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複素関数と行列の関係がわかりません
「複素数zについて,√zが定められている.このとき,正方行列Aの固有値が,0および虚部が負の純虚数でなければ,√Aが定義できる.これは,Aの固有値を含む領域において正則なzの関数f(z)に対して,f(A)が定義できるためである.」ということを習いました. ここで,質問なのですが,「正方行列Aの固有値が,虚部が負の純虚数でない」という条件はなぜ必要なのでしょうか? √zについてz=rexp(iθ)と極形式で表示して,コーシーリーマンの関係式を調べると,z=0のときは,√zは正則ではないということがわかり,これが「Aの固有値が0でない」ことを要求する理由だと考えました. しかし,r≠0かつθ=-π/2の場合は,√zが正則であるため,Aの固有値として虚部が負の純虚数が存在していても,√Aが定義できると考えてしまいます. ご教授願います.
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- kabaokaba
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>「複素数zについて,√zが定められている.このとき,正方行列Aの固有値が,0および虚部が負の純虚数でなければ,√Aが定義できる.これは,Aの固有値を含む領域において正則なzの関数f(z)に対して,f(A)が定義できるためである.」 いろいろなことがごっちゃになっているんですよ,これ まず・・・ 「複素数zに対して√zが定義される」 これは・・・たぶん,√zが「一価正則」という意味でしょう. ご承知だとは思いますが,複素数zに対して,その平方根(一般に累乗根)は 一価ではありません.値を複数取りうるので, その定義域をうまいこと調整して,一価正則になるようにします. それには,「0を含む直線」を複素平面から切り取った領域を定義域にして 0の周りを回れないようにしてあげるのが普通です (直線である必要はないけど,それが一番簡単). さて。。。。ここで, 「正方行列Aの固有値が,0および虚部が負の純虚数でなければ,√Aが定義できる」 この条件,これって,要するに 「0を含んだ虚軸の負の部分,Im(z)<=0の」ではない部分のことで, まさに「「0を含む直線」を複素平面から切り取った領域」です. 複素数zに対して√zが定義できるための条件の特別な場合です. 話を単純化しましょう.Aを二次正方行列で対角化可能, 固有値をλ1,λ2としましょう. このとき,適当な正則行列Pで (λ1 0, 0 λ2) = P^{-1}AP^{-1} と対角化すると, 行列Bを B=P^{-1}((λ1)^{1/2} 0, 0 (λ2)^{1/2})P とすると, B^2=A ですので,Bは行列の平方根です. #一意性的なこととかもろもろ細かいことはこの際,割愛 ここで固有値の平方根がでててきますよね. 複素行列の場合は,ここで「固有値のある領域の制限」がかかわります 制限の仕方は一意ではありませんが,使いやすいものを選びます. 虚軸の負の部分を排除しているのは,それがきっと 今後の話のためにいいものだからなのでしょう. #もともとは制御系の話なのかな・・・ けども・・・ >Aの固有値を含む領域において正則なzの関数f(z)に対して,f(A)が定義できるためである.」 これはちょっと紛らわしいかも・・・確かに(標語的には)正しいかもしれないけど 例えば,f(z)=z なんていう自明な場合は Aの固有値とか関係なく,f(A)は定義できるから. けど,logとか累乗根を考えるとかするなら 固有値云々の話はあるほうがいいのかもしれない #一般論としてこの言明は正しいのか? #一般の正則関数fに対して,この条件でf(A)は定義できる?できたとして正則? ざっくりいうと,質問者さんがいってるのは 「XならばY」という話をしてるときに, 「XじゃないときもYが成り立つじゃん」 ということです. 「XじゃなくてもYは成り立つ」んだけども 「XならばY」は確かなんだから,Xを考えよう, Xじゃない場合は,なんらかの手段で XもしくはXと同等の条件に変換できるかもしれないし,だめかもしれない. だからまずはXのケースで議論を深めようという論旨なのでしょう. 十分条件を小さくすれば適用範囲は狭まるけど その分議論がすっきりするものですよね. 十分条件をいかに広げるかというのは大事な問題ですが はじめは気にしないで先に進めるのは大事なことだと思います.
お礼
返事が遅くなり申し訳ありません. ご回答,ありがとうございます. >「XじゃなくてもYは成り立つ」んだけども >「XならばY」は確かなんだから,Xを考えよう この部分でかなり納得できました. 今後ともよろしくお願いします.