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活性炭とコバルトアンミン錯体
>系内で一部の反応で、活性炭の存在により >[CoCl(NH3)5](2+) >⇒遷移状態としてCo(3+)(?)←活性炭による酸化 >⇒NH3の脱離 >⇒[Co(III)Cl2(NH3)4](+) > >あるいは >⇒NH3の脱離←木炭(?) >⇒遷移状態としてCo(3+)(?)←活性炭による酸化 いずれの機構にしても、途中で形式酸化数Co(IV)を 考えると言うことでしょうか?
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rei00 です。 > 当然「QNo.86614 ヘキサアンミンコバルト((3))塩化物の合成について」関連なのですが、・・・・・ あ,いや新質問にすることに関してはこれで良いと思います。というよりも,私がinorganicchemist さんに教えを請うた時点で新質問にすべきであったとチョット反省しております(新質問にしようかとも思ったのですが,こういった展開になるとは考えなかったもので・・・)。 私が言いたかったのは,お礼で書かれている様に「しかし、質問文が適切でなかった」という事です。これでは,私と MiJun さんぐらいしか内容がわからないですから。やっぱり,他の方にもわかる表現の方が良かったのでは,というだけです。あまり気になさらないで下さい。 さて,本論が遅くなりましたが,MiJun さんの回答を拝見して,再度先の「コットン・ウィルキンソン 無機化学 下」(培風館)を読み直してみました。すると,p.782 に問題の反応に関する次の様な記述がありました。以下,「コットン・ウィルキンソン 無機化学 下」(培風館),p.782 からです。 Co(II) の化学の重要な特徴は,各種の錯形成配位子(とくに配位原子が窒素である場合)の存在下分子状酸素によってきわめてたやすく酸化されることである。この場合最終的には通常の Co(III) 錯体へ酸化される(とくに活性炭を触媒として存在させるとこの酸化がうまくいく)のであるが,酸素の作用では,はじめ Co(III) の複核ペルオキソ錯体ができるのであって,この中間体が不安定で通常の Co(III) 錯体となるのである。第一段階には O2 が配位して(p.331 を見よ)Co(IV) 錯体をつくることが含まれており,これがさらに Co(II) と反応して Co(III) の複核錯体を生ずる。すなわち CoCl2 溶液を空気酸化すると,アンモニアの存在では褐色の反磁性錯体 [(NH3)5Co(O2)Co(NH3)5](4+) を生ずる。・・・・・ いかがでしょうか。残念ながら私の知識では,これを解説することは元より,これが正しいかどうかの判断もつきません。よければ,一度現物を御覧になって解説して下さい。お願い致します。
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MiJunです。 inorganicchemistさん、#86614の回答の時に別に質問を起こそうかとも考えましたが・・・。 やはり、そうすればと後悔してます。 失礼しました。 もう少し議論が続けられたら幸いです。 (議論というよりご教示頂くということですが) 少し言葉足らずで申し訳ありませんでしたが、正直あの回答時点では「形式酸化数Co(IV)」は頭にありませんでした! その後、手元にある古い本を引っ張り出してきました。 「錯体の化学」(S.F.A.ケトル著、倍風館、1974) この本のp.28には配位数の頻度の記載があります。 ================================== Co(II):6>4>5>4 Co(III):6>>>5 ================================== 頻度は少ないでしょうが、「5配位錯体」が頻度は少ないが可能性があるらしいと分かりました。 >[CoCl(NH3)5](2+) >⇒遷移状態としてCo(3+)(?)←活性炭による酸化 勘違いしていた可能性が強いですが、[CoCl(NH3)5](2+) の形式酸化数はCo(IV)ですよね? そうであるとすれば、「活性炭による酸化」⇒「活性炭による還元」でしょうか? そこで、inorganicchemistさんに尋ねたいのは、 ・5配位錯体であれば、配位子「NH3」はlabileでしょうか? ・中間体(遷移状態)として、中心金属がCoで5配位錯体をとる反応例はあるのでしょうか? ご教示の程お願いします。
お礼
