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対角線論法
いまもう一度kunenのset theoryを勉強し始めようと思い、最初から読んでします。最初のほうで躓きました。一章のtheorem10.16です。 ∀α∃κ(κ>α∧κは基数) の証明です。 W={R∊P(α×α)|Rはαを整列順序づける} S={type(α、R)|R∊W}とする。 このときsupSがκになるというのですが、 ここがわかりません。 Rとして順序数の標準の順序を考えればα∊SでsupS≧αはわかるのですが なぜ、supS=αはありえないんでしょうか? たぶんそのときαとP(α)の濃度が同じになって矛盾を導くのだと 思うのですが。。。
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こんな感じで 今、supSが基数でないとすると、基数の定義によってあるδ<supSがあってδからsupSに一対一対応がある。この時、supSの定義からあるγ∈Sがあって、δ<γ≦supSとなる。δとsupSには一対一対応があるから、(Cantor-Bernsteinの定理によって)γとsupSにも一対一対応がある。 繰り返しになるがγ∈SなのでSの定義からαとγには一対一対応がある。従ってαとsupSにも一対一対応がある。一方、supSとsupS +1にも一対一対応があるので、αとsupS+1にも一対一対応がある。 従って、αとsupS+1との一対一対応によってsupS+1の順序をαに写したものをYとすれば、Yはα上の整列順序であって、type<α,Y>は定義によってSに属するが、type<α,Y> = supS + 1 > supSとなって矛盾する。
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- tmpname
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老婆心ながら補足を。 要は、私の回答の流れを見ればわかると思いますが、S={αと一対一対応がある順序数}なのです。今αの冪集合からαへの単射はない(Cantor)ので(αからαの冪集合への単射はある)、『選択公理をつかえれば』(注)αの冪集合の濃度(これは基数)はαより明らかに大で、従ってSの元は全てαの冪集合の濃度より小。従って、Sは「集合である」ことが言えるのですが、選択公理を仮定しない現在の状況ではこの論旨が使えません。 一方、本のSの定義では、置換公理を使うとSが集合であることが言えるのです。 (注)ZFにおいて「任意の順序数の冪集合は整列可能」は、選択公理と同値です
- tmpname
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「順序数の大小」と「一対一対応がある」とがごっちゃになってませんか? 「δ<supS」というのは、(順序数においては)δがsupSに属するという意味です。この時、δの元をそのままsupSに写す写像はδからsupSへの「中への」順序同型になっています。 一方、いまsupSが基数である事を示そうとしているので、δ≅supSというのはδとsupSとに「一対一対応がある」、ということですよね?(δと supSとが順序同型なら、δ=supSですから)。で、今δの順序をδとsupSとの一対一対応によってsupSに写したものは、supSの整列順序には確かになるけれども、supSの「元々の」(帰属関係による)整列順序とは必ずしも一致しません。 そうすると、type(α,R)≦supS≅δというのは、type(α,R)からδへ「中への写像がある」、ということしかいっていない。この時、必ずしもtype(α,R)≦δであるとは言えません(今の≦は属するか一致するという意味)。(今の記号でω+1≅ωではあるけれども、ω+1≦ωではない) 一旦分けます。
- tmpname
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一応ですが、supSが基数になることはいいですか?
補足
κ=supSとする δ<supSかつδ≅supSとすると 任意のtype(α,R)(R∊S)に対して type(α,R)≦supS≅δ つまりδはひとつの上界となり κが最小の上界であることに反する。 ということでよろしいでしょうか? もっと正確な証明ができればお願いします。
- tmpname
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一応確認をしつつ回答をします。 整列順序<α, R>に対するtype(α, R)の定義は、<α, R>に順序同型な順序数のことでした。で、書いてあるとおりα上の通常の整列順序Wに対して当然type(α, W) = αだから、 α∈S、よってsupS≧αはよい。 で、supS > αを示すには、当然β > αなるβ∈Sがあればよい、つまりα上の整列順序< α, X>で、type(a, X)> αなるXがあることを示せば良い。 この為には、今(本の通り)α≧ωとすれば、α+1とαとは一対一対応があるので、α+1上の通常の整列順序を、α+1からαへの一対一対応で写したものをXとすれば、このXはα上の整列順序で、type<α, X> = α+1 > α。
補足
ここまでは理解できました。ありがとうございます。
お礼
本当に丁寧な解答ありがとうございました。確かに順序数の大小と一対一対応を混同していました。順序数における、大小が必ずしも、整列順序の大小と一致しないことが指摘されてなるほどと思いました。kunenを勉強していたのは8年ぐらい前でもう今は数学から遠のいていましたが久しぶりにいろいろ考えることができました。ありがとうございました。他のtmpnameさんの回答もすべてベストアンサーです。今後ともよろしくお願いします。