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筒井康隆の手口
筒井康隆が、乱調文学大辞典の付録「あなたも流行作家になれる」の中で、原稿の枚数を稼ぎたければ、軍隊を描く小説を書いて、居並ぶ兵士に号令をかけさせると、たちまち何十行も消化できるみたいなことを書いていますが、これを「実践」した作家はいますか。もちろん筒井本人でも(してないでしょうけど)構いません。
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たぶん、元ネタは尾崎紅葉の『金色夜叉』だと思います。 1897年(明治30年)1月1日~ 1902年5月11日まで、読売新聞に連載された新聞小説です。 その第1章(冒頭近く)に、こういう場面があります。 ================= (ある紳士のダイヤモンドを見て、口々に) 「金剛石(ダイアモンド)!」 「うむ、金剛石だ」 「金剛石??」 「成程金剛石!」 「まあ、金剛石よ」 「あれが金剛石?」 「見給へ、金剛石」 「あら、まあ金剛石??」 「可感(すばらし)い金剛石」 「可恐(おそろし)い光るのね、金剛石」 「三百円の金剛石」 瞬(またた)く間(ひま)に三十余人は相呼び相応じて紳士の富を謳(うた)へり。 ================= 誰かがやってしまうと、しばらくはやりにくいでしょうね。
お礼
誠にありがとうございます!! 紅葉の意図が行数稼ぎにあったかどうかはともかく、大変面白いですね。「口々に」というのが手口ですね。ここまで極端でないのは探せばあるかも。「しばらくはやりにくい」にしても もう100年経ってますし(笑)。 筒井さん本人の実演(?)は、どなたからも指摘がないので、やはり冗談の一環だったんでしょうか。