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無機化学の問題がわかりません。
某大学の大学院入試問題なんですが、分かった部分とわからない部分が混在してて、どう問いていいかわからない状態です。 <問題> [Co(NH3)5(H2O)]3+とNaNO2から反応温度とpHを制御することにより、赤黄色と黄褐色の2つの錯イオンを合成することができる。次の問いに答えよ。ただし、コバルトの原子番号は27である。 (1)二種類の錯イオンの化学式と日本語名を書け。 (2)結晶場分裂エネルギーを⊿、電子対生成エネルギーを1対あたりPとするとき、これらの錯イオンの結晶場安定化エネルギーを求めよ。 (1)について 自分は[Co(NO2)(NH3)5]2+と[Co(NO2)(NH3)4(H2O)]2+が答えだと思いました(名前はわかるので省略)。ただ、問題をよく読むと、どこにも1等量のNaNO2と書かれていないので、場合によっては [Co(NO2)6]3-だってできるはずです。そう考えると、二つの錯イオンに該当するものがたくさんあってどれが答えなのかわかりません。これはどう考えるべきでしょうか。 (2)について コバルトはd7錯体で高スピン錯体と低スピン錯体の両方が可能です。高スピン錯体になるか、低スピン錯体にはるかは、⊿とPの大小関係で決まることは理解しています。一般的に第一遷移元素は⊿が小さく高スピン錯体を取りやすい。第二、第三遷移元素は⊿が大きく低スピン錯体になりやすいという傾向がありますが、配位子の種類で⊿の値は変わります。分光化学系列がありますが、6配位すべてが同じ場合しかわからず、複数の配位子が絡む場合はどう考えるべきでしょうか?Pの値もはっきりわからないので高スピン低スピン錯体どちらになるかが見積れません。 以上が質問内容です。 コットンウィルキンソンガウス基礎無機化学の教科書を持っているので、それに沿って説明していただけるととても助かります。 よろしくお願いいします。
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(1)について 素直に考えれば、[Co(NO2)(NH3)5]2+と[Co(ONO)(NH3)5]2+が答えになります。教科書で結合異性(linkage isomerism, 連結異性ともいう)について調べてみてください。NO2配位子のほかには、NCS配位子の結合異性が有名です。 どんな条件下でも絶対に絶対にNH3は置換することはないのか?と聞かれると「いや、仮に置換して別の錯イオンが少しばかりできたとしても、それは生成しただけであって合成したとはいえないでしょう」と少し歯切れの悪い答えになります。納得がいかなければ、Co(II)錯イオンが置換活性(labile)であるのに対して、Co(III)錯イオンは置換不活性(inert)で配位子交換を起こしにくい錯イオンであることが、教科書(または学生実験の指導書)に書いてあると思うので、調べてみてください。 (2)について 三価のコバルトはd6錯体です。高スピン錯体と低スピン錯体の両方が可能ですが、院試に出題されそうな錯体のうちでは、高スピン錯体は[CoF6]3-だけで、他はすべて低スピン錯体と考えていいです。他のイオンに関しては http://okwave.jp/qa/q4541643.html を見てください(もしかしたら間違っているかも知れないので、必ず教科書と照らし合わせて確認してください)。 > 6配位すべてが同じ場合しかわからず、複数の配位子が絡む場合はどう考えるべきでしょうか? なんとなく、で考えればいいです。上の例では、「NO2錯体はコバルト周りがCoN6で、ONO錯体はCoN5Oである。配位子場はNのほうがOよりも強いから、CoN6の⊿のほうがCoN5Oの⊿より大きい」と考えればいいです。高スピン低スピン錯体どちらになるかが微妙なものは、試験には出ません[注1]。もし出ても誰も解けないので気にすることはないです。ただし、配位子場の強さがあまりに微妙な場合は、スピンクロスオーバー(spin crossover)という興味深い現象が起こります。余力があれば、これについても調べてみてください。 注1: 与えられた有効磁気モーメントの大きさから高スピン低スピン錯体どちらであるかを判断せよ、という問題はしばしば出題されます。
無機化学が専門ではないので全ての質問には答えられませんが…。 (1) [Co(NO2)(NH3)5]2+には異性体はないのですが、[Co(NO2)(NH3)4(H2O)]2+には幾つも異性体があるはずです、それを考えてみられましたか? それともアンモン配位子が強いのでアコとニトロ配位子はアキシャル以外入らないとお考えですか?