがあります。どうなのでせうか。たとへば、ジェローム・K・ジェローム『ボートの三人男』(丸谷才一訳、中公文庫113ページ)に、あるピアニストの生真面目さをさんざん茶化したあとに、 「ドイツ人はユーモアの感覚がないなどという通俗的な見解はいかに変なものかわかる」と逆に、皮肉つてゐます。 >>フランス語のテキストは、著作権が切れていますので、いくらでも無料で入手できます。 Project Gutenbergのサイトのものくらゐ自分で検索しなければいけませんね。ありがたうございました。 >>こういう動画で本場の舞台を見ることで、戯曲の読み方が違ってくるはずですよ。 これはおつしやるとほりと存じます。演劇に限らず。 >>世界を代表する戯曲作家には、ぜひチェーホフも入れてください。 忘れてゐました。神西清の訳で何冊か読んだ程度ですけれど。あとチェコのカレル・チャペックも入れたいところですが、ゲーテ同様に多能な人で、素直に劇作家のジャンルに収まりません。 非才の私どもに、丁寧な回答を寄せていただいて、まことにありがたうございました。

回答No.3

時間が遅くなってきましたので、ちょっと御報告します。 「女房学校」の第3幕まで読みました。今のところ面白いですが、「人間嫌い」を超えるかどうかは、まだわかりません。モリエールの四大喜劇は、「ドン・ジュアン」「守銭奴」「タルチュフ」「人間嫌い」とされています。「タルチュフ」は、確かウィーンの劇場のプログラムでもよく見かけました。もう少し読んでみたいと思います。それとも、もう締め切られますか? 平日のお帰りが遅いのは存じているので、お礼が遅くなるのは一向に構いません。また、私の仕事のことを気にかけて下さって、ありがとうございます。仕事といっても、まだ軌道にのらず、書いては送り、という状態です。先月、数か月かかった作品を海外へ送りましたが、催しが中止になり、二年先に延期となりました。そんなに待っていられないので、書き直して別のところへ送るつもりなのですが、今年はこんなことばかりで、少しやる気がなくなっています。それで、しばらく仕事と関係ないことをやるのもよいかと思っていますが、ぼちぼちまた始めようとは思っています。 ドイツ語圏の劇作家ですが、ゲーテは、「ファウスト」はもちろんですが、「タウリスのイフィゲーニエ」「トルクワート・タッソー」「ゲッツ」「クラヴィーゴ」「シュテラ」「エグモント」などはよく上演されます。ゲーテと並んで重要なのがシラーで、「群盗」のほかに、「ヴィルヘルム・テル」「ヴァレンシュタイン」「ドン・カルロス」など、たくさんあります。この二人の前に、レッシングという人がおり、「賢人ナータン」「エミリア・ガロッティ」などが有名です。また、ゲーテと同世代でもう一人重要なのがクライストで、「こわれがめ」は、ドイツの数少ない喜劇の傑作といわれています。今、書籍の入手が困難なので、ほかの作品は挙げないでおきます。オーストリアの戯曲作家で重要なのがグリルパルツァー。喜劇作家では、ネストロイがとくに有名で、ドイツ語圏での上演も多いです。あとは、シュニッツラーがよく上演されます。そのほかには、ホフマンスタール、ドイツへ戻ってハウプトマン、ヘーベル、ビュヒナー、ブレヒト、ツックマイアー、スイスのデュレンマットといったところです。残念ながら、日本で接する機会はほとんどなく、翻訳もすぐ絶版になって入手が困難なので、岩波文庫などで出た時は、その場で買っておかないと、読む機会がなくなってしまいます。岩波文庫に、「ドイツ文学案内」という本があり、ドイツ文学の概要がわかりますので、御興味があれば、そのうちお読みになってみて下さい。 今日はこれで失礼します。

noname#214841
質問者

お礼

横着者の私に、丁寧な回答を寄せていただき、ほんとうにありがたうございます。ぶらげろさんのページにも私の馬鹿ぶりは投稿しておきました。 やはりモリエールは『人間嫌ひ』なのでせうか。ほとんどの人の見解であることは承知してゐます。『タルチュフ』『ドン・ジュアン』もそちらの系統の戯曲のやうに感じられます。『守銭奴』は俗物のほうでせうけれど。『女房学校』は好きな人は少ないと思ひます。 いづれにしても、回答番号1で指摘していただきましたとほり、演劇にせよ、ほかの音楽やスポーツなどにせよ、実物に接するのが、いちばんだと思ひます。私に大きく欠けてゐるものです。 >>催しが中止になり、二年先に延期となりました。 それは残念です。やる気をなくされるのも当然です。 >>ドイツ語圏の劇作家ですが ほとんど知らないことばかりです。名前すら聞いたことがない、そんな状態です。Tastenkastenさんの博識には、毎回驚かされます。 >>岩波文庫に、「ドイツ文学案内」という本があり これは昔からある文学史本ですね。フランス、ギリシャローマなど、何種類かあつたと記憶してゐますが、1冊も持つてゐません。少しは、文学史で全体を見渡せるやうにならなければ、と思ひます。 >>今日はこれで失礼します。 私も眠ります。ありがたうございました。

回答No.2

またのちほど回答しますが、一つだけ。 >さういへばドイツ語圏では、フランスのラシーヌやモリエール、イギリスのシェイクスピア、インドのカーリダーサ、ギリシャのソポクレスなどに匹敵する劇作家が浮かんできません。ブレヒトなのでせうか。 それはやはりゲーテですよ! ドイツ語圏は、演劇が盛んです。どんな作家がいるか、のちほど少しご紹介します。

noname#214841
質問者

お礼

どうしてもゲーテといふことになるのですね。多能な人なので、劇作家といふイメージが湧きません。『ファウスト』があまりに有名ではないか、と言はれたとしても、読んでゐません。 >>ドイツ語圏は、演劇が盛んです。 この点も、そんな印象がありませんでした。不勉強なだけですけれど。 御回答ありがたうございました。

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