MiJunさん。回答ありがとうございます。 五配位錯体の可能性についてなのですが、十分にあると思います。 今手元にある資料(学部の頃の授業ノート)では、 [Co(III)X(NH3)5](2+) + H2O → [Co(III)(H2O)(NH3)5](3+) X(-) このような配位子置換反応(X = Cl、Br)は解離機構すなわち 中間体として6より少ない配位数を経て反応が進行するようです。 このことはtrans-[Co(III)Cl2(NH3)4](+)が[Co(III)Cl(NH3)5](2+)に比べて 圧倒的に早く反応する。という実験事実が、より正電荷の小さいものからCl(-) が離脱する方が反応が早いはずである。という仮定と一致することから確認 されています。(トランス影響の件は触れられていませんでした。) ただし、完全に5配位というわけではなく、6よりは少ない解離的交替 反応と見なされるようです。 上記の反応で、NH3が置換された生成物は認められないため、少なくとも Cl(-)よりはlabileではないようです。
- rei00
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rei00 です。 「QNo.86614 ヘキサアンミンコバルト((3))塩化物の合成について」(参考 URL)の関連質問ですね。 いつもわかりやすい回答をされている inorganicchemist さんとは思えない,わかり難い質問ですよ。とりあえず「ヘキサアンミンコバルト((3))塩化物の合成における活性炭触媒の役目は?」と読み替えて回答(?)致します。 久し振りに無機化学の教科書を開き直してみると,次の記述を見付けました。「コットン・ウィルキンソン 無機化学 下」(培風館)の p.786 からです。 ・・・・一般にこれらの錯体は,アコ Co(II) イオンを溶液中配位子の存在下で酸化して(酸化には分子状酸素あるいは過酸化水素を用いるのが普通で,しばしば活性炭のような表面活性触媒を用いる)得られる錯体を出発物質として,数段階を経て合成される。たとえばコバルト (II) 塩 CoX2 (X = Cl, Br, NO3) に,アンモニアおよび対応するアンモニウム塩と少量の活性炭を加え,数時間激しく空気を吹き込むことによって,ヘキサアンミン塩が良い収量で得られる。 4CoX2 + 4NH4X + 20NH3 + O2 = 4[Co(NH3)6]X3 + 2H2O 活性炭が存在しないと,通常は置換体たとえば [CoCl(NH3)5](2+), [CoCO3(NH3)4](+) などが得られる。・・・・ これからすると,活性炭は Co(II) → Co(III) の空気酸化を行なうための触媒のようですね。
お礼
rei00さん。ご丁寧な回答ありがとうございます。 当然「QNo.86614 ヘキサアンミンコバルト((3))塩化物の合成について」 関連なのですが、あれ以上、norinori3さんの質問ページで議論をするのは どうかなと思い、とりあえず場所を移しました。本当は No.86614のページで 「補足要求」とした方がわかりやすかったのでしょうね。申し訳ありません。 融通の利かない性格でして。 MiJunさんが書かれている、「遷移状態としてCo(3+)(?)←活性炭による酸化」 という表現が私には理解できませんでした。 私のような者がMiJunさんやrei00さんにお教えできるようなことがあるとは 思っておりません。私のコメント欄にあるように、私自身の勉強になれば と思い、むしろ私の方が教えを請わねばならないと、今回のような質問になり ました。しかし、質問文が適切でなかったのはrei00さんのおっしゃるとおり です。 rei00さん、MiJunさん。失礼をお詫びします。 今後ともご指導お願いします。
お礼
rei00さん。回答ありがとうございます。 (1)[Co(II) + O2(0) → [Co(IV)(O2)(-II)](2+) (2)[Co(IV)(O2)(-II)](2+) + Co(II)→ [Co(IV)(O2)(-II)Co(II)](4+) (3)[Co(IV)(O2)(-II)Co(II)](4+) → [Co(III)(O2)(-II)Co(III)](4+) (1):酸化的付加反応 (2):通常の架橋配位による二核錯体の形成 (3):電子の均一化 とりあえず反応をまとめてみました。(アンミンは省略しました。) 私の知識の範囲では特に疑問を感じるところはないように思います。 最後の[(NH3)5Co(O2)Co(NH3)5](4+)が反磁性であるということは、 Coの状態が(II)ではなく(III)であり、低スピン状態であるということを 示しているのだと思います。 普段使っていない部分の頭を使った気分です。 ゼミの雑誌会(勉強会とか抄録とか呼ばれているやつです。)でも ここまで掘り下げて議論することは少ないので、非常に充実感を 味わっております。rei00さん、MiJunさんに感謝感謝です。