この課題が「経済」のカテで区分されていますので、いささか興味を持ちました。
「公共図書館」を「公共財」としてとらえるなら、住民にとってどの様なメリットとデメリットがあるのか、恐らくはこの一点に収斂される出題でしょう。
実際に地方都市ではツタヤに運営を任せている自治体もあります(佐賀県-武雄市)。そしてかつての「都立日比谷図書館」は確か小学館に外部委託する形でリニューアルしております。
こうした事例は、それまで「利用者からの注文に応えて本を探す」だけだった公共図書館のあり方が、地域への情報の発信拠点へと役割を変えている部分に特性があるとの評価もできる一方で、全国一律で画一的な情報提供になりはしまいかとの危惧もあります。
その地域地域ごとに編纂された史料を住民に開示することも、文化施設としての機能の一つであることを考慮するなら、文化の画一性と独自性にどう折り合いを付けていくかなども課題となります。
(2)の過疎地域の問題ですが、これは他の行政サービス同様、住民の政治に対する参加意識の有無にも左右される問題です。過疎地域といっても比較的年の若い60代の方々が人口比にどれ位の割合を占めるのか、あるいは限界集落の様に、住民の殆どが70~80代の高齢者で構成されているならば、「図書館の位置付け」も変わってくる可能性もありえます。
週に2日ほど、その図書館を利用して「戦争記憶の継承」を目的とする聞き取りなどの機会を設けるなら、そこに脚を運んでくる高齢者の安否を知る為の手掛かりともなりえます。
どうも質問者様の意識には「図書館は待っているだけの存在」との印象が強いようにも感じられますが、今や図書館は「活動する主体」であり「場所を提供するサービス」でもあることなどを、一度ご自身の目でお確かめになられた方が具体的な問題点を炙り出す手掛かりとなろうかと存じます。
大学の図書館は学部の学生が試験やレポートの材料を探す場所になっていますが、大学によっては「コレクション」を収蔵しているケースも少なくありません。そうしたコレクションに一度、直接に触れることもお勧めします。