ANo.5 の補足への回答
○「逆像と逆写像の違いがやはりつかめません・・・」
まず、次の2つをしっかり区別することが必要です。逆写像による値は変域の要素です。一方、逆像は、変域の部分集合です。
(1) 集合の要素(「元」ともいう)
(2) 集合の部分集合
例えば、3つの数字 1 、 2 、 3 から成る集合 X を考えてみます:
X = { 1, 2, 3 } ( { } 内に要素を並べて集合を表す)
次の [A] と [B] をよく味わってください。
[A] X の要素は、1 、 2 、 3 の 3 個。
[B] X の部分集合は、 空集合、{1} 、 {2} 、 {3} 、 {1, 2} 、 {1, 3} 、 {2, 3} 、 {1, 2, 3} の 8 個。
上に出てくる {1} は、 1 というただひとつの要素からなる集合を表します。1 と {1} は違うもの、というのがポイントです。1 は数字ですが、{1} は集合です。同様に、2 と {2} や、 3 と {3} も違うものです(注)。
さて、 Y = {10, 20, 30} として、 X から Y への写像f が
f(1) = 10
f(2) = 20
f(3) = 20
で定義されたとします。f(x) = 20 となるx が複数あるので、この f に逆写像は存在しません。一方、逆像は存在し、次のようになります(逆像は、どんな写像にも必ず存在する)。
10 の逆像は {1}
20 の逆像は {2, 3}
30 の逆像は空集合
次に、別の写像 g を
g(1) = 10
g(2) = 20
g(3) = 30
で定義します。この g には、逆写像が存在します。逆写像と逆像は、次のようになります。
10 の逆写像による値は 1
20 の逆写像による値は 2
30 の逆写像による値は 3
10 の逆像は {1}
20 の逆像は {2}
30 の逆像は {3}
数字の 1 と集合の {1} が区別されていれば、「逆写像による値」と「逆像」の違いが分かるはずですよね。
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(注)局面によっては、1 と {1}、2 と {2}、 3 と {3} を同一視すると便利なこともある。しかし、混乱の源でもあるので、初心者のうちは、これらをきちんと区別する習慣を身に着けておいた方が良い。
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○「1/fという表記をあまり見たことがないのですが・・・」
すみません。ANo.5 が言葉足らずでした。 1/f とは、 x に f(x) の逆数(= 1/f(x))を対応させる関数のことです。f(x) = sin(x) なら、1/sin(x) を指します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 理解できました。 本当にありがとうございました。 集合と位相(斎藤毅)を購入してみました。 本当に何度もご回答ありがとうございました